第38話「最後の天魔将」
第六天魔王を前に、不可解な力に翻弄される刀子とデリト。
そこへ最後の天魔将が現れるが・・・?
「さぁ、皆の衆。そんなところで突っ立っておらず、そこに座れ。この世の中でも最も豪華絢爛たる”天の間”なるぞ。ゆっくり堪能せい。」
第六天魔王は優しげな声色を使いながらゆっくりとデリトたちの方に歩いてきた。
「刀子。」
「分かってる。でもアイツの能力が分からない・・・!」
デリトと刀子は構えて戦闘の準備に入った。
先程、突如としてデリトたちが天の間に移動させられたのも含め、第六天魔王の能力に違いなかった。
「全く、あの世よりも贅を尽くしておる”天の間”で茶を飲めるのじゃ。それが嫌だと申すのか。
久方ぶりの私に歯向かうものが現れたと聞き、客人として招きいれようという我が厚意がわからんのか。」
第六天魔王は拗ねたような口調でぷいと王座の方へ向き、デリトたちに背を向けた。
デリトと刀子はその瞬間アイコンタクトし、第六天魔王に攻撃を仕掛けようと床を蹴り、跳んだ。
「それとも・・・茶より戦いがお好みなのかな?」
ぱっと第六天魔王は振り返り、にやと笑った。
その瞬間、デリトたちは目標を飛び越えて先程、第六天魔王が座っていた豪華絢爛な玉座の目の前にいた。
「何!?」
「いつの間に私達移動したの?」
異世界転生者同士、常人よりも遥かに高い跳躍力を持つとはいえ、自分の動体視力を超えるほどのスピードで跳躍したとは考えづらかった。
「おやおや、そんなに急いては早死にするぞ。若人たちよ。」
振り返ると何もなかったかのように第六天魔王が先程立っていた場所にいた。
「お前の能力か・・・!一体何をした!<インフィニティ・ウェポン>!」
デリトが魔法を唱えると100を超える火縄銃が空中に現れ第六天魔王を撃った。
しかし、その次の瞬間、第六天魔王に向けて発射されたはずの銃弾が全て刀子を襲った。
「<連撃一閃>!」
刀子は刀を振るい、咄嗟に銃弾を叩き落とした。
「もう!どこ狙ってるのデリト!」
「い、いや、アイツを狙ったはずなんだが・・・」
何かがおかしい。第六天魔王の能力によるものだということは間違いないが、どんな能力かは分からなかった。
全てのことが一瞬で起き、十分に思案する時間も材料も無かった。
「・・・しかし、最新の兵器をこれだけそろえるとは呪術師か。ならば、我が魔王軍が誇る最強の天魔将がぴったりだ。」
「何を言ってるの!魔王様ご自慢の天魔将はもう第五天魔将まで全員倒したわ!あとはあなただけ!覚悟しなさい!」
刀子が刀を第六天魔王に突きつける。
デリトに出会う前に、刀子が第一天魔将の猿面、第二天魔将の犬面、第三天魔将の蟹面を倒していた。
また、デリトが第四天魔将の鷹面、第五天魔将の蛸面も討伐していたことで既に魔王軍の幹部は第六天魔王のみとなっているはずだった。
「ははは!これは滑稽!貴様はヤツを倒したつもりになっていたのか!いやはや、これはなんとも面白き話よ!」
「何を笑っている!」
「っははは、すまない。我が魔王軍が誇る最強の男を倒したわけがなかろうて。なんといっても奴は不死身なのだからな!」
「不死身・・・?」
刀子は今まで出会った天魔将を思い出していたが、そのどれも不死身という能力はないはずだった。
力が強い猿面、素早さが特徴の犬面、防御力が高い蟹面、空を飛びながら声で攻撃する鷹面、毒墨を吐く蛸面とそれぞれの特技はあるが、どれも不死身ではなかった。
「・・・それにしてもまだ気づかぬか。それでは奴をここに呼ばうか。来い!」
第六天魔王が手を振ると今まで誰もいなかった第六天魔王の隣に大男が現れた。
「まさか・・・あなたは・・・」
「ぬっはっはっは!ここで会ったがン100年目ぇ!”異世界転生無双”よ、俺は何度でも蘇るぅ!」
そこに現れたのは刀子が最初に倒し、力は弱いが防御力と体力が皆無で、最弱と思われていた猿面だった。
「猿面か。」
デリトも戦った時に違和感を感じていた。
確かにヤツはあまりにも弱すぎて不自然だと思っていた。
「でも、猿面が不死身だったなんて!あなたは鉄製の斧ですら簡単にへし折ってしまうほどの怪力こそ自分の特長だと自分で言ってたじゃない・・・!」
刀子は猿面のことを攻撃力が高く、防御力の低い敵だというふうに認識していた。
思い返せば何度も刀子の前に現れるため、毎回倒していたのは事実だった。
手加減はしていないつもりだったが、当たりどころが良いのか運がいいのか生き延びているのだと思っていた。
しかし、確かに刀子は猿面の急所を狙い、攻撃は当たっているはずだった。
それがまさか生き延びていたのではなくそもそも死なない能力だったとは。
「ふはは!我こそ不死身の天魔将!
・・・お、我が半身よ。良くぞ”異世界転生無双”を連れてきてくれた。流石にやるなぁ俺よ。」
驚くことにそういって猿面が歩いていきのんきに語りかけたのは、そこにいた少年だった。
少年とはつまりヒデキチのことだった。
「・・・・・・。」
「ヒデキチ・・・?」
「・・・確かに先程からやけに静かだと思ったがそういうことか。」
デリトはすぐに合点がいった。
「え、どういうこと?」
「おう、見せてやろうぞ、俺らの真の姿をよ!合体!」
そういうと猿面はヒデキチの首を掴み持ち上げてバリバリと頭から食べた。
「な・・・!」
流石にこれはデリトも予想外だった。
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