表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/262

014 星の魔術


「【魔術適正:星】?」


 俺が何を得られたのかと情報版(ノティーティア)を確認して呟く。それにハクナが反応する。


「星属性ですか? 現状存在しない属性ですね」

「今ある属性は何があるんだ?」


 ある程度はアンケートの最後にあったリストの最初の方に出てきていたので知っているが、実を言うとあまりよく覚えていない。


 それに、まだそれと完全に一致していると証明されたわけではないので、ここらできちんと確認しておくのもいい機会と思ったのだ。


「属性は全部で10種類あります。まずは基本となる四大属性と呼ばれる地・水・火・風の4つです。地は水に、水は火に、火は風に、風は地にそれぞれ優位性を持っています」

「まぁ、そのあたりはこっちの世界でのゲームとかでもおなじみだな」

「それ以外には上位属性となる(いかずち)と緑があります。雷は火と風に優位性を持ち、地と水を苦手とします。逆に緑は地と水に優位性があり、火と風を苦手としています」

「へぇ、複数属性に対する相性か。雷は水に大して強いイメージがあるがここでは違うんだな」

「地は電気をあまり通さず、水は吸収、分解される為と言われています」


 そういう考え方もあるのか。じゃあ逆に強い理由の方も知りたくなるが、まぁ、この辺はそういうものだと理解するしかないな。


 こういう相性というのは戦闘において、特に属性が伴う魔術師にとっては重要事項だろう。知っておいて得はあっても損はない。


 緑っていうのも言葉としてはあまり見ないが、どうやら植物などの自然系統に分類されるらしい。


 ゲームなどのイメージが強い俺からすると、風の中に雷があったりすることもなく細かく分けられているように感じる。流石に10は多い気がする。


 ……中にはポ○モンみたいに大量に、かつややこしいものもあるが。


「他には?」

「相反する特性を持つ光と闇ですね。お互いがお互いに優位性を持ちます」

「それもよくある話だな。わかりやすい」

「後は治癒や破邪の特性に特化された聖属性と時、空間の強大な力を持つ時空属性です」

「時空魔術はお馴染み最強候補だな。でも、治癒系統は聖属性だけなのか?」


 回復魔法というのはゲームとかだと光属性が種のイメージだが、ある程度他の属性が持っていることもある。


 今回は光からもさらに分けられていて意外だった。回復はやはり貴重ということなのだろうか?


「そんなことはないですよ。光属性や水、緑、風、地属性にも数や種類は少ないですが、回復に類するものは存在します。ただ、効果は聖属性にあるものには遠く及びません。完全にそうというわけではないですけど、基本的には地が自己回復、水が単体回復、風が範囲回復、緑が状態異常回復、光が聖属性に対して各種回復の劣化版といった感じが強いですね」

「なるほど。そこら辺で住み分けがされているんだな」

「はい。最後にその10属性全てに属さない、属性を持たない無属性があります」

「あぁ、やっぱりあれは無という属性ではなく属性がないという意味での無だったのか……」


 俺が当初思っていた魔術適正自体がないという意味ではなかったが、適性の属性としてはないという意味では間違っていなかったらしい。


「基本的に無属性の魔術は生活を支えるようなものや戦闘を補助するものが多く、攻撃力のないものがほとんどです」

「…………そうか」


 あの希望的観測は完全に的外れだったというわけだ。


 今となってはハクナとの契約のおかげで【神力】を経て魔術の使用権限を有し、それにより発生した【我が内眠る創造の拠点(ラスティア・ラヘル)】によって魔術(適性)を作り出すまでに至ったがそれがなければ結局使えなかったんだな。


 ここはハクナに素直に感謝だな。口に出すと調子に乗りそうだから本人に直接は言わないが……


「そこに今回作り出した星属性が加わるわけだな」

「そんな簡単に加えていいのかはわかりませんけど……」


 ハクナがなんとも言えない顔をしている。まぁ、魔術の属性が増えるなんて世界の常識が変わるようなことに近いのかもしれないしな。


 それにさっきハクナが説明してくれた相性問題もどうなるのかわからない。


「取り合えず中身を見てみるか」

「気になります……」


 情報版(ノティーティア)の【魔術適正:星】の欄をタップし詳細情報を表示する。すると【神術】の時と異なり使用可能な魔術が一覧で表示される。


「これは……」


 そこに並ぶ魔術の名称に一通り目を通し愕然とする。そこには想定していたよりも数割増しの規模の魔術が並んでいた。


 まぁ、星の魔術の名にはふさわしいと言えばそうなのかもしれないが……


「どんなのがあったんですか?」

「かなり大規模な魔術が多いな。どれも広範囲を殲滅するようなものばかりだ。それに新しい属性が生まれたってわけではなさそうだぞ?」

「そうなんですか?」


 そうなのだ。記載してある魔術に目を通していて気付いたのだが、どうやら星に関する魔術を集めただけで属性自体は既存の属性に則っていた。ただ違うところと言えば……


「あぁ、ただ一つの魔術が複数の属性を持っているものが多いな。中には5属性以上を含む魔術すらある」

「それは……確かにそれだとご主人様(マスター)に相応しいと言えるかもしれませんね。通常魔術適正は1つあればいいほうで、多い人でも3つか4つです。5つ以上の適性を求められるのなら、それは【神術】による【神力変換】の補助が必須だと思います」

「なるほど」


 ちなみに種類は全部で20種類ほどあった。参考にいくつか紹介しよう。これをみればその異常性がわかるはずだ。


『星属性魔術一覧』

 ・【極天星(ルミナス・レイ)】 Rank:S 光+雷 自身の配下や味方の数だけその力に応じた光を撃ちだす殲滅の嵐。生成された光は自由に制御できる。


 ・【紅喰炎(プロミネーター)】 Rank:EX 火+闇 全てを喰らう高温の龍を呼び出し、飲み込み焼き尽くす破滅の龍砲。ある程度の意思を持ち、戦場を駆け巡る。


 ・【隕石雨(メテオーラ)】 Rank:EX 地+火 大小様々な隕石の雨を降らせる。込める魔力で数とサイズを変動させることができる終焉の呼び声。まとめて巨大な隕石を落とすことも可能。


 ・【縮退星(コラプサー)】 Rank:EX 闇+時空 光すら捻じ曲げる超重力の空間を生成しありとあまねく全てを吸収する万物の捕食者。別名、ブラックホール。 


 ・【星之終焉(フィーニス・ノヴァ)】 Rank:EX+ 地+水+火+風+緑 新たな星を生成し、その命を対価に破滅を振りまく絶望の災禍。星の命を奪う力を秘めた禁呪の一種。


 なんかどれも説明が仰々しいな。そして基本Rank:A以上がほとんどで初級~中級の魔術がほぼ存在しない。よくもまぁこれだけ星にまつわる魔術を集めたものだとある意味賞賛したいところだ。


 説明文を読んだだけでも余裕で国を滅ぼすレベルのものばかりでちょっとお試しで……なんてことができそうもない。中には星すら滅ぼす禁呪まである始末だ。


 ……魔術の覚える順序がおかしくないか?


 これじゃあ、せっかく使えるようになっても気軽に使うことすらできないだろう。それでは意味がない。魔術が使いたくて魔術適正を創ったというのに、これでは本末転倒だ。


「どうしますか?」


 当初の思惑と異なる結果に俺が悩んでいるとハクナが今後の行動をうかがってきた。


「最初は試射……実際に魔術を使ってみたかったんだがそうも言ってられないからな。……いや、1つか2つは試せるか?」

「え? 本気ですか?」


 ハクナが俺の言葉に驚き正気かと問いただしてくる。この感じだと俺が見知らぬ世界に破壊を振りまくとでも思ってるのか? 失礼だな。


「何も世界を滅ぼす魔王になりたいわけじゃない。星の魔術の中には攻撃力を伴わないものもあるんだよ」


 それがこれだ。


 ・【極光天(オーロラベール)】 Rank:EX 光+雷+火 天空にオーロラを発生させ対象の体力、魔力、状態異常、病気、部位欠損、呪いを回復、解除する天の救済者。死を除く全ての異常を取り除く。


「回復系の魔術ですね」

「あぁ。しかも明らかに規格外の代物だ。この世界に詳しくない俺でもわかる」


 試しに確認してみたが、やはり破格の効果とのこと。過去魔王を討伐した(やっぱりいるんだな)勇者と共にいた聖女ですら、Rank:A相当の治癒魔術しか使えなかったそうだ。


 ちなみにどこか怪我をしているわけでも、状態異常にかかっているわけでもない。選んだのはただ“破壊を振りまかない”この1点に尽きる。


 “Rank:EX”というのは魔術に設けられたランクの中では最高峰らしい。Rank:Fが最低でそこからE、D、C、B、A、S、EXと上がっていく。ちなみに、Rank:F~Eが下級魔術、Rank:D~Bが中級魔術、Rank:A~Sが上級魔術と呼ばれている。


「でも、どこか怪我しているわけじゃないので効果がわからないと思いますよ?」

「天にオーロラができるんだぞ? 超常現象を起こす時点でどんな効果が別にあろうとそれは魔術に違いないさ」

「そういうものですか?」


 ハクナは俺の考えに納得できないのか、首を傾げる。


 確かにただ魔術が見たい、使いたいという理由だけで放たれていい魔術ではないだろう。もったいないのでせめて誰か困っている人を助けるべきな気もするが、明らかに個人に対して発動させる規模のものでもない。


「別に何かリスクがあるわけじゃないしな。今回は無駄撃ち前提だ。代償になるのはすぐ回復する魔力だけだし、最初は派手なのにしたかったからちょうどいい」


 ……そう言えば魔力は足りるのだろうか? 俺の予想ではすぐさま回復するにしても消費魔力以下の魔力がないなら使えないイメージなんだが……


 そう思い情報版(ノティーティア)能力値(ステータス)を確認する。


「……はぁ!?」

「きゃぁ! ……ビックリしました。何があったんですか?」


 俺がいきなり大声を上げたのでハクナが驚いていた。だが俺はそれどころじゃなかった。

 

「特に何もしていないのに能力値(ステータス)が上昇している?」


 そう、この世界にきてからスキルは頻繁に見ていたが、能力値(ステータス)に関しては見る気も失せて確認していなかった。


 それが、この短い期間に一部がかなり上がっていた。


 ○名前:レクトル・ステラマーレ 人族 16歳 ♂

 ○称号:“異世界の旅人”“セカイに選ばれし者”“水神子の契約者”

 ○Rank:U(1)

 ○ステータス:

  ・体力:17/17

  ・魔力:50052/50052

  ・筋力:4

  ・守力:3

  ・理力:8

  ・護力:6

  ・速力:128


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ