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第四、5話 挑む者たち

「よし、ここだな。」


「・・・OK。イーモデッド星系宙域を離脱しました。これより座標空白域です」


「ミンドラ星が肉眼で見えるこの位置でとりあえず小休止だな」


「見えてんのはお前だけだけどな・・・」


「意識調査の結果出ました。反対者0」


「ありがたいこっちゃ!ははは!!」


「・・・死にたがりなのかお前ら・・・」


レーダーを凝視しているオペレーター。


だ円球体型の艦橋、後方の透明ガラスに張り付くように外を見る小柄な船員と


その隣、その船員を一回り大きくした船員。


レーダー席の反対側で小型モニターをたたみながら報告する船員。


大笑いするグラン。その隣に頭を掻きながら呆れるドクベー。


シナニクト星探査船団、旗艦空母シナーナ、の、駆逐艦「テオ」の独立航行中。


その艦橋である。


「そういうな!みんな知りたいんだよ。次元を超えたその先を!」


「・・・出発前にも言ったが次元を超えるというのは超越とかじゃない。


生まれ変わりのような感覚を受ける。転移、転生かもしれん。


次元を超えた先に来た自分が自分でなくなってる可能性もある。


それでもいいn」


「いいんだよ!!この船の乗り手はそういうのばっかだからな!」


「選別に苦労しましたよ。一定水準の能力と意識調査も半数以上クリアでしたしね」


「奥さんも来ると思ってましたけどね」


「あいつは現提督だからな。ディオンら幹部もシナ―ナの任務最優先にさせておいた」


腕組みのまま神妙な顔をしているドクベー。目前に迫った行動の前にあまり伝わってこない


グランの緊張感のなさに少し考えてやはり考え直そうという気を起こさないか聞こうとする。


「・・・おい」 しかし、


「俺はくどい事は聞かん主義だ。こいつらが再三意識調査してこの期に及んで反対0!


それでいいんだ。なぁおまえら!」


「はい!」「おす!」「もちっす!」「うす!」「はい!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


ドクベーの呼びかけにかぶせるように強めに、しかし圧する感じはない口調で


船員の意志を尊重するように船員たちの返事を促すグラン。


艦橋にいるメンツ。と、メインパネルを操作している航海長のパネルの


一つのスイッチをおすと艦橋全体を振るわせんばかりの歓声が響く。彼らの返事だ。


通信を放送状態にしておりその返答を艦内じゅうから艦橋にあつめたのだ。


「やれやれ・・・まぁ自分もあの次元に届け物があるからこその移動だが、


それがなかったらその機会もなかったんだからな!」


「わかってるよ。ヒレサンドはこなかったな」


「あいつは転移で来ていた。次元を超えたんじゃなく次元を移動したんだ。


次元を超える衝撃はとても本来の人類の肉体でたられるもんじゃない。


かつてヒレサンド達と戦った魔王はおそらくこの次元とも違う形での別次元の・・・


おそらく科学者だ。」


「科学者?」


「ああ、シナニクトのような金属製の文明や技術を持っていた。


圧縮技術はこっちよりひどかったが魔法との相性はとことんよかったな。


構造原理は全然わからなかったが機械で高等魔法を連発されたのは圧巻だった。」


「ほほ~~!見たいな~それ!・・・でも、今回じゃないとあいつの次元に


行けないってのは本当なのか?」


艦橋を歩きながら船員の姿勢や各機器の状態を確認するように眺めながら


会話するグラン。シナ―ナ時代の癖のようだ。


「・・・俺もそうそう意識して目的の次元に行けるわけじゃない。


シナニクト星系に主に来れるようになったのもつい最近だしな。


次元を超えた回数だって試してみたときの一回。ここからよくわからん宇宙だったな。


その時は同じ箇所に打撃してみて運よくシナニクト宙域だった。


二回目にヒレサンドの次元、グレモアールという星のある次元に行ったんだ。」


「え?じゃあ今回で3回・・・」


レーダーを見ていたオペレーターがうっかり口をついて出た。ツッコミ癖があるようだ。


「いや、その後で2回ほどグリモア―ルに向かおうと次元を超えたことがある。


その時だったかな。次元を超えるに適した場所とタイミングのようなのがあるのがわかったのは。」


「ってことは今回で5回目ですね。」


「ああ、グリモア―ルににた感じをグエルコで滞在中に外の、まさにこの方向からしたんだ。


なによりこの次元に帰るときも別次元からこの次元の予感にも似た気配を


探せたときにしか帰れない。ならば。というのが根拠だ。」


「我々では解析できないので何とも判断つきませんね。」


「それが超越者というもんなんだろう!まるで神様だなわははは!」


「その神の裁きを転生という形で乗り越えた英雄もいることだしな。


向かうこの機会は確実だろう。」


神様と茶化されたドクベーだがその神からの処刑を若い肉体に転生して乗り越えた


グランを英雄と茶化し返したドクベー。スケールがでかすぎて笑いこそすれ


周りは少し引いている。


「でもやっぱ予感だの気配だのじゃな~・・・」


「ああ、が、外れたことはない!」


「2、3回だろ!ま、それにかける我々も我々だけどな」


みんながいよいよと心を引き締める。するとパネルを操作していたオペレーターが立ち上がり


皆に何やら錠剤を配って回る。2錠。船員全員が1錠ずつ飲んでゆく。そしてグランの傍に来た。


「ボス、総員バイオプロテクター、アストラルプロテクター服用完了です。我々も。」


「ああ、一応飲んどくか。」


「俺のも頼む。」


「んお?超越者様?え?ビビってんの?」


グランが煽る。


「なくともできるがあるとないとじゃ大違いだからな。すきっ腹で重労働するのと


腹一杯くって重労働するのと違うだろ?」


素直に返すドクベーに周りがほほえましく笑う。


皆に習うように1錠ずつ服用し深呼吸を2,3度して落ち着いた表情で船員の前に立つドクベー。


「さて、いよいよ、ここから次元を超える裂け目を作る。会議で言ったが「次元超越」とは


我々「超越者」と呼ばれる者が許可されている、恒星を破壊するほどの威力のエネルギーを


一か所一点に打ち込むことでできる空間とエネルギーの歪曲点を無理やりこじ開けて


その隙間にすり抜ける行為だ。


誰が直してるのかは知らないがその裂け目はおよそ10分で閉じる。


閉じ方は消えてゆくような感じだ。


途中でどうなるのかは見たことないからわからん!」


ドクベー説明を続ける。



今回は駆逐艦クラスが通れるくらいには広くあけるつもりだから通過は問題ないと思う。


俺の合図をカリベロ、だな?目のいいお前が見て裂け目に飛び込む。いいな。」


「はい!!」


ひときわ大きな返事をする小柄な船員カリベロ。若干緊張しているように見える。


裂け目ができることで向こうの次元からの大気だのエネルギーの奔流はない。と思う。



この次元の宇宙空間で次元を超越した場合、超越した先の次元も宇宙空間の確率は高いからだ。


少なくとも今まで違ったことはない。」


全員がうなづきながら聞いている。


「だが裂け目を通過した刹那、脱皮するような感覚が必ずある。


俺は植物の肉体だが脱皮の生理現象がある。だからそう例えたが、そうとしか例えようがない。」


「生まれ変わるような衝撃、ですね?」


カリベロのとなりの船員がカリベロの肩をつかみながら言う。


「そうだ。以前超越した際、前もってもらっていたアストラルプロテクターの錠剤。


あれを飲んで試したらかなりその脱皮感覚が軽減されたのが今回の君らへの試行だ。


君らでどれほどの衝撃があるかは私にはわからん。それでも行こうとするからの今だ。


次元を抜けた先でも君ら全員とまた再会できることを祈る!」


「はい!!!!!」「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


グランも全員に習い「はい!という返事。その直後例によっての全船員の返事の大歓声。


ドクベーはグラン達に敬礼し歓声を背に艦橋のドアへ


「なあ、ちなみに何に祈った?」


グランらしい皮肉をこのタイミングでドクベーに放った。


ドクベーは出ていこうと艦橋のドアに手をかけて止まる。


声を後ろに届けようと顔を上にあげながら


「一番頼れる英雄にだ!」


「はあ?なんだそいつは?」


「ふっ自分じゃわかんらんだろうな!英雄!」


笑いながらドアを開け素早く出ていくドクベー照れくささが背中にでていた。


が、一番照れくさいのが赤くなりながら周りのくすくす笑いをしずめながら


「お、おし!ドクベーが船外に出たら総員特殊航行の最終準備だ!


いいか!死ぬ旅だ!生きたければ死ぬな!細心の注意と行動を心がけろ!いいな!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


艦橋の全員、艦内の全船員の通信全てが返事の咆哮をあげた。

お久しぶりです。いろいろあってこれだけでも続けていこうと思っています。

カイン2ももうじき終わる流れなので書きたいと思ってます。

よろしくお願いします。

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