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第三話 緊急 フラグの折り方教えてください!  ②

その病院は県屈指の大病院。日本でも5本の指に入るほどの規模を誇る。


県庁のある市の隣の町。町の規模はさほどでもないがその病院の恩恵か


経済的に潤い、町というよりは市、という感じを受ける。


小高い丘の中腹にあるその病院は周りは山に囲まれさながら要塞のように見える。


しかし歴史は浅く、去年20周年を迎えたといわれている。


ただ、この病院がその場所に建てられる前は古い神社だったという。


その神社の情報は残念ながら未入手だが病院に関する詳細は別紙に記載する。


なお・・・



数枚の紙を手にそれを眺め見ながら壁にすがる男。


鍔の浅い帽子にサングラス。紺色のスーツに黒いシャツ。ネクタイはしていない。


男が顔を上げる。視線の先にはベッドで寝ている男子高校生。


その足側に巫女の装束のように見えるが少しおとなしめの衣装とも見える格好の女性。


コスプレ?とも思えるが着こなしがしっくりきていて違和感なく見ていられる格好だ。


そして男の対面。ドアのある方向にそのドアをふさぐように2人の男が立っていた。


一人はスーツ姿。もう一人はよくいる休日のおやじ姿のような若い男。


ワイシャツに短パン首にショートタオルを巻いている。それでいて顔は端正で俳優と名乗られても


納得してしまうほどのマスク。それがそんな格好である。似合わな過ぎて目を背けてしまうほどだ。


女性はうずくまっている。女の子、というよりは女性、女性というよりは幼く見えるような容姿。


ちらっと右を見る。帽子の男が前の二人の男から視線を向け返してくる。ビクっとなりまたうつむく。


少しして左を見る。二人の男がなぜか同時に向いてくる。ビクっとなりうつむく。その繰り返しが2時間くらい続いている。


そこは病院のとある病室。冒頭の病院、その一室である。


寝ている男子高校生は心電図の計器類をつけられているがそれ以外の装置などはつけられていない。


コンコン


重厚な病院特有の病室のドアを軽めのノックが響く。


ココンコンコン


スーツの男が変わったリズムでノックを返す。


コン コン コン コン コン コン


ノックは6回返ってきた。


「6組か。で、ここの二人、予測されてたのは全部だな。で、いいですか?」


スーツの男が親父イケメンに言う。


「あんた、動けるだろ?自衛はしてくれよ?」


親父イケメンはスーツ男に答えずグラサン男に向かってしゃべってはドアに向きファイティングポーズ。


スーツ男はそれを見るやイケメンを通り過ぎ巫女の女の前に立つ。


顔を上げる巫女。直後


プゥ


「うわああああ!」


直撃を受けもんどりうつ巫女。ちょうど顔を上げた位置がスーツ男の尻の位置だった。


「なにするんですかああ!」


ガバっと起きて文句を突き付ける巫女。


『生理現象だ。他意はない。』


「え?あれ?」


『少し騒がしくなる。構えておけ。』


声に出ているのは巫女の不思議そうな声だけ。他は巫女にしか聞こえない声。


グラサンにも聞こえてはいないが一連のギャグのような展開を意にも介さないスーツとイケメンの姿勢に


自分も冷静に何かしら姿勢を構える。


『そう警戒なさらず、』


その病室の全員に聞こえない声が聞こえた。


『テレパスが使えてたか』


イケメンがそのテレパスとやらで伝えてきた声の主のみに答える。


『合図は彼への精神介入で把握しましたが別のなにかもあったみたいですね』


気配が近づいてくる。病室のドア前にあった気配はドサッという音とともに消えた。


『安心していいですよ。手荒なことは致しません。目的は皆さんと同じなのですし、


・・・ただ・・・』


近づく気配。病室から見て左側の廊下から歩いてくる。病室のすべての連中に


強い電磁波を浴びているようなびりびりくる感覚が近づくにつれ強くなってくる。。


「おいおい、何がくるってんだ・・・?」


「ここ、これって・・・」


「殺気じゃない、がこの圧力は・・・」


『皆さんには申し訳ないんですが、』


気配がドアの前にやってきた。シルエットしか移さないガラス越しの影は女性のように見える。


そもそもテレパシーの声が女性だった。シルエットが沈み


「よいしょっと」


先ほど崩れ落ちた気配を横にどかしているようだ。重いものが床をする音。


シルエットが再び浮かんでくる。と、


ググググググググ・・・


「「うおお!」」


「きゃ、ああ」


「くっ」


病室に立つ(一人座っている)大人たちだけに上から何かに押さえつけられるような圧力が加えられる。


「サイコキネシス、こ、これマジか!」


「こんなのが・・・いるのか!」


「うう、うぐうう」


「・・・」


全員が膝まづく。女性は完全に倒れる姿勢。


ゴコオーー


病室のドアが横に開く。立っているのは黒に近い紺色の一見喪服にも見えるドレスのような


格好をしたサングラスをかけた女性。


ドア付近の二人の男はうまい具合に両サイドに倒れこみ女性はそのセンターに立つように歩み入ってきた。


病室のドアは開く際の反動でゆっくりその重さの勢いでしまってゆき、閉まる。


女性は部屋を全体を一瞥、というより倒れこんでいる連中を見下しまわしながら


「・・・ふっ」


とため息のように笑うと倒れていた連中を押さえつけていた圧力を解いた。


いち早く自分の体の自由が戻ったことに気づいたのは両サイドの男、でなく


解かれた瞬間に恐ろしき速さで立ち上がり拳銃のようなものを構えて女性に狙いを定めたグラサンの男だった。


男は躊躇なく引き金を引いた。半開いた口でその男をベッドで寝る男子高校生を挟んで対峙する女性。


女性のグラサンの向こうの眼差しは虚を突かれた戸惑いはなく冷静に男のグラサンの向こうの目を見ていた。


バズッ


撃鉄からはじかれた弾丸はさきほどのおならの音を大げさにしたような音を出しながらサイレンサーの先から


女性の顔をめがけて飛んでいった。

遅くなりました。今年こそいろいろ進めようと思います!

でも結局ちょっとずつ進める感じなのでご了承ください。

今はあんま本筋と関係なさそうな周りのごたごたが続きます。

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