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叙述トリックに挑戦してみました。

文章が不細工。

表現の多様。

幼稚な内容。

叙述トリックではないかもしれない叙述トリック。

短い。


以上6点がお許し頂ければ、どうぞ。



※描写不足脳内補完設定

齢六十過ぎの、老人の男性の話です

窓には、老人が誤って落ちない様に格子が等間隔で配置されいます。

老人の身長は約160cmですが、窓は165cmの高さにあり、手で捕まって外の景色を覗いています。

老人は、一応医者でした

窓の高さとその地面との距離は約5mなので、それ程高い建築物ではないです。




俺は、朝起きると、決まってこの窓から外の景色を眺める。

お洒落にチェックの柄が施されたこの窓から見る景色は、どんな場所から見る景色よりも、格別だったからだ。

例えば俺はエヴェレストに登頂し、其処から景色を眺めた事がある。

確かに感動して涙が溢れ出した。

しかし、何方が良いかと聞かれると、断然、此方だった。

俺が無くしてしまった物。

それが見えるからだ。

そして、まだ取り返しがつく事も。

この窓からは、手前にある森林と、遠くには、海、そして障害物の一切存在しない空を見る事が出来る。

勿論、森林は一切の開拓が進められておらず、その空気は清々しい。

人工的な建築物は、この建物を除けば一つもない。

なので、地平線上全てが、自然のままの景色を楽しめる。

そんな場所が、現在のこの地球に、一体幾つ存在するのだろうか……?

恐らく、そう多くはない筈だ。

若しかすると、両手で事足りなかも知れない。

逆に、地球上に存在する、自然を淘汰して構成された人工物は、それこそ億は容易いだろう。

基地局すら設置されておらず、ネットのないこの場所からでも、其れ位は、直ぐに思いついた。

そして、それと同時に、どうしようもない事が歯痒く、歯軋りしてしまう。

全体的に、僅かに骨ばった身体。

足は、それこそ筋肉が削げ落ちた様な印象だ。

そう、俺は、この部屋を出る事が出来ない。

もっと言うと、この部屋から出る事が、凡そ叶わなかったのだ。

別に、引きこもっている訳ではない。

どれだけ足を動かしても、俺の身体は、この部屋さえも出てくれなかった。

まるで、足枷でもされているかの様に、この足は、動いてくれない。

それでも形だけは正常だった足も、先程説明した通り、ここ数年で、すっかり筋肉が衰えて骨の様に様変わりしていた。

ガン! と、俺の拳が部屋を震わせた。

窓と同じくしたチェックの壁に、僅かに擦り傷がつく。

何かに八つ当たりしてもこの状況が変わらない事くらい、知っている。

しかし、こうせずには、いられなかった。

俺は、ガンガン! と、またしても壁を殴った。

……なくなって初めて、その大切さを知る。

……大切な物とは、案外身近にある物だ。

誰かの言葉だが、今正に、俺はそれを痛感していた。

俺、引いては、我々人類が、生まれた時から共に歩んできた筈の物が、なくなる。

悔やみようがなかった。

俺がそんな事をしていると、暫くして男がトレーを持ってやって来た。


「騒がない様に」

「へぇ、申し訳ないでさぁ」


少し話は変わるが、この……共同生活所の様な所には、沢山の者が住んでいる。

大抵はルームシェアなのだが、俺の様な奴には、個室が与えられる。

しかしそれでも部屋は隣り合っている訳で。

俺は直ぐ様謝罪すると、そのままトレーを受け取り、食事を開始した。

トレーにはいつも通り、硬めのパンとスープ、そして野菜炒めが乗せられていた。

スープは少し塩味が濃いので、俺は窓から外に流してしまっているが、お腹に優しいバランスで配膳されている。

因みに、余り外に捨てると自然が破壊されてしまうので、怒られてしまうが、俺は役に立たない足に、叱咤する様にその熱いスープをかけていたりもする。

その後食事を終えた俺はいつも通りにトレーの上に食べ終えた食器を全て載せると、扉の外に押し出して、置いておいた。

それが終わると、また窓の外を注視する。

そんな時だった。

不意に、俺の耳には、カラン。

と言う音が響いて来た。


「これは……!」


よくわからなかった。

しかし、その音がした途端に身体は飛ぶ様に軽くなった様な気がした。

景色も、より鮮明に見える。

開放感。

そう、圧倒的な開放感が俺を包み込んだ。

風など一切入ってこなかった窓から、一陣の風が現れた。

俺はそれに身を任せる様にし飛び跳ねた。

すると、なんと俺は、宙を飛んでいた。

そのまま俺は、その風に任せる様にして、チェック柄ではなくなった窓から、飛び降りた。

その後俺が森の中を這いずり回っていると、後ろからは、ビーピー! と言う警笛の様な

音が鳴り響いた。

それはまるで、俺がこれからする事の前祝いの様に聞こえた。













とある脱獄者の日記帳より。






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