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カンガク  作者: HAL姉
6/10

第6議論(3:0)

男性3人用の声劇台本です。

シリーズ物ですが、全て単発で使用出来ます。

フリーですので、アドリブ改変お好きにどうぞ!

使用される際には連絡を頂ければ喜んで聞きに参ります!!


(所要時間15分)

キャスト

男1

男2

後輩(男)




男1

「…むさ苦しいな……絵面(えづら)が」


男2

「お前が言うな。

このメンバーで招集(しょうしゅう)かけたのお前だろーが」


後輩

(はな)が無い……うわぁ…居酒屋の個室に男3人とか…」


男2

「まぁ…何するかは、おおよそ(さっ)しがついてるけどな…」


男1

「よし、期待に応えて早速(さっそく)始めるぞ!

カンガク!!!」


後輩

「定期的に、先輩はカンガクスイッチが入るんですかねぇ…

話には聞いてましたけど。

大学時代も、最低でも3日に1度はカンガクの議題を持って来るとか…」


男2

頻度(ひんど)えげつねぇな!」


男1

「それだけこの世の中、議論すべき議題があるという事だ!」


男2

「あー、カンガクって、そういやこいつが発起人(ほっきにん)でサークル化までしたんだっけ?」


後輩

「そうなんですよ。

侃々諤々(かんかんがくがく)、どんな議題でもすべからく熱く議論する!

これが案外盛り上がるんですよねぇ。

あ、サークルはまだあるみたいですよ」


男1

「おぉ、そうなのか?」


後輩

「ええ。

年々、女子メンバーも増えてますね」


男1

「何…だと…!?

俺がいた頃は女子メンバー、1人しかいなかったのに…口惜(くちお)しい!!」


男2

「なぁ俺、サークルメンバーじゃなかったんだけど。

何で今日呼ばれたんだ?」


後輩

「何を今更(いまさら)言ってるんですか。

今までにも何度か付き合わされてきたでしょう?」


男2

「あーあ…()み会っつーと、ついつい来ちまうんだよなぁ…ははは…」


後輩

生粋(きっすい)の呑んべぇなんですね…」


男1

「あー、そろそろ今回の議題、聞いて(もら)えませんかねー」


男2

「普段は家で呑むが、たまにゃーダベりながらってのもいいだろ?

コイツ、毎回いいタイミングで連絡寄越(よこ)すから、つい…な」


後輩

「なるほど…

ボッチが(さび)しいって事ですね?」


男2

「うるせぇ!

どうせお前実家住みなんだろ!

(ぼっ)ちゃまには分かんねぇだろーよ」


後輩

「いえ?

ルームシェアしてます、友人と」


男2

「1人暮らしじゃねーなら一緒だ、一緒!」


男1

「お前ら!

頼むから聞いてくれよぉ……泣くぞ…?」


後輩

「あーもう、分かりましたよ〜。

本日の議題は何ですか?」


男2

「コイツ、泣きだしたら超面倒臭(めんどうくせ)ぇもんなー。

おら、しゃあねーから聞いてやる、言ってみろや」


男1

「コホン、よし…

本日の議題は!!

『ブリーフvsトランクス』だっ!!」


後輩

「……はぁ…」


男2

「へっ、そんで今日は女どもを排除したんだな」


男1

「そういう事だ!!」


後輩

「えー、(ちな)みに議題主(ぎだいぬし)である先輩は、どっちなんです?」


男1

「俺は勿論(もちろん)、ブリーフ派だ!!」


男2

「うへぇ……知りたくなかった…」


男1

何故(なぜ)だ!!」


後輩

「何かこれ、思いの(ほか)ダメージを受けますね…

あんまり聞きたくないんですけど、それってやっぱり…色は…」


男1

「勿論白だ!!」


男2

「あーあー、そうだろうとも。

どうせ幼少期に親が用意するのが白ブリーフで、そのままズルズルと趣向(しゅこう)を変える事無く今日(こんにち)(いた)ってるんだろうさ」


後輩

「あれっ、何か…意識が遠くなってきました…」


男2

「戻ってこい!

頼むから俺を1人にするな!」


男1

「そんなに変な事か?

いや、中学時代にさ、トランクスに挑戦した事もあったんだよ…でもなぁ………」


後輩

「でも、何ですか…?」


男1

「いやその…

こう、おさまりが悪いっていうか、居心地(いごこち)が悪いっていうか…なぁ?」


男2

「いや、俺に同意を求めるな!」


後輩

「あれ、じゃあ…?」


男2

「俺はトランクスだな。

いつからだったかは覚えてねーけど」


男1

「いやー、トランクスだとさ、風邪(かぜ)引かないか?」


男2

「何でだよ!」


男1

「スースーするだろ?

隙間風(すきまかぜ)入ってくる、的な!!」


後輩

「いやいや、上にパンツ()きますよね?」


男1

「パンツ?」


男2

「それ発音違ぇよ、パンツ、だろ!」


男1

「あぁ、ズボンの事か。

ややこしいな」


後輩

「ややこしくないですよ。

先輩の頭の中が時代に追い付いていないだけです!」


男1

「ああん?

後輩のくせに、先輩を時代遅れ扱いすんな!!」


男2

「いやいやいや、まずもってお前は元々(しゃべ)り方が古風っつーか…うん、古臭い」


男1

「言うに事欠(ことか)いて古臭い!?

それは聞き捨てならんぞ!!」


男2

「事欠いて、とか、聞き捨てならんとか、イマドキの若者は使わねぇぞー」


後輩

「肉体年齢はまだ若者の部類に入るのに、先輩って中身オッサンですよね」


男1

「ちょっと待て!

オッサン扱いは流石にスルー出来ないぞ!?」


男2

「まーでもさ、話戻すが…トランクスじゃおさまり悪いっつーなら、ボクサーパンツとかって選択肢があんだろ?」


後輩

「あ、僕ボクサーパンツですよ」


男2

「おぉ、そうかー」


後輩

「心底興味無いって反応ですねー」


男2

「当たり前だろ!?

誰が好き好んで男の下着の話聞くかってんだ!」


男1

「えーと…ちょっと質問いいか?」


後輩

「あ、はい。

何ですか?先輩」


男1

「……ボクサーパンツって…何?」


男2

「はぁっ!?

嘘だろ…お前、ボクサーパンツ知らねぇの!?」


後輩

「う、うーん……あ、分かりました!

先輩、もしかして…自分で下着買いに行った事無いんじゃないですか?」


男1

「無いな。

というか、下着なんて別に誰かに見せる訳でもないし…」


男2

「まさかとは思うが…マザコンか?」


男1

「いやっ、それは断じて違う!

言いがかりだ!!

冤罪(えんざい)だっ!!!」


後輩

「うわぁ…先輩、キョドり過ぎですよ?

かえって(あや)しいんですけど…」


男1

「きょ、ど…え?」


男2

「ダメだこりゃ。

コイツに現代用語通じねーな」


後輩

挙動不審(きょどうふしん)って事ですよ。

挙動不審な発言、行動する事を(りゃく)してキョドるって言うんです」


男1

「ちっ、近頃の若者は何でもかんでも略し過ぎだ!!」


男2

「そこには同意するがな」


後輩

「そうですか?

あんまり意識した事無かったですけど…

って、脱線しそうなんで話を戻しましょう」


男2

「あ?

あー、何だっけ…コイツがマザコンだって話でぇーー…」


男1

「だから、それは違うってーー!」


後輩

「もういいですよそこは掘り下げなくても。

で、先輩…ちょっとこれさっき言いたかったんですけど…お洒落(しゃれ)は下着から、ですよ?」


男1

「んあ?」


男2

「あーダメだダメだ、コイツにそういう話しても(ひび)かねぇぞ」


後輩

「えっ、それどういう事です?」


男2

「そこはほら…察してやれよ…」


後輩

「…?

あ、あー……わ、分かりました…」


男1

「お、おい…当の本人置いてけぼりで2人で通じ合わないでくれよ…

何の事だ!?」


男2

「言わせるなよ、そんな……俺の口からはとても…言えねぇよ…」


後輩

「つまり、先輩はまだ女性とそういう関係になった経験が無いって事ですよね!」


男2

「言っちゃったよ!!」


男1

「ぐっ…

そ、それとこの件は無関係だろう!?」


後輩

「……何ですか、これ…

先輩って、中身オッサンなのに天然なんですか!?

それともピュアボーイなんですか!?」


男1

「ピュアボーイ、だと!?」


男2

「ある意味そうだな。

どうやら好きな女はいる様だが、まだ恋愛が発展した先に何が待ち(かま)えているのか分かってねぇ」


後輩

「そんな…先輩、嘘ですよね?

お願いしますから嘘だって言って下さい!!」


男1

「はっ!

いやいやいやいやいやいや、俺だってそこら辺(うと)くはないぞ!?

知識としてちゃんとだなぁーー…!」


男2

「わーったわーった。

んじゃ、ちょっと想像してみろ」


男1

「そ、想像?」


男2

「そうだ。

いいか、好きな女と晴れて相思相愛(そうしそうあい)、恋人になりました。

まぁ無難(ぶなん)に初デートに行くとしよう」


後輩

「そ、そこからですか…?」


男2

「コイツにはこっからじゃねぇと話通じねーんだよ、想像力(とぼ)しいからな」


男1

「うっ…そ、想像力、乏しい…」


男2

「まぁ黙って聞けって。

で、まー映画でも観に行ったとしよう、それも恋愛映画だ」


後輩

「ベタですねー」


男1

「恋愛映画…お、俺はアクション映画の方が…」


男2

「んなモン初デートで行ってみろ!

速攻でビンタ()らって振られんぞ!」


男1

「んなっ!?

そ、そうなのか…?」


後輩

「あー、必ずしも、ではないですけど…

アクション映画好きな女性も()なくはないかと…あの人は好きかもですよ?」


男2

「取り敢えずそこは置いとけ!

で、映画観終わって、ちょっと普段なら行かねぇ様な小洒落(こじゃれ)たレストランに行くとしよう」


後輩

「どこまでもベタな展開ですねー」


男2

逐一(ちくいち)突っ込むな!

コイツにはこれ位じゃねぇと通じねんだって!」


男1

「恋愛映画観て、小洒落たレストラン…うむ」


後輩

「なっ…目を閉じてホントに想像してる!?」


男2

「そうだな、ちょっとお高めのイタリアンとでもしておこう。

で、そこでワインなんかを呑んだりしてな?

いい感じに酔ってーー…」


男1

「ワインだと!?

いや、俺は生ビール中ジョッキをこよなく愛す!!」


男2

「うるせぇ!

黙って聞きやがれ!」


男1

「う、わ、分かった…ワイン…うむ」


後輩

「そうそう、黙って妄想(もうそう)に意識を集中して下さい!」


男2

「お前も黙ってろ!」


後輩

「あ、ハイ…スミマセン」


男2

「ふぅ…

で、2人ともいい感じに酔いが回って、そろそろ帰ろうかって空気になった時にな?

ふと目に付いたいやにビカビカした電飾(でんしょく)が…」


後輩

「ち、ちょっと待って下さい!?

は、初デートですよね!?」


男2

「あん?

何だよ、お前もピュアボーイか?」


後輩

「いえっ、そこは反論しますけど!

いくら何でも展開早くないですか!?」


男1

「うむ、それは俺も同意だ」


男2

(たと)え話だろぉ!?

ってかいい大人が、ちんたら中学生みてぇな恋愛ゴッコするかっつーの!」


後輩

「なっ…

中学生……えー…?」


男2

「あーもう、面倒臭ぇ!

俺が言いたいのはな、恋人同士がそこへ入りました、行為を(いた)そうとします、服脱ぎます!」


男1

「お、おおっ!?

ちょっと待て、えーと…」


後輩

「ここまでちゃんと情景を、もうそ、じゃなかった、想像しやすい様に丁寧(ていねい)に話を進めていたのに…

ぶっ飛ばしましたね」


男2

「はい、服脱ぎました!

そこで何か気付きませんかー?」


男1

「……んん?」


後輩

「…頭が追い付いてないみたいですよ…

時代にも追い付いてない先輩に、ちょっと無茶(むちゃ)じゃないですかね?」


男2

「あーもうマジで面倒臭ぇ!

いいか?

お前は下着姿になりました、履いてるパンツは?」


男1

「え?

あー…パンツは脱いだから…ちゃんと(たた)んで…」


男2

「そっちのパンツじゃねぇ!」


後輩

「おおっ、学習能力はあるんですね、先輩」


男2

「そこ感心するとこじゃねぇだろ!

下着っつってんだろーがよ!

お前が履いてる下着は!?」


男1

「それは勿論白ブリーフだっ!!」


男2

「そうだ!

じゃねぇ、それを女が見たらどう思うよ!?」


後輩

「うーん、悲惨(ひさん)な光景ですねー」


男1

「………はっ!」


男2

「やれやれ…やっと分かったか」


後輩

「分かりました?

先輩、いいですか、お洒落は下着からっていう意味がーー…」


男1

「白い下着は乙女(おとめ)の特権だもんな!

カラーブリーフにすればいいのか!

それなら何枚か持ってーー…」


男2

「違うわボケッ!!」


後輩

「あ…僕、本気で意識が遠のいて…」


男2

「だーもう、終わりだ終わり!!

ヤケ酒だ!

…って、ビールぬっる!!まっず!!!」




-end-

感想を頂けると次回作への活力となります!!

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