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カンガク  作者: HAL姉
4/10

第4議論(1:1)

男性1人、女性1人、計2人用の声劇台本です。

シリーズ物ですが、全くの単発で出来ます。

アドリブ改変お好きにどうぞ!

使用される際、連絡を頂ければ喜んで聞かせて頂きます!

(所要時間8分)

キャスト




「ねー、何か面白い事なーい?」


「え、何だよ急に…そんな事いきなり言われても困るんだけど。

面白い事、ねぇ…」


「…あ、ねぇねぇ、アレやってみない?」


「アレって?」


「ほら、うちら出身の大学で流行(はや)ってたじゃん、カンガク!

聞いた事無い?」


「さぁ、初めて聞いたけど…何それ」


「えーとね、侃々諤々(かんかんがくがく)っていう四字熟語の略なんだけど、数年前に大学で流行って、サークルまで出来たらしいんだよね。

発起人(ほっきにん)の先輩って実は同じ会社なんだ〜」


「へぇ〜…

侃々諤々(かんかんがくがく)…大いに議論するって意味だっけか。

んじゃ、何か議題を考えて、それに対してお互いの意見を述べればいいのか?」


「そういう事!

いい暇潰(ひまつぶ)しになりそうじゃない?」


「別にいいけど、何か取り上げたい議題でもあんの?」


「無い!」


「無いんか〜い!

…議題ねぇ、うーん…」


「あんまり真面目なのはつまんないから、ちょっと面白い議題がいいよね。

例えば…あ、あんたってさ、犬派?猫派?」


「はぁ?

何その派閥論争的(はばつろんそうてき)な話」


「あれっ、友達とさぁ、こういう話盛り上がらない?」


「あー、貧乳派と巨乳派とか、そういう話か」


「…えー…ちょっと気になるけど、そこは()えて触れないでおくわ〜…」


(ちな)みに俺は〜ーー…」


「うん、興味無い!

で、どっちなのよ、犬派?猫派?」


「スッパリ断ち切られると、いっそ清々(すがすが)しいな…

うーん、俺はどっちかっていうと犬派かな〜。

シベリアン・ハスキーとか、ジャーマン・シェパードとか、イングリッシュ・コッカー・スパニエルとか、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとか…」


「…ごめん、何語?」


「えっ、結構メジャーな犬種(けんしゅ)だと思うんだけど、分かんない?」


「何となーく聞いた事あるかな〜程度」


「って事は、お前、さては猫派だなっ!?」


「もっちろん断然猫派!!

アメリカン・ショートヘアやペルシャ、シャムもエキゾチックでたまらないし、メインクーンも抱き心地あっていいのよねぇ〜」


「ちょっと待て、今ジャガイモの品種が聞こえた様な…」


「それはメイクイーンでしょ!

メインクーンは大型の猫種(びょうしゅ)だから!」


(まぎ)らわしいわ!

で、大型って、虎くらい?」


「そんなに大っきい猫を家で飼うなら許可取らなきゃだわ!

保健所に申請(しんせい)しなきゃだわ!」


「分かった分かった、取り敢えず落ち着けよ。

うーんでも、やっぱり飼うなら俺は犬の方がいいな」


「試しに聞いてみるけど、犬を飼うメリットって何?」


「メリット?」


「そうそう。

ほら、猫だったら(いや)されるとかさ、一緒に寝たりとかさ」


「それってどっちにも当てはまると思うけど…

そうだなぁ、犬の最大のメリットは、やっぱ日課の散歩による運動不足解消じゃね?」


「えぇ〜、それって逆に、デメリットにもならない?

雨降りだろうが(やり)が降ってこようが毎日散歩に行かないといけないんでしょ?」


「おいおい、流石に(やり)は降ってこないから。

まぁでも、毎日欠かさずってのは確かにデメリットにもなるかな…

一人暮らしだと、自分に何かあった時に困るし」


「でしょー?

風邪引いたりしてて具合い悪い時でも散歩行かなきゃダメとか…うん、無理!」


「あ、分かった!

(よう)は、一人暮らしには犬は向いてないけど、家族がいれば問題無いだろ?」


「そうねぇ、それなら交代とかで散歩行けるしね」


「散歩に出る事によって、ご近所さんとの交流も(はか)れるぞ?

犬はご主人様に忠実だし、何より賢い!

盲導犬とか、介助犬とか救助犬とか…世界中で活躍してるからな!」


「何であんたが偉そうなのよ!

っていうか、遠回しになんか猫の事馬鹿にされたみたいで(しゃく)(さわ)るんだけど!

猫だってね、猫だって、社会の役に立ってるのよ!?」


「へぇ〜、例えば?」


「うっ…それは…

あ、ほら、あのフワフワの毛並みが手触りいいし!」


「犬だってフワフワで手触りいいぞ」


「たまに甘えてくるのが可愛いし!」


「犬だってそうだぞ、というか、犬は常に甘えたがりだけど」


「猫の方が距離感が丁度いいのよ!

あんまりベッタリだと疲れるでしょ?」


「…ほー、そう思ってんだ…」


「な、何よ…」


「いや、別に。で、他には?」


「え、えっと…冬は一緒に寝てくれるからあったかいし、湯たんぽいらず!」


「室内犬なら同じだよなぁ、それ」


「うぅっ…

もー、いいじゃない!

好きだから好きで!

そこにメリットとか関係無いの!」


「うん。

それでいいと思うよ、俺もそうだし」


「だ、だよねっ?

理由なんか無いの、そこにいてくれるだけでいいっていうか、理屈抜きで好きだなって思うんだもん」


「…俺も理屈抜きで、お前の事好きだし」


「…へ?」


「プッ…あはははは!

何お前その顔、超マヌケ!」


「あ、あんたが急に変な事言い出すからでしょ!?」


「変な事って何だよ。

俺、結構真面目に話してんだけど」


「ちょっと待ってよ…急過ぎて頭回んない」


「…気付いて無かったんだな」


「わ、分かる訳無いでしょ!?

そういうのはちゃんと、言葉にして伝えてくれないと…」


「だから今言葉にして伝えてみたんですけどー?」


「…えっと…」


「で、俺の希望としては、将来お前と一緒に犬を飼いたいなーとか思ってるんだけど、どう?」


「ど、どうって…話飛び過ぎじゃない?」


「そうでもないよ、結構前から考えてた事だし。

で、返事は?

イエスorノーで」


「……い、いえす…?」


「マジで!?」


「ちょっ、声おっきい!

やめてよバカ恥ずかしい!!」


「いやもうこの喜びは、今すぐ窓開けて世界中に叫びたい位だ!」


「…ちょっと返事、早まったかも…」


「お、おいっ、冗談だって!

流石(さすが)にそこまでバカじゃないから!」


「どうだか…」


「やめろそのジト目…

コホン、んじゃ…改めて、宜しくな」


「…うん。

ってか、まさか暇潰しでやったカンガクでこんな展開になるとは思わなかった」


「うーん、それは俺も思うけど、でもいいキッカケになったよ。

カンガクを考えた先輩はさしずめ俺達のキューピットだな!」


「うわぁ、それ先輩聞いたら仲人(なこうど)に名乗り上げそうだからやめて…」


「カンガク様々、いや、先輩様々だなっ!

(あが)めよう!」


「やっぱり返事保留で〜」


「うぉいっ!!!」




-end-

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