第3議論(2:1:1)
男性2人、女性1人、不問1人、計4人用の声劇台本です。
シリーズ物ですが、単発でも問題無い作りになっております。
フリーでお使い頂けますが、連絡を頂ければ喜んで聞きに参ります!
(所要時間8分)
キャスト
男1
男2
女
後輩(不問)
男1
「あ、すいませーん、注文お願いしまーす!」
男2
「俺取り敢えず生ね、お前らは?」
女
「出た!
居酒屋のド定番セリフ、取り敢えずビール!」
男2
「は?
俺生って言ったんだけど」
後輩
「生って、生ビールの事ですよね?
意味は同じって事でいいんじゃないですか、そう目くじら立てなくても」
男2
「目くじら立ててねぇよ!」
男1
「…あれ、これって…」
女
「んーと、じゃああたしも生ビールで!」
後輩
「あ、じゃあビール4つって事でいいですよね。
あと枝豆と、鳥軟骨の唐揚げで!」
男1
「ぬぁっ!?
勝手に決められた、だと!?」
男2
「何お前、違うの頼みたかったのか?」
男1
「いや、いいよ生で…
あ、じゃあまた追加する時呼びます〜。
あざーす!」
女
「っていうか、このメンバーで呑みに来て最初に頼むのがビールじゃなかった事なんて無いよね」
後輩
「ですよね〜!
枝豆も鳥軟骨の唐揚げも毎回頼みますし」
男2
「ド定番だからな。
で、何でお前腕組みして眉間に皺寄せてんの?
やっぱ違うの頼みたかったのか?」
男1
「いや…これ、議題として取り上げてみてもいいんじゃないかと思ってな」
男2
「げっ、また出たよカンガク!
何だっけ、侃々諤々の略だろ、これ。
大いに議論するって意味だっけか」
女
「ちょっともー、誰よド定番だとか言ったの!
絶対それでコイツのカンガクスイッチ入っちゃったじゃないの!」
男2
「お前だよ、お前!」
女
「あら〜、そうだった〜?」
後輩
「先輩、ド定番とかを議題にするの好きですもんね〜。
という事は、今回の議題は…」
男1
「勿論、今回の議題は『居酒屋で最初にビールを頼むのは何故か』だ!」
後輩
「先輩の頭の中って、カンガクしか無いんですかね…」
女
「諦めなさい、こういう男なのよ。
付き合いそこそこ長い私が言うんだから、間違いないわよ」
男2
「俺サークルメンバーじゃなかったんだけど!?」
後輩
「諦めて下さい、いつもの事じゃないですか…」
男1
「巻き込まれおつー!」
男2
「お前が言うな!
元凶のお前が言うな頼むから!!」
女
「まぁビールが来るまでのいい暇潰しにはなるんじゃない?
で、何で最初にビールを頼むのかって議題よね。
そうだな〜、私はやっぱり、そこまで好きな訳じゃないけど喉越しかしら。
今日みたいな暑い日に、仕事終わりで集まって呑むキンキンに冷えたビールがたまらないのよね〜!」
後輩
「あっ、それメッチャ分かります!
あーでも、正直さっきのは1人1人の注文がバラバラだと面倒臭いなとか思っちゃったんですけど、自分は」
男2
「あ、俺そっちの理由の方が強いかも。
酒は何でも呑むけど、居酒屋来てとにかく喉乾いてて早く呑みてぇから、メニュー決めに時間取られるの面倒臭いんだよな」
男1
「純粋にビールが好きっていう奴はいないのか?」
女
「ビールは好きっちゃ好きだけど…最初の1杯でいいかなぁみたいな」
男2
「俺はどっちかっていうとウイスキーの方が好みだから、2杯目からはそっちにチェンジするな。
家でもビールは最初だけだ」
後輩
「あ、だから、取り敢えずビール、なんですね」
男1
「…この中でビールしか呑まないのは俺だけなのか…
黄金比率に注がれた居酒屋の生ビール中ジョッキをこよなく愛し、一途にそれだけを注文し続けるのは俺だけなのか…」
女
「だってぇ、ビールばっかりだとすぐにお腹いっぱいになっちゃうじゃない。
炭酸系はすーぐお腹膨らむのよね」
男2
「確かにそうだな。
あと、利尿作用があるからすぐトイレに行きたくなるのも難点だ。
席を立ってる時に面白い話題で盛り上がってたりしたら…」
後輩
「それ、物凄く疎外感ありますよね〜。
自分は、ビールはそこそこ好きで家でもよく呑みますけど、せっかくこういう店に来たら普段呑めない変わり種のカクテルとか呑みたくなるんですよね」
女
「分かる!
家で呑みたくてもなかなかっていうの結構あるもんね!
で、つい勢い任せで色んなのに手を出して悪酔いするパターンでしょ」
後輩
「そうなんですよ〜。
だから毎回後悔するんですけど、つい違うの頼んじゃうんですよね」
男1
「カクテルなんて女子供の呑む酒だ!
男は黙ってビール呑んどけ!」
男2
「いや、男は黙ってウイスキーだろ!」
女
「何言ってんのよ、カクテルって馬鹿にしてるみたいだけど、ビールよりアルコール度数高いんだからね!?」
後輩
「美味しいお酒なら何でもいいですよ〜」
男1
「断然ビール!」
男2
「ウイスキーだっつの!」
女
「目でも楽しめるカクテル!」
後輩
「美味しくて酔えれば何でも!」
男1
「お前ら、ビールの良さを分かってなーー…!!
あ、店員さん…っ…」
男2
「…コホン、取り敢えず落ち着こうか…他の客にも迷惑だしな」
女
「そ、そうね、ビールも来た事だし…
すみません、うるさくしちゃって。
あ、はい、取り敢えず今の所注文したのはこれで大丈夫です〜」
後輩
「では、ビールに枝豆、鳥軟骨の唐揚げも揃った事だし本日のカンガクはこれまでにしましょう!
カンパーイ!!!」
男2・女
「カンパーイ!」
男1
「ぬぁっ!?
勝手に締められた挙句に乾杯の音頭まで取られた、だと!?
後輩の分際で俺の立ち位置取るなバカタレ!!」
女
「アンタの好きな黄金比率のビール、泡が消えちゃうわよー?
黄金比率じゃなくなっちゃうわよー?」
男1
「はっ、俺とした事が!!!」
男2
「あービールうめーーー!」
-end-
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