天使の園 3話
ランドローグという国がある、大国で歴史も古い。そしてその古い歴史の中に【宗教】というものがあり
この国の人間は殆どがその宗教の内容を知っているし、多かれ少なかれ、それを信じている。
そしてこの国にはその宗教にそって教会というものが作られている。協会はたくさん有り、大きい物だと
何百人という人がそこに居て、礼拝という事をやるらしい。
この国と世界は神が作り、我々は神に仕える天使なのだ。
これがこの国が信じる宗教の考え。
俺はそのランドローグという国の片田舎に住んでいる。ここにも少し小さいが教会があり修道士という
人達が働いている。
そしてこの教会というのは、学習機関としての一面もあり、16歳になると強制的に教会の寮に住み、そこで3年間宗教の学習を受けなければならない。
勉強を学校はあるが、行くかどうかは家ごとにまちまちで、俺はあまり行かず、よく外で遊びまわっていた。
それがこれから3年間、あんなとこに突っ込まれて毎日宗教の勉強なんて気が滅入る。
天使だからなんて言われても、ぴんと来ないし納得もできない。
いっそ明日なんて来なければいいと思い、昨日は一睡もしない覚悟でいたところ、そのまま寝たらしい。
今朝の寝不足はそのせいだ。まったく。
朝食を食べて、少ししたら教会の人間が家に来ることになっている。
そしたら、俺はこの家からさよならだ。この先の不安と家族と離れるという寂しさが混ざり合い、
酷く憂鬱になる。こんなこと母にも父にも言えない。言っても何を言ってるんだとどやされるだけだろう
この国ではそれが普通なんだからな。