9月
・ほぼ造語
・というか複数言語くっつけた単語
・あくまで日記なので口語多め
9月1日 晴れ
日記をつけ始めてから一月経った。そういえばこの日記帳、なかなかページが減らないな。
今日はファイオラがいなかったので、ファルタと手分けしてベルとファイオリアの花畑に水をあげた。
ファイオリアの花畑にはあげなくてもいいって言われたけど、あげてもいいってことだよね?
9月2日 晴れ
ファイオリアの花畑の広がりが止まった。病気かと思って心配したんだけど、ファイオリアが言うには他の植物の領分を守ったらしい。なわばりは確かに大事だね。
真上から見てみると、ベルを囲んできれいな円を造ってた。きれいなベルと、きれいな花畑。ファイオリアの花畑にも心を込めて水をあげようと思う。
9月3日 晴れ
ファイオラがなんだか元気ない。ファルタに相談すると、ここ最近雨が降ってないかららしい。暑いのも原因だって。
どうやったら雨が降るのかな? とりあえず、空に浮かぶ白い土に水をあげてみた。
ファイオラが元気ないと、ベルもしょんぼりしてるように見える。石だけどね。
9月4日 雨
昨日水をあげた白い土が、大きくなって雨を降らせた。ファイオリアの花畑も、ファイオラも、ベルも元気になった。よかった。
でも大きくなりすぎたのか、カミナリを落とすようになっちゃった。あの大きな鳥が集まってきてるんだな。
ファルタは大きな音が嫌いらしい。明日、鳥を追い返してこよう。
9月5日 雷雨
大きな鳥を追い返そうとしたら、カミナリを落とさないようにするから近くの森に住んでもいいかって聞かれた。
カミナリが無ければ大きな鳥はきれいなので、住むことを許可した。まるで僕がこの辺一帯の主みたいねってファルタに言ったら、違うのかって聞かれた。
僕の家はここだけなのになぁ。
9月6日 晴れ
大きな鳥達が、秘伝の肥料をくれた。何年も受け継いできたものらしいんだけど、良いのかな? ベルにかけたら、光に青が混ざった。白と、ピンクと、緑と、青。ベルも嬉しそうだった。
大きな鳥達の肥料を、少しだけファイオリアの花畑にもあげた。花びらに青色が混ざった。相変わらず成長が早いなぁ。
9月7日 晴れ
とうとうベルの背丈がファイオラをも超えた。ファルタより少し背の高いファイオラだけど、ベルに越されても悔しそうじゃなかった。石に悔しがってもしかたないもんね。
ベルの頭からは僕が、根本からはファルタとファイオラが水をやることになった。もっと大きくなれよー?
9月8日 曇り
大きな鳥達が赤くて美味しい木の実をとってきてくれた。食べたことない実だったけど、すぐに気に入っちゃった。でも、数は少ないみたい。
残念がってたら、ファイオラが種をくださいって言ってきた。植物の事はファイオラが一番頼りになるね。
ファイオリアの花畑と被らないように、種を埋めてた。そういえばあれ、なんて名前の実なんだろう?
9月9日 曇り
早速樹になった。大きな鳥達は驚いていたけど、ファルタとファイオラは得意気だった。
この樹も木の実も名前はないらしい。ファイオラに名付けてあげたらどうかと聞かれた。ううむ、悩むなぁ。
ベルの水やりをしながら悩んだ。
9月10日 晴れ
サンディーヴァなんてどうだろうってファルタとファイオラに言ったら、それに決まっちゃった。ファイオリアの花も、サンディーヴァの樹も、僕の思い付きで決めちゃってよかったのかなぁ。
大きな鳥達が、自分たちもサンディーヴァと名乗っていいかって聞いてきた。樹と同じ名前がいいなんて、大きな鳥達の考えることはよくわからないや。
そう思わない? ベル。って話しかけながら水をあげたら、ベルはピカピカと光って返事をくれた。
9月11日 晴れ
サンディーヴァの鳥達が飛ぶと、空に青色の線ができる。それを使って、サンディーヴァの鳥達は遊ぶらしい。スゴくきれいだった。
ただ、ファルタとファイオラがサンディーヴァ達に乗ってたのはちょっと怖かった。サンディーヴァ達はスゴく速いんだ。
ベルもドキドキしているのか、ピカピカが速くなっていた。
9月12日 雨
サンディーヴァ達が謝ってきた。サンディーヴァ達がいると、定期的に雨が降っちゃうんだって。ファイオラのためになるからなにも悪いことなんてないね。
久しぶりにファルタが家に泊まった。ファルタといると楽しいな。
9月13日 雨
サンディーヴァ達が、雨の日は自分たちがベルに水をあげると言ってきた。サンディーヴァの羽毛は雨を弾くんだって。
ただ、ベルに様付けは要らないと思う。きれいだけど、石だよ?
雨の日に見るサンディーヴァの青い軌跡はとってもきれいだった。
9月14日 晴れ
日記をつけ始めてから一ヶ月と二週間が経った。特にお祝いとかはしないけど。
今日は久しぶりにおもいっきり駆けてきた。風を切る感覚が気持ちよかった。
家に戻ったら、サンディーヴァ達とファルタ、ファイオラがおかえりって言ってくれた。とても嬉しかった。
9月16日 晴れ
ファイオリアの花畑に蝶がやって来るようになった。青のラインに黄色と黒の模様がきれいな蝶。ファルタとファイオラだけじゃ蜜が余っちゃうし、お裾分けだよね。
やって来た蝶達はベルに燐粉をまいていった。ベルの光にうっすらとだけど、黄色い光が混ざったように見える。ベルも嬉しそうにピカピカしていた。
燐粉の上から水をあげると、燐粉はキラキラ光った。
9月17日 晴れ
あの蝶が仲間をつれてやって来た。ひときわ大きいのが僕の前に来たと思ったら、黄色い光とともにファイオラと似た姿になった。本当にびっくりしたよ。
自分たちもここに住んでいいかって聞きたかったらしい。言葉はファイオラしかわからなかった。
あと、名前もつけて欲しいらしい。毎回思うけど、種族の名前を僕なんかが決めて良いのかな?
9月18日 曇り
蝶達がベルの周りを飛ぶだけで燐粉がつく。そこに、ファルタとファイオラが水をかけるから、ベルがキラキラしてるように見える。ベルも嬉しそうだった。
ファイオリアの花畑も、蝶達の燐粉がついているから、キラキラしてる。ここら一帯だけ光輝いてる気がする。
蝶達に、明日は雨が降るって教えてあげた。サンディーヴァの雨が降るって。
9月19日 雨
蝶達は平気だった。あの燐粉は水に濡れると泡みたいな液を出すようで、蝶達はそれに包まれて雨のなかを飛んでいた。
よーし、決めた! 名前だよ?
9月20日 雨
シャンブルの蝶達。名前はこう呼ぶことにした。蝶達も、僕の周りを回って喜びを表してくれた。ファイオラが言うんだからあってるはず。
シャンブルの蝶達と、サンディーヴァの鳥達は雨の日は一緒にベルに水をあげてくれるらしい。
雨と泡と粉と軌跡がとってもきれいに絡み合って、ずっと見ていたいと思った。
9月21日 晴れ
明日から三日間、僕は眠りにつくので、ファルタへ伝言を書いておきます。この文字なら読めるよね。
1、口の周りに来ないこと
2、お尻の近くに来ないこと
3、ベルの水を欠かさないで欲しい
4、寝てる間も、家は使っていいよ
5、シャンブルの蝶達や、サンディーヴァの鳥達にもこれを伝えて欲しい
6、家の奥には絶対にいかないこと
体調が悪いとかじゃないから、安心してね。
9月25日 晴れ
快眠だった。ファルタは伝言を守ってくれたようで、家の奥の扉も動いてなかった。ファルタがそんなことするわけないってわかってるけど、念のためだね。
さて、明日はアレを処理しなきゃだから、日記はここまで。
9月26日 晴れ
不思議なことに、ファルタもファイオラもサンディーヴァもシャンブルも、アレが欲しいらしい。いつもは地面に埋めて捨ててただけに、なんだか複雑な思い。そんなに喜んでくれるならこれからもあげよう。
ファルタは大切そうに抱き抱えたと思ったら、体に溶け込ませた。そんなこと出来たんだ。ファイオラは薄く削ってファイオリアの花畑に振り撒いていた。余ったのはファルタみたいに体に溶け込ませた。
サンディーヴァの鳥達は、サンディーヴァの森に創ったらしい巣にもって帰った。シャンブルの蝶達はファイオラに小さく割ってもらって、体に溶け込ませた。
なんとなく、僕もベルの周りの地面に埋めてみることにした。
9月27日 曇り
昨日埋めたアレが、ベルとくっついた。ベルの根本辺りに金色が混ざったから間違いない。
それを気にしながら水をあげたら、いつもの5倍くらい一気に大きくなった。僕の膝くらいまでかな?
もしかしたら、いずれ僕を越すかもしれない。楽しみだなぁ。
9月28日 雨
よくみると、ベルは螺旋状に成長しているらしい。シャンブルの蝶達の燐粉が捻れているからわかったんだけどね。
さらに、サンディーヴァの鳥達が発見したんだけど、ベルの頭の方にいくつか出っ張りが出来てるらしい。
一応これは観察日記だったのを思い出した。
9月29日 雨
昨日かきそびれちゃったけど、昨日今日とファルタ、ファイオラが泊まりに来てる。昨日は夜遅くまで話し込んじゃった。
そういえば、シャンブルの蝶達の中の、ひときわ大きい子には名前があるらしい。バティって言うんだって。
あの姿になれるのは、シャンブルの蝶達の中でバティだけだってファイオラが言ってた。
9月30日 晴れ
今日初めてバティの声を聞いた。言葉が通じるように練習してたんだって。僕もバティって名前を呼んであげたら、スゴく喜んでくれた。倒れちゃうくらいにね。
それを見てたサンディーヴァの鳥達の中の、最初にカミナリの中で話した子が目の前に飛んで来て、青く光ったかと思えば姿を変えていた。翼は生えたままだったけど。
ファイオラが通訳してくれるのかなと思っていたら、サンディーヴァの鳥は自己紹介してくれたよ。僕の知っている言葉で。エレインって名前なんだって。エレインの事も名前で呼んであげたら、舞い上がって喜んでくれた。文字通りね。
・固有名詞が増えてきたらまとめる
・どっかに。