第一話 ~奏翔視点~
主人公の男の子視点のお話です。
男の子の名前って考えるの難しいですね…。
ちなみに奏翔はかなとって読みます。
昼休みが始まるチャイムが鳴る。
「透明人間ってなんかいいよな~」
「万引きし放題じゃん!」
「うわ俺も透明人間になってみてぇ……」
馬鹿馬鹿しい。
透明人間なんているわけないのに。
第一高校生にもなって何が透明人間だ…。
そう思いながらクラスメイトの男子が騒いでるのを横目に流し図書館へ向かう。
「貴方も大変そうね。」
そう言って俺に笑いかけたのは幼馴染みの楓だった。
「またお前か……。」
「何よ。最近冷たいわね。」
「……そんなことより今日はどうしたんだ。」
「この前貸した化学の参考書、そろそろ返してもらおうかと思って。」
「ああ…すっかり忘れてたよ。」
楓はどうも化学の成績だけは良い。
なので化学については頼りっぱなしになってしまっている。
「そういえば……貴方はどう思うの?」
「……何がだよ。」
「透明人間について。貴方のクラスの男子が騒いでいたでしょう?」
「お前まで……。」
「何よ。私は意見を聞いてるだけじゃない。私が透明人間になりたいと思うとでも思ってるの?」
「……逆にお前は俺が透明人間になりたいと思うとでも思ってるのか?馬鹿馬鹿しい。透明人間なんているわけないだろ。」
「…貴方ならそう言ってくれると思ってたわ。じゃあね、次の考査で良い点数取れるといいわね。」
そう言って楓はスタスタと自分の教室に戻って行った。
やっぱり女子というものは年齢を積む度に変わっていってしまうもので、小さい頃の無邪気に田んぼを駆け回っていた楓はもうどこにもいなかった。
しかし一体どうして透明人間についてなんかを俺に聞いたのだろうか……?
俺が透明人間なんていないと言うことなどわざわざ聞かなくてもわかっただろうに。
何かがおかしい気がしたが、
……まぁ考え過ぎか。
と自分を納得させた。
とりあえずさっさと図書館に行って新しい数学の参考書でも借りて教室へ戻ろう……。
この度は『透明エトランゼ』の 第一話 を読んで頂きありがとうございました。
とりあえず主人公の男の子を登場させねばと思い書き始めたもののまだただの学園生活モノにしかなってなくて焦りを……。
まぁまだ一話目ですしおすし。
どのタイミングで透明人間の女の子登場させようかな!とか思いながら書いていきますよろしくお願いします…。