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1章 3話
「すみません会長、お待たせしてしまって」
生徒会室に入ると、会長用のちょっとリッチな椅子に腰掛けた相楽雅はティーカップを片手に優雅に待っていた。
「いいえ。お気になさらないで。それと大倉くん、今の会長は貴方ですわよ」
「あっ、そうでした……すみません」
「ショーゴはアホだなー、さっき会長の自覚持てっつって怒られてたのに」
「さっき怒られてたのは8割お前のせいだ、バカトラは黙ってろ!」
「それで相楽先輩、今日は何用ですか?」
「いろいろ引き継ぎとかは終わったはずじゃ……」
「えぇ。生徒会の事とは別に、貴方たちにお願いしたいことがありますの」
シャンプーのCMの女優の如く長く綺麗な黒髪を翻し、少し芝居じみた仕草で立ち上がった先輩は、優雅に告げる。
「私の従妹を、お願いしたいの」