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そのに 始まる大会は恐怖である。

うーん、なんかいろいろ人がでてきます。


霜崎 瀬里奈 十七歳

断罪天使イノセント・エンジェル身長 小さい そしてペッタンコこれが僕の相棒の人の大体の見た目である。性格はいたずら好きで人をからかうのが三度の飯より大好きらしい。普段はいたって甘えん坊将軍である。


僕と瀬里奈さんはとりあえず歩いている。


「・・・・・すぅ。」


実際、歩いているのは僕であり瀬里奈さんは僕の背中で寝てしまっている。

出会ってから少し経つ。ずっと歩いていたからか、街が見えてきた。

「・・・・うん、もうちょっとかな?」


瀬里奈さんは普段魔界におらず、天界で暮らしているそうだ。彼女はそれ以外の事をあまり多く喋ろうとしなかった。理由を聞こうとすると


『大人の女に秘密を聞いてはいけないわ、時雨君。』

と言われてしまいそれ以後、僕は尋ねていない。(見た目まだ幼いんだけどなぁ。・・・・実際、彼女は十七歳であるから未成年じゃないのかな?)

僕がそんな事を考えていると街の前についた。街には門が建っており、更に警備兵が二人立っている。


「・・・何かこの街に用があるんですか?」


右に立っている方が僕に尋ねてくる。


「この街で魔王を決める大会が行われるんですか?」

僕は正直に尋ねた。


「そうだ。」


瀬里奈さんが起きたようだ。背中で動いている。・・・・かなしいかな?柔らかい感覚があまりしない。(一応あるみたいだ。)

「僕たちその大会に出るんです。入っていいですか?」


うーん、かなり睨まれてるような気がする。


「いいだろう。通行を許可しよう。」


礼を述べ、黙って門の中に行く僕たちを門番さんが引き止める。


「・・・少年、後ろにおんぶしている少女は妹か?」

違います。と答える前に瀬里奈さんが門番に答える。


「私はこの人の大事な彼女よ!」


僕と門番が絶句。そして今まで黙っていた片方の門番が喋った。

「・・・あまり幼い子は犯罪になるぞ。」


「・・・大丈夫です。この人は・・・・」


さて、何て言おうかな?

「それより僕はこの子の保護者です。」


これでごまかせたかな?

「・・・少年、嘘をついてますと顔に書かれているぞ。まぁ、大会頑張って来てくれ。」


・・・・・・僕には嘘は無理かな?

街に入ると大会のポスターが色んな所に貼ってあった。大会が行わる予定の場所は街の中心にある大きな建物。


「時雨君!デートしよっ!デート!」


僕が瀬里奈さんを背負っていたら犯罪者と間違えられると思いますがそこのところどうでしょう。


「・・・また今度にしましょう。今はあの大きな建物に行きましょう。もうそろそろ始まる時間ですよ。」

ポスターに書かれていた時間まで後少し。


「ぶうぅ!わかったよっ!時雨君、早く行って終わらせようよ。」




大会本部一階。僕たちはそこで受付に向かうところである。

「大会に出る者はどうしたらいいんですか?」


受付のお姉さんに尋ねる。

「あ、大会に出る方ならあちらの階段の上になっております。」


「ありがとうございます。」


僕は二段飛ばしで階段を駆け上がる。もうそんなに時間がないみたいだ。


「時雨君、多分そんなに慌てなくてもいいよ。」


「・・・念のためだよ。」

階段を駆け上がるとそこは・・・・学校みたいな作りになっており、簡単に説明すると廊下であった。

辺りを見渡すと誰もいない。何故だろう?


突然、スピーカーがなり始める。


『校内放送、これより開会式を始めます。一、始めの言葉を魔界地上の現魔王をしておりますハデスさんです。』


『はい、皆様こんにちわ!ハデスと申します!今回の大会には特別ゲストがいます!私のお兄ちゃんですっ!お兄ちゃんは・・・・』

『はい、ありがとうございました!おのろけ話は結構ですので次に進みたいと思います。二、ルール説明。ハデスさん、お願いします。』

僕たちは放送を廊下の隅で聞いていた。


「・・・・ハデス・?」


「知り合いなの?時雨君。」


「うーん、知ってるけど顔がわからないなぁ。」




『ルールは簡単です。トーナメント方式で闘ってもらいます。ステージは地下にありますので試合のあるかたは地下にきてくださいね?ちなみに言いますと今回、身長制限の規制が緩やかになりました。身長が低い人は補助の人がついてます。大会参加者の中に一人だけいます!そして!その補助している人が私のだーい好きで優しいお兄・・・・』

『・・・・はい、ルール説明ありがとうございました。今回、身長制限が緩んだので楽しくなりそうですね!今日は試合はありませんので各自、帰って結構ですよ。』


身長制限?ジェットコースターにでも乗るんだろうか?

「つまり、僕だけしかいないのか・・・・」


その時、廊下の向こうから誰かが走ってきた。


「おにーちゃーん!」


「時雨君、誰かが走ってくるよ!迎撃する?」


「危ないからしなくていいよ!・・・それに何処かで聞いた感じの声のような気がする。」


走って来たのは女の子であった。


「おにーちゃん!久しぶり!ハデスだよっ!」


ハデス?さっきのひとだ。


「忘れたかな?おにーちゃんによくオレンジジュースを買ってもらった。」

僕の頭のなかで欠けていた記憶の断片が戻ってくる。


「・・・あ!思い出した!元気だったかい?」


途端笑顔になるハデス。

「エヘヘー!元気だよー」

しかし、ハデスはこんなに明るい子だったかな?そんな事を考えていると話に加わってない瀬里奈さんが入ってきた。


「ちょっと!あんた私の時雨君のなんなのよ!」

「私はねーおにーちゃんのハデスだよっ!」


「答えになってないわよっ!」


「あ、おにーちゃん。大会中はこの街のマンションに止まってね!」


「あ、僕お金ないよ!」


ちなみに僕の財布は家にある。


「えー大丈夫だよ!私が管理してるからさ!」


「で、でもさぁなんか御礼しないと・・・・。」


僕がそういうとハデスはニヤリ?と笑い更に僕の近くにより耳元で小さく喋った。


「じゃあ、料金もらいますね?」


それはあっという間に終わった出来事だ。

ハデスが顔を近付け僕の顔にふれた。


ちゅっ。


「なにぃ!人が見てんのに契約しやがった!」


後ろの瀬里奈さんが叫ぶ。僕は何が起こったかよくわからなかった。 走り行くハデスをぼーっと見ながら僕はまぬけみたいに一人(正確にいうと二人だ。)立っていた。


その後、瀬里奈さんは当然僕と話してはくれずずっと僕の背中に顔を押し当て黙っていた。



ハデスから言われたマンションを見つけ(この街にはマンションが一つしかなく、基本的にこの街はあまり住人がいないらしい。)中に入り管理人さんを捜す。管理人室を見つけだしノックする。


「すいません!新しく入るようになっている者ですけど〜。」


そう言ってから少し経ちいないのかな?と思った頃に後ろから返事が帰って来た。

「・・・あの、どちら様でしょうか?」


振り返ると黒淵眼鏡の長い髪をした人?が立っていた。・・・両腕にスーパーの袋をさげて。


「あ、実は今日からここに住む事になったらしい者ですがあなたが管理人さんですか?」


「えーと、天道時 時雨さんと霜崎 瀬里奈さんですか?」


どうやらこのマンションでよかったようだ。

「あ、自己紹介がまだでしたね!私の名前はヘイル・シュトラといいます。。ちなみにサキュバスです!」

サキュバス?何だっけそれ。とりあえず・・・こっちも自己紹介をきちんとしたほうがいいかな?


「僕の名前は天道時 時雨です。一応罪人天使です。そして後ろの人が断罪天使の霜崎 瀬里奈さんです。」


自己紹介が終わってふと、管理人さんを見ていると眼がキラキラしている。

「うれしいわ!初めてのお客様が天使なんて・・・・・!」


しばしキラキラしてから僕たちの部屋に案内してくれた。


「私の隣が貴方達のお部屋になっています!」


中に入ってみるとなかなか清潔感があり結構好感を持てた。荷物という荷物がないので更に奥の部屋にいってみると部屋が合計三つあり、ダイニングが一つあった。

一つを僕の部屋にしてもう一つは瀬里奈さんの部屋にしよう。残った部屋はまだ使わないだろうな。


「瀬里奈さん、マンションに入りましたよ!」


返事がない。ただの人形のようだ。


「!変わり身の術?」


本物は何処に・・・?


シャワーの音が聞こえる。多分シャワーを浴びにいったのだろう。


「除きに行かなくていいのか?時雨。」


久しぶりに登場した天使。彼は僕の知恵袋である。(姿は僕をかなり小さくした大きさで普段は僕の肩に乗っている。)

「何言ってんだよ!行く訳ないだろう?」


普段は僕のいう事をあまり聞いてくれないが今日は頷いてくれた。


「・・・そうだなぁ。時雨の言う通りだな。やっぱり。」


僕は何となく天使がまえより聞き分けのある奴になったなぁと思っていた・・・・・が。


「覗くならもうちょい出た人がいいな・・・・・・。あんなの見たって別に嬉しくないからな。」


本人が聞いたらやっぱり怒るかな?すると本人が扉を開け、タオルを巻き腕を組んで僕を見ている。

「・・・時雨君、お腹空いたから何か作って!」


私かなり怒ってます!オーラを体から噴き出しながら僕に頼み事をしている。

「え、うん。頑張ってみるよ。」


僕は冷蔵庫の中をチェックして(驚く事に沢山材料が入っていた。)材料を取り出そうとしてから手を止めた。



僕は料理が全く出来ない。


その事を言おうとして瀬里奈さんの方を向くと彼女はテレビ(なかったはず)を見て笑っている。


服は着ておらずタオルのまんまだ。

「・・・あまり出てないのにタオルなんかしても無意味じゃないか?」


天使は僕に尋ねてくる。僕は苦笑してその返事をしなかった。


「瀬里奈さん、タオルじゃなくて服を着てください。」


「やだ!」


「・・・まるで子どもだな。」


天使は呆れているが僕はあきらめなかった。その後の説得で服を着せるのに成功!


「・・・実はですね瀬里奈さん。僕、料理した事がありません。」


絶句する瀬里奈さん。

「・・・すいません、今から何か買ってきます。」


そして扉を開ける。そこには管理人さんがうろうろしている。


「・・・管理人さんどうしたんですか?」


ビクッと止まる管理人さん。右を向いていた首がロボットのように動きこっちを向く。


「あ、あのですね!歓迎パーティーをしますから私の部屋に来ませんか?私が料理を作りますんで。・・・・・どうでしょうか?」


料理と聞いて瀬里奈さんが部屋からでてきた。

「はいっ!ぜひとも行きたいと思います!」

管理人さんに連れられて管理人室に入る。中は僕たちの部屋とあまり変わりはなく、違う所は部屋に色々な家具が置いてあることぐらいかな?


管理人さんは早速調理を開始して、瀬里奈さんはテレビをつけて笑いながら見ている。


僕は・・・・管理人さんから料理を教わる為に彼女の隣に立つ。


「あ、座ってていいですよ!私が料理しますから。」

僕が来た事を手伝いにきたと勘違いしたらしい。


「いえ、実は僕料理出来ないんです。だから少しでもいいから料理を見て覚える事が出来たらいいなと思いまして・・・・」

僕はすまなさそうに言いながら管理人さんを見た。

「わかりました。今度また部屋に来て下さい。私が知っている事は教えましょう。今回は座っててください。」


料理を教えてもらえるようになったのでこれからは少しでも料理が出来るようになればいいかな?


僕は瀬里奈さんの隣に座りテレビを見始めた。

「・・・時雨君、何話してたの?」


隣に座っている瀬里奈さんがテレビに視線をあわせたまま僕に質問をくれる。

「えっとね、料理を教えてもらうようになったんだ!これで飢え死にしなくていいかな?」


瀬里奈さんの横顔は何となく不満みたいだ。そんなに僕の料理はいらないのかな?


「大丈夫!きっと上手くなってみせるからさ。そんなに不満そうな顔しないでよ!」


こっちを見てキョトンとしている。・・・僕は間違えた事をいっただろうか?

僕が一人悩んでいると瀬里奈さんが僕にまた尋ねて来た

「・・・それ私の為?」


「え、うん。そうだよ。」

今の瀬里奈さんはうれしそうな顔になっている。


「ありがと、頑張ってね!」


瞬間、瀬里奈さんの顔がかなりおとなびた感じがしたのは僕の気のせいではない気がした。


この人は何か隠している気がしてならない。


「時雨、こいつは化けるかもしれないな。・・・気をつけたほうがいいようだな。」


天使も僕に警告している。



その後、運ばれてきた料理はどれも美味しいもので僕にこんなものが作れるか不安になった。(瀬里奈さんはずっとニコニコ顔で料理を食べていた。)


食べ終わり、みんなであとかたずけをして管理人さんに御礼を言う。


「ありがとうございました。」


「また来ていいですか?」

瀬里奈さんが甘える。管理人さんは頷き僕に料理を責任もってきちんと教えるといってくれた。


部屋に戻り、瀬里奈さんがした事はまたシャワーを浴びる事であった。

「覗かないでね!時雨君。」


いたずらに笑う瀬里奈さんはやはり子どもじみた顔であった。


「へ、どうせ見たってうれしくもなんともないな!」

こう言っているのは天使であり、僕ではない。


「覗きませんよ。」


そういって僕は自分の部屋に入りベットに横たわる。(この部屋はベット一つ以外になにもない。残りの部屋も一緒である。)

そして、これからの事を考える。


(家具もあまりない。お金もないし、仕事もない。持っている物は・・・なんだろう?)


そして天使がいない事に気がついた。


「あれっ?どこ行ったのかな?」


部屋を出て探してみる。

お風呂のある所の近くに血だらけになった天使が倒れていた。

慌てて近寄ると血だらけなのは鼻血のようだ。もしかして・・・瀬里奈さんで鼻血だしたのかな?

「まさか覗きに行って・・・・・鼻血だしたの?自分は文句言ってなかった?」

天使は僕のほうを向き、フッと笑い(本人はカッコつけているらしい。この場合、出すのは鼻血ではなく口から血をはくものだろうに。)こう言った。


「時雨、奴は化けたぜ。あいつは・・・お子様じゃない・・思い出すぜ・・ぶはっ!」


また鼻から鼻血を撒き散らしながら僕の腕の中で動かなくなった。 そして天使は消えた。いつもの事なので心配はあまりしない。(今回は自業自得だと思う。)


僕は雑巾で血の痕を綺麗に拭いていき最後の箇所を拭き取る。


そこは風呂場の前であり中からはシャワーの音がする。


「はっ!いけない!」


僕はさっさとその場を後にしてテレビが置いてある場所まで戻った。


床に写真集が落ちていた。この部屋に居るのは僕と瀬里奈さんだけだ。つまり僕の物ではないので必然的に瀬里奈さんの物であるみたいだ。

表紙は写真集としか書かれておらず、手づくりのようだ。瀬里奈さんには悪いが少し見てみよう。


「撮った人、生徒会メンバー 舞?」


めくったページにカメラマンの事が書かれていた。・・・どこかで聞いた名前である。



うんうん唸っていると写真集が取り上げられてしまった。


「・・・・時雨君、何見てるの?」


正直に謝ろう。


「ごめんなさい。落ちてたから気になったんだ。誰の写真集かなって。」


瀬里奈さんは赤くなり答えた。

「・・・それはね、私の大好きな人が載ってるのよ。亜美の友達に作ってもらったのよ。彼女が剣治からの仕事を頼まれた時にその人の写真を撮ったんだってさ。」


「うーん、あ、舞って誰か思い出した!」


何となく記憶が無くなっている自分が悲しくなったが、思い出したのでよかった。


「じゃ、私は寝るわ。お休み!時雨君、もし怖かったら私の所に来ていいわよ。」


うーん、お姉さんぶってるけど見た目があれだからなぁ。


瀬里奈さんは扉を閉めた。僕はまだお風呂に入ってないので入って寝る事にした。


お風呂に入ったのでさっぱりなった僕は自分の部屋に戻る。ベットの上に瀬里奈さんが寝ている。


いや、もしかしたら僕が間違っているのかもしれない。ここは瀬里奈さんの部屋なのかも。起こさないように静かに部屋を出てから反対側にある僕の部屋(だと思う)に入る。



そこにも・・・瀬里奈さんがベットに寝ていた。


もう一度さっきの部屋に戻る。


ベットの上には何も居なかった。

「僕は少し疲れているのかな?」


そのままベットにダイブ!目を閉じて夢の世界への切符を買う。そして、夢の世界行きの電車がやってくるのを待っていたら・・・・・現実に戻された。



何かが僕の上に乗っている。瀬里奈さんかな?


「あの、すいません。どいてくれませんか?」


まず頼んでみる。すると返事が帰って来た。


「私と遊んでくれたらどいてあげる。」


その声はよく透き通る物だった。

僕は仕方なく頷き、なにをして遊ぶか聞いてみた。

「何して遊ぶ?」


「じゃあ、鬼ごっこ!貴方が逃げて私が鬼役するからさ。捕まったら覚悟してね!」


罰ゲームまであるのかぁ。僕はそんなのんきな事を考えていた。


「時間は朝まで!」


・・・・朝まで?そんなに瀬里奈さんは鬼ごっこが好きなのかな?


「何処でするの?」


場所がわからなければできない。

「・・・いい所案内してあげる。」


瀬里奈さん?が指を鳴らすと部屋が広大な墓地になった。


「少し経ったら追い掛けてくるからね。」

空は紅い。だが魔界ではないような紅さだ。そして月まで紅いなにもかも紅い世界。


僕は人?らしき影に話し掛ける。


「ここは何処ですか?」


「地獄。」


影は消えた。


「お兄さん、もうそろそろ数え終わるよ?本気でしないと痛い目以上をみるかもよ?」


・・・・どうやら僕は寝ぼけていたようだ。彼女は瀬里奈さんではない!


「タイムッ!君に聞きたい事があるっ!」


「何かしら?スリーサイズ以外なら教えてあげますよ。」

「へっ、自慢出来ないくらいだからだな。」


いつの間にか天使が肩に座っていた。


確かに彼女は身長は高いがあまり胸がないかなぁ?

「・・・そんなに見ないで下さい。恥ずかしいですよ。」


「あ、す、すいません!」

「ペッタンコが何恥ずかしがってんだよ!」


天使は文句ばっかり口にしている。


「あの、地獄と魔界は何処が違うんですか?」

今僕がかなり気になる事を素直に聞いた。


「簡単にいうと魔界は他の世界です。つまり、同じ空間に存在している地球みたいなものです。そして地獄は死後の世界です。」


なーるほど。


「じゃああっちにいる人の影みたいな物はなんですか?」


「いわば魂ですね。死んだ人がここに来ます。」


じゃあ、僕は・・・・。

「僕は死んだんですか?」

首を振る謎の少女。


「いいえ、貴方は死んでません。私がさっき喚びましたよ?貴方も知っているでしょう。私と遊んで下さい。」


「なんでですか?」


「惚れました。」


はい?


「ヒュー!もてるね時雨君!ペッタンコに。」


天使が僕をからかう。

「それでは、そろそろ鬼は動きますかね?・・・・・・言っときますが私に捕まったら結婚してもらい、地獄を管理してもらいます。」


僕はさっさと空に昇った。


「天使!まだ僕は料理を覚えてない!そんな夫をもったらあの子が可哀相だ!だから僕は捕まらない!」


「え、それが理由か?」

「だから、だからお願いだ!力を貸してくれ!」


「分かったいいだろう。・・・・。」


僕は少し記憶を失っている。記憶は僕の力になったらしい、何故かそれがわかる。


紅い月の手前で体を紅い光がつつみこむ。


『我は、天界を創りし始天使。そして、源初の罪人。』


悪魔の力は千夏姉さんがいないみたいだから使えないので羽は紫にならない。

紅い羽が二つ増え合計四枚の羽が紅い空にはためきだした。


地上では先程の少女が待っているようだ。


・・・・・もしかしたらあの人は飛べないのかもしれない。






それから一時間、僕は空にいる。地上では少女が手を振る回しながら文句を言っている。


「・・・・卑怯ですよ!鬼ごっこで空に逃げるなんて!」


・・・確かにそうだなぁ。卑怯だな。うん!


「じゃあ、僕が地上に降りてから十秒数えて下さい。それまで手出ししないで下さいね?」


「わかりました。」

華麗に地上に着地。ボーっとしている時間はない。



「1・2・」


後残り八秒。


「3456789・10!」


「ちょっとまってください!それは卑怯ですよ!」


走ってくる少女が自分の耳を示す。・・・耳に何か詰めているらしい。


「・・・何かいいましたか?私には聞こえませんね。」


僕は地上を走るように飛んだ。後ろから迫る鬼さん。

もう少しで捕まる所で異変が起きた。

鬼さんがいきなり止まったのだ。


「・・・どうやら今回は私の負けみたいですね。月を見てください。」


紅い月は沈んでいる。


「・・・月が沈めばそれは朝ですね・・・。」


月が完全に沈むと辺りの墓地も消えた。



・・・・・僕は一人部屋に立っていた。窓の外は暗い。(ここは地下だが、昼のときはかなり明るくなる。)先程の事は夢でかたずけていいだろう。また僕はベットに潜る・・・・・・・・が眠れなかった。




朝になった。瀬里奈さんが先に起きて異変に気が付いた。


「・・・・!?」


やはり僕は怖かったので瀬里奈さんの隣で眠らせてもらった。・・・・黙って。


「うわー!それは反則ですよ!ちゃんと数えてください!」






起きた僕の顔にはクマが出来ていた。ちなみに起きた体制は最悪なもので瀬里奈さんに抱き着いていた。 目の前にいた瀬里奈さんは赤くなりながら挨拶をしてくれた。

「おはよう、時雨君。・・・・うれしいんだけど少し強く抱きしめすぎだな。はなしてくれないかな?」


「わあっ!すいません!」




その後僕は瀬里奈さんにこの話をした。・・・・・・が笑われてしまった。


「ほらっ、時雨君、テレビでトーナメントの発表があってるよ!」


瀬里奈さんは今日の試合にでなくてはいけなかった。(僕の事でもある。)


対戦相手はシスウェルという人であった。




あの地下に行くと観客が沢山いた。


省略していいぐらい長い話しを聞いてから僕たちは勝負の場所に向かった。

『今回、貴方がたには鬼ゴッコをしてもらいます。』

嫌な戦いだな。


『それでは!両者入場!』

相手を見て驚いた。・・・・・地獄にいた少女である。


「今度こそ貴方の心もらいますよ。」


僕に人差し指を向け声高らかに宣言する。


「・・・・あの〜、僕お腹痛いから棄権していいですか?」


僕は逃げ場を探したかった・・・・ただそれだけである。


「棄権はできないよ時雨君。ルールなんだって。」


僕と瀬里奈さん対シスウェルさんの鬼ゴッコの始まりは近い・・・・・。

やー大変です、時雨君。以前は蕾が時雨君のところにきてましたが、今回は時雨君が怖い思いをするはめになりました。さて、遂に始まった大会。彼等は優勝できるのか!そして鼻血ぶーだった天使が言いたかった事はなんだ!この辺に注目してもらえるとうれしいですね。最後に、やはり評価してもらえると嬉しいです・・・なにもしてあげれませんが。

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