告白
夕暮れの校庭は、茜色に染まっていた。
風が吹くたびに桜の花びらが舞い、世界がゆっくりと静まっていく。
ミオは図書館での勉強を終え、帰ろうとしていた。
その背中に、かすかな気配が近づく。
「……ミオ」
振り返ると、ソーが立っていた。
翼を小さく畳み、爪を隠すように拳を握りしめている。
その姿は、いつもよりずっと弱く、ずっと真剣だった。
「ソー……どうしたの?」
ソーは一歩近づき、そしてまた一歩下がった。
感情が暴走しないように、距離を保とうとしているのがわかる。
「ミオ……話したいことがあるんだ」
声が震えていた。
ミオは静かに頷く。
「うん。聞くよ」
ソーは深く息を吸い、胸に手を当てた。
翼がかすかに震える。
「僕……ずっと……ミオのことが好きだった」
ミオの心臓が跳ねた。
「小さい頃から……
ミオと一緒にいると、胸があったかくなる。
ミオが笑うと、僕も嬉しくなる。
ミオが泣くと……胸が苦しくなる」
ソーは拳を握りしめた。
「でも……怖かった。
この爪で、翼で……ミオを傷つけるのが。
だから……避けて……嘘までついて……」
ミオはそっと首を振った。
「ソー……」
「でも、もう逃げたくない。
ミオを守りたい。
ミオの隣にいたい。
触れられなくても……それでもいい。
ミオが好きなんだ」
ソーは顔を上げた。
その瞳は、涙で揺れていた。
「ミオ……僕と……一緒にいてくれますか」
ミオは胸に手を当て、ゆっくりと微笑んだ。
「……うん。
私も、ソーが好きだよ」
ソーの瞳が大きく揺れた。
「ミオ……」
「触れられなくてもいい。距離があってもいい。
ソーが私を想ってくれるなら……それだけで十分だよ」
ミオはそっと手を伸ばし、
触れない距離で、ソーの頬の近くに指を添えた。
「これからも……一緒にいようね」
ソーは涙をこぼしながら、
翼を震わせ、深く頷いた。
「……うん。
ミオ……ありがとう……」
夕暮れの風が二人の間を通り抜ける。
触れられない距離でも、
心は確かに重なっていた。
以上で打ち切らせていただきます。書き足りないところ、話が飛ばし飛ばしになっていますが、ご愛読ありがとうございました。




