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妖怪村の異類婚姻譚  作者: 鍵の番人
第一章  花と河童と、予期せぬ出会い
9/79

9.

 小学一年生の春、小姫は記憶の一部を失った。

 たぶん、弥恵に頼まれて夕飯の買い物に行った帰りだった。川の側の道路を歩いていて、その端っこに、少年がいたのを覚えている。


 ――しかし、気が付いた時には、小姫は病院のベッドに寝ていて、枕元には弥恵がいた。


 車に()かれたのよ、と、後で教えてもらった。出血も多かったはずなのに、擦り傷と打撲しか見当たらないのは不思議だと、医者は首をかしげていた。

 そうだ。あの時……。

 記憶の断片が、うっすらと浮き上がる。

 目が覚めてから数日後、左腕を見て思ったのだ。


 ――こんなに何もない、きれいな腕だっただろうか、と。


 草むらに分け入った時に細い葉で切った傷のかさぶたや、寝ている間にぶつけてしまったあざがあったのは、左腕じゃなかっただろうかと。

 思い過ごしかもしれない。記憶に自信がなくなった小姫は、そう思って、そのうち忘れてしまっていた。


 しかし、あれが気のせいではないとしたら――……。


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