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妖怪村の異類婚姻譚  作者: 鍵の番人
第三章 花と香りと、特別な約束
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32.

 答えを求めるような小姫の瞳を、セイは真っ向から見返した。


「決まってるだろ……。お前が、俺の前から逃げた後だ。封印された後も、俺は――、しばらく意識があった。まどろみの中で、お前が来るのをじっと待ってた――、信じてたんだ! やっぱりお前は、逃げたことを後悔して、戻ってきてくれるんじゃないかって。逃げてごめんって、こっそり会いに来てくれるんじゃないかって。お前が騙したわけでも、裏切ったわけでもなくて、全部俺の勘違いだって、そう言ってくれると、俺は……っ! お前を信じて、信じたくて、毎日、毎日、あの川の向こうからお前が顔を出すのを、ずっと待っていたのに……!」


 泣き叫ぶような声が、小姫の胸を突き刺した。あまりの痛さに、呼吸がとまる。


(……あの後も、待っててくれた……?)


 セイからすれば、小姫の逃亡は裏切りでしかなかった。友達然とした態度を突然ひるがえし、窮地に陥ったセイを見捨てて逃げた、薄情な人間に他ならなかった。

 それはどんなにセイを傷つけたか。自由になれそうだった未来をも閉ざされ、どんなに深い絶望を与えたか。


 それなのに、セイはまだ、信じてくれようとしていたのか。


(うそ……、でしょ? だって、私――)


 小姫は呆然とセイを見上げる。


 セイが一縷の望みをかけた……、その結果を、知っている。

 セイの淡くはかない願いを粉々に砕き尽くした、その原因を、知っている。


「……でも、お前は来なかった」


(――だって)


「俺を見て、恐怖にひきつった顔をして、悲鳴を上げて逃げていった。――そして、それきりだ! それきり、あの丘には来なかった。俺が元からいなかったように……、俺と過ごした日々なんか、まるで無かったかのように!」

「――っ」


 耐えがたい後悔が、十年前と同じくらいの後悔が、小姫の胸を押しつぶそうとする。


(――だって、それは……)


 セイは待ってくれていた。小姫を信じてくれていた。あの時小姫がすべきことは、どんなに怖くても、どんなに苦しくても……、次の日でも、次の次の日でもいいから、セイに直接謝りにいくことだったのだ。


 それなのに小姫は、罪の重さに耐えきれず、自暴自棄になって命を投げ出した。混乱し、幻にすがり、セイの代わりを助けたことで満足し、――記憶を失った。


(……私……、間違ってばかりだ……。これは全部、私が招いたこと……)


 どうすればいいのだろう。どうすれば、間違いを正せるのだろう。

 どうすれば、小姫が刻んでしまった傷を癒せる?

 どうすれば――。


 セイはまた風を起こした。木々が限界までしなり、暴れる。ごうごうと唸る風の音と、心のうちで暴れる非難の声に、外からも内からも責められて、頭が割れそうだった。


「……なんだよ。言いたいことがあるなら言えよ」

「――っ、私……は……」


 促されるまま口を開いたが、続ける言葉が見つからない。


(だって、言えない……。記憶を失った、なんて、下手な言い訳にしか聞こえない……!)


 決して、言ってはいけないのだ。今そんなことを口にしたら、火に油を注ぐだけだ。


 だから、小姫には言える言葉がない。あの時、小姫は、セイからも、自分からも逃げてしまったから。おかげで、セイに信じてもらえる真実を、他にはひと欠片すら持っていない。

 口をつぐんで視線を落とす小姫を見て、セイは自嘲気味に笑った。


「……は。もう、言い訳ひとつできないのか……」


 セイの顔が悲しみにゆがむ。


「そうだよな……、封印された俺のことなんか、お前にとっちゃ、どうでもいいよな。……封印が解けて目覚めたとき……とっさにさ、お前の匂いを探したんだよ。丘のふもとでも、入口にでも、新しい匂いはないかって。女々しいよな。でも、一度は友達だと思ったんだ。どのくらいの時間が経ったかはわからないけど、一度くらいは、俺のこと、なつかしがってくれたんじゃないかって……。――でも、そんなわけがなかった。お前の母親の匂いは嫌というほど沁みついていたのに、お前の匂いなんて、砂粒ほどもなかった。目が覚めて、お前を見ていて、わかったよ。お前、代わりを見つけたんだろ? あの河童……、あれが、俺の代わりなんだろ? 所詮お前は、側にいてくれるやつなら、誰でもよかったんだろ!」

「――っ、そうじゃないよ……!」


 弾かれたように、小姫は顔を上げた。


「そんな風に思ったことないよ! セイちゃんはセイちゃんで、乙彦は乙彦で……、どっちも大切で、代わりだなんて思えないよ!」


 胸が痛い。頭も痛い。のどは熱くて、呼吸が苦しい。自責の念に堪え切れず、音を上げてしまいそうだ。


「――本当に、ごめんなさい……! あの時のこと、どうやって償えばいいか、ずっと考えてた。だけど、わからなかったの。謝ることしか、思いつかないの。……だから、ごめんなさい! セイちゃんを置いて逃げたことも、逃げたまま、何もしなかったことも、私が、間違えただけなの。セイちゃんがいらないとか、そういうことじゃない! 証明なんてできないけど、これだけは信じて……!」

「証拠ならこっちにはある! お前が十年間、一度もあの場所に来なかった。それが真実だろ!」

「――違う! 確かに、私は……行けなかったけど……、あれには理由があって……!」

「は。どんな理由があるってんだ。腹痛か? 頭痛か? 石に蹴躓いて怪我でもしたか? 遠足で靴擦れでも起こしたのか?」

「――っ、そんなんじゃない! 私は、事故に遭って、記憶が――」


 ――なくなって、と続けようとした小姫は、はっとして口元を手で覆った。セイの挑発についカッとなり、言うはずではなかったことを言いかけてしまった。風が止み、不自然な沈黙が訪れ、小姫は息を止める。


「……記憶が?」


 静かに、セイが問い返した。

 聞き逃してはもらえなかった。ざっと音を立てて血の気が引く。


 おそるおそるセイを見上げると、彼は薙いだような、何の感情も浮かんでいない瞳で小姫を見下ろしていた。


「――記憶が? どうしたって? ……まさか、記憶を失っていたからとでも言うんじゃないだろうな……?」


 嘲りを含む押し殺した声音。小姫は懸命に言い訳を探したが、頭は茹ってしまったかのように全く働かない。


「…………は」


 続きを言わない小姫をセイは黙って眺めていたが、やがて、肩を震わせた。


「は……はは……、は……っ! 本気かよ……。そんな、ばかばかしい嘘、本気で言っているのかよ!?」


 けたけたと、壊れたようにセイは笑う。ときおり、ヒステリックじみた調子はずれの声が漏れる。感情のタガが外れそうなその笑い方に、小姫は心臓が凍り付くような思いを抱いた。


 案の定、セイは信じなかった。セイの笑い声が、一音一音心に突き刺さる。


「事故に遭って? 記憶を失って? 十年考えた嘘がそれかよ! もっとましな言い訳は考えつかなかったのか?」

「……そう……聞こえると思うけど、本当なの……! あの後、私、事故に遭って、それで――」

「――はあ、随分、馬鹿にされたもんだ。そんなわかりやすい嘘で俺をだまそうなんて……。失望したよ、小姫」

「待って! 本当なの! 本当に、私――……っ!」


 言い募ろうとした小姫は、次にセイが起こした行動にぎくりとした。


 それまでずっと枝の上にいたセイが、すうっと、小姫の前に着地したのだ。圧倒的な存在感を放っていたセイは、地面に下りれば小姫よりずっと小さく、華奢な子どもに見える。


 あの頃の、小さな小姫の隣で、熱心に本を読んでいた小さなセイ。だが、その目は生き生きと輝くどころか冴え冴えとした光を放っていて、小姫は戦慄した。


「……セイ……ちゃん……」


 怒りでも憎しみでもない、もうすべてを諦めたような――、無機物でも見るような目を、小姫に向けている。


 セイは、独り言を言うように、ぽつりとつぶやいた。


「もういいや。もう、終わりにする。お前なんか、もういらない……!」


(……え――?)


 セイが、目の前で変貌を遂げた。背中から黒い翼が生え、身長が伸びていき、少年の姿の二倍にも三倍にも膨れ上がる。金色の瞳もそれにつられて巨大化し、口は大きく裂けて硬質なくちばしに変わった。全身が黒い羽毛に覆われると、その中で唯一金色に光る目がぎょろりと動き、小姫に獰猛な視線を定める。


 ――大烏。


 夢の中で、開いたドアの先に佇んでいた禍々しい黒い塊。今まで抱いたことのない恐怖が、じわじわと足元から這い上ってきた。


(食べる……気だ……!)


 やっと間近で目が合ったのに、そこには何の感情も浮かんではいなかった。小姫はどこにでもいる人間の娘にすぎず、今のセイにとっては獲物の一人でしかない。小姫が何を言ったところで、もはや意味をなさないだろう。セイはもう、小姫と気持ちを交わすことを拒んだのだ。


 セイのくちばしは顔に比べてやけに大きく、小姫の頭くらいならかるく飲み込めそうだった。子どもを攫って喰っていたという話が、初めて生々しく感じられた。


 セイが頭を下げてくちばしを開ければ、それで終わりだ。小姫はあっさりと、丸飲みにされるだろう。飲み込まれたら、その先はどうなっているのか。どこまでも続く暗闇が見えるのだろうか。セイが以前食らったという人間たちの魂に会えるのだろうか。


 頭の奥の奥で、ずっと警鐘が鳴っている。逃げなければ。そう思うのに、同時に逃げられないとも思う。


(もう、本当にダメなのかな……? もう、セイちゃんには伝わらないのかな……? 何を言っても、私の言葉は届かない。全部、嘘にしか聞こえない。それは、私のせいだけど……、何一つ、わかってもらえないまま、私は――……)


 額から流れる血はすでに乾き、肌に張り付いて不快だった。けれどもう、どうでも良かった。


 縦横無尽に吹き荒れる風に翻弄され、肌を切り裂かれ、それに負けじと声を張り上げ、それなのにセイには届かなかった。風に煽られたことによる疲労が激しく、体が異常に重かった。セイに拒絶された絶望感がそれに拍車をかけ、小姫から立ち上がる気力を奪っていた。


(……セイちゃんも、こんなふうに思ったのかな……)


 十年前、小姫が逃げたとき、セイはこんな風に絶望したのだろうか。

 どれだけ訴えても小姫に気持ちが通じないという失望は、セイをどれだけ苦しめたのだろうか。


(だとしたら……、これは、罰なのかな……)


 セイを裏切った罰。セイを傷つけた罰。


 五感がどこかへ行ってしまったのか、音も、外気に触れている感覚もなくなった。小姫は、呆然として、鴉の口が近づいてくるのを眺めた。

 口の中は、夜空よりも温かそうで、柔らかそうな黒い色をしている。小姫ののどから、ぽつりと心の声が漏れた。


「……セイちゃんは……、私を食べれば、苦しくなくなる……?」


 誤解を解けなくても、それでセイは気が済むのだろうか。小姫がいなくなれば、彼の苦しみは癒えるのだろうか。


 ――それならば、小姫ができる唯一の贖いは、これなのかもしれない。


 そのとき、大烏の目が見開かれ、くちばしが、ふいに横にぶれた。その拍子に、かつんと、小姫の頭に小さな衝撃を与える。


(――あ……)


 伸ばした手に触れたのは、笹飾りのついたヘアピン――。

 乙彦がくれた、彼の耳飾りとお揃いのものだ。


(――乙彦……、そうだ、乙彦は……!?)


 乙彦は、どうなったのだろう。無事だろうか。どこも怪我していないだろうか。もう、家に帰っているだろうか。小姫を探しているだろうか。


(私……何、やってるの?)


 小姫ははっとして、息を吸った。小姫の耳に、風の音が戻ってくる。冷気が服の隙間から入り込み、吐き出した呼気が一瞬、白く濁った。


 ――何を勝手に、諦めているのだろう。

 乙彦は約束してくれた。小姫の元に戻ってくると。彼の優しさに甘え、ほぼ強制的に約束させておいて、小姫自身が帰るのを諦めていいわけがない。


(……そうだ、また、私……間違えるところだった)


 セイが本当に求めているのは、小姫を喰うことではない。それが目的だったのなら、セイは封印が解けたときに問答無用でそうすればよかった。早田を攫ったり、手紙で乙彦を呼び出したりなんて面倒なことをせず、隙を見てただ喰えばよかった。


 そうしなかったのは、違う目的があったからだ。それをうすうすわかっていて、小姫は自分が責められる苦しさから逃げようとしたのだ。十年前のあの時と、同じように――。


(それじゃ、だめなんだ。……また、あの時の、繰り返し。今度は、乙彦も苦しませる。私を守りたいと言ってくれた乙彦も……)


 小姫の自暴自棄な選択では、誰も救われない。乙彦や、弥恵、青峰……、そして――セイも。

 裏切られた痛みや苦しみは、そう簡単に癒えるものではない。ほんのひととき胸がすくだけで、きっと一生、彼を苛み続けるのだ。


(……ごめんね、セイちゃん。私も、まだ……諦めたくない)


 小姫ももう、後悔はしたくない。セイも乙彦も、誰も苦しめたくない。

 だから、諦めない。……諦めないことだけは、最後まで貫き通す。


 それには、まず、この場を乗り切る必要があった。もはや手遅れにも思える状況だが、打開策はあるだろうか――。小姫は、恐怖をこらえてセイを見つめた。


 すると、強烈な光を放っていたセイの目が見当たらなかった。くちばしを羽毛に隠すようにして、体を折り曲げている。

 ふいに、鴉が唸り声をあげた。よろけるようにして、後ろに一歩、二歩と下がる。


「……セイちゃん……?」

「……ううっ……」


 鴉は答えず、何度か身震いをした後、地面に倒れた。小姫は近づくことも、抱き起すこともできずに、大烏が再び少年の姿に変わっていくのを、だだ黙って見つめていた。


 人間の姿になったセイは、地面に横になったまま、うずくまって頭を掻きむしり始めた。


「……セイ――?」

「――違う……! 小姫を……、喰う……? 違う、違う……っ!」


(……え?)


「俺は……、人を、喰いたいなど……、そんなこと……っ」


 時折、腕の間から覗くセイの目はうつろで、何も映していないようだった。同じ言葉を繰り返し、言葉の合間に唸り声をあげる。

 最初は、聞き間違いかと思った。だが……。


(人を、食べたくないって言ってるの? ……どうして……?)


 青峰は、セイは人食いだと言っていた。セイ自身も否定していなかったし、むしろ自分からそれを望んでいるような態度だった。少なくとも、小姫の記憶ではそうだった。


 だが今は、小姫を喰わないようにと、必死に自分を押しとどめているように見える。


「……ううっ、喰わ……ない……っ。ぐううっ……!」


 目の前でうめくセイは苦しそうで、小姫は思わず手を伸ばし――、そこで思いとどまった。


 今、ここでセイに近づいて、どうするのか。

 もう、すでにセイは結論を出した。その結果が、小姫を喰って終わりにするということだ。それがなぜ、こうして苦しむことになっているのかは不明だが、今迷っていたとしても、きっと同じ結論に達することになるだろう。


 冷静なようで、セイは怒っている。傷ついて、苦しんでいる。だから、小姫の言葉を頭ごなしに否定する。状況や小姫の行動がそう思わせているにしても、それを疑うことをしない。この状態のセイと何度話し合おうとしても、一方的に断罪される。同じことの繰り返しだ。


 何か、ないだろうか。セイが話を聞く気になる何か。膠着した事態を切り開くことのできる何か。強者と弱者ではなく、加害者と被害者でもなく、対等な立場で話し合うことのできるきっかけ。

 小姫は、改めて闇に目を凝らした。


 ここは一体どこなのだろう。


 妖怪はあまりほかの土地に行きたがらないとは、乙彦の言だ。ならば、村のどこかではあるはずだ。日無村には、木々に囲まれた広場がいくつかある。セイが小姫を連れてきたということは、おそらく、ここはセイにとって都合がいい場所なのだろう。


(……そういえば、さっき、後ろの方を見てた……)


 キンモクセイの丘の話をしたとき、右後方に視線を向けていた。それが無意識にとった行動なのなら、つい丘のある方角を見てしまったとも考えられる。


 だとしたら、ここはキンモクセイの丘から見て南東の方角か。確か、小さな山がいくつか並ぶうちの一つ、その山頂に、簡素な展望台が設えられた広場があった。


(……だんだん、わかってきた。だとしたら、入口はあっちで……。じゃあ、私は……)


 ――日無村でセイの苦手な場所といえば、やはり、キンモクセイの丘だろう。再封印するための場所でもある。封印するにしろしないにしろ、セイとの交渉材料にはなるかもしれない。


 そっと、足に力が入るか確かめた。苦しんでいるセイを置いていくのは気が引けるが、彼の不意を突けるとしたら今しかない。


(逃げたら、セイちゃんはきっと追ってくる……。逃げるわけじゃない。あの時のように、逃げるわけじゃ……。でも、セイちゃんは逃げたと思う。同じ痛みを思い出させる。捕まったら、今度こそ許してくれない。今度こそ――)


 ――ためらいなく、喰われるだろう。


 歯が、勝手にガチッと鳴った。とっさに手で口を押え、体の震えを必死に止める。


(……怖い。……怖い、怖い……!)


 生きなければと思ったとたん、死ぬかもしれない恐怖に身がすくむ。

 だが、これしか思いつかない。これにかけるしかない。


 小姫は何度も深呼吸をしてから、音をたてないようにして地面を蹴った。妖怪に対しては何の意味もない行動かもしれないが、一秒でもいいから時間を稼ぎたかった。闇に紛れるようにそっと、それから、全速力で疾走する。


「――っ? 小姫――……?」


 セイのつぶやきを背に、広場を斜めに突っ切った。看板と思しき影が星明りに浮かび上がっている。走り抜けながら、スピードを緩めずに首をひねって、看板の表示を確認する。


『展望広場』。


 やはり、そうだった。村を臨める展望台を設置してある高台で、そこからこじんまりとした駐車場につながっている。標高がそれほど高くなく、展望台としての魅力をあまり感じられないせいか、人気がなくて車もない。小姫が倒れていたのはその駐車場だったのだ。

 場所がわかれば、どう道をたどればいいかもわかる。ちょっと乱暴だが、近道も。


 小姫は思い切って、脇の斜面に足を踏み出した。


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