再び司馬遼太郎について、語れるだけ語ってやる! 2
日本で唯一の常勝将軍。
その名は源義経。
若くして事を成し。
その伝説は大陸にも及んだ。
チンギス・ハーンになったとか…そんな訳がない。
しかし、そんな伝説が生まれるほど、日本の歴史では稀有な存在だ。
次は北条早雲。
名前は有名だが、具体的に何をしたのか?
知ってる人は少ない。
しかし、その存在は義経に匹敵するくらい大きいかもしれない。
はじめに。
〘義経〙を読んだのはいつなのか?
よく覚えていない。
ただ、その頃、司馬遼太郎の作品を立て続けに読んでいた。《坂の上の雲》《竜馬がゆく》《峠》《関ヶ原》
次は何にしようか?
出来れば戦国や幕末以外で……と、手を伸ばしたのが〘義経〙だった。
1
義経と云えば、様々な英雄的エピソードがある。
一の谷での逆落とし。
屋島では敵の背後を見事に突いた。
壇ノ浦では漕ぎ手を射殺して、勝利をモノにした(※〘八艘跳び〙は無かったと思う)
日本史上、唯一の常勝将軍。
それが源義経である。
ところが司馬遼太郎は敢えて、それらを控えた内容で話を進めていた。
出だしはよく覚えていない。
弁慶との出会いも覚えていない。
ただ、元服のシーンは覚えている。
誰も居ない中で勝手に新たな名前は考えた。
その描き方はブッキラボウと云うか、それでも丁寧に描かれていた。
軍事の天才であるのに駆け引きは大の苦手。
その模様は平家を倒した後の、京での義経の振る舞いに、有り有りと描かれた。
貴族が義経とよしみ結ぶために、義経の元に一族の女を次々に送り込む。
義経は来る者は拒まず、手当たり次第に手を付けた。
飯を喰うように…酒を飲むように…それが礼儀と言わんばかりに(※静御前もいるのだが影が薄い)
その状況に後白河法皇が大笑いする。
全く持って、義経には政治感覚が抜け落ちていた。
頼朝が扱いに困ったのも無理はない。
頼朝が義経の活躍に嫉妬したとする俗説は、〘義経〙には描かれなかったと思う。
最終的に政敵とされ、京を追われるのだが…そのシーンで物語を終える。
京の都の民衆に惜しまれながら、京を去る義経。
その様子を後白河法皇が見守っている。
司馬遼太郎は、最後まで英雄として、生かした状態で、義経の物語を終えた。
読み始めた時は、最後は奥州平泉だろうと、勝手に思っていた。
たから終わり方は、ホントに意外だった。
司馬遼太郎は義経の死ぬシーンは描きたくなかったのかもしれない。
2
次に取り上げるのは〘箱根の坂〙全3巻。
戦国か幕末以外で……と、思って手に取ったのが本書〘箱根の坂〙
舞台は戦国初期。
(何だ戦国かぁ)
と、思ったが…よく考えたら、戦国時代は中期後期は知ってるが、最初の方は全く知らない。
【応仁の乱】から戦国時代は始まるようだが…応仁の乱とは何かを知らなかった。
だから読んでみる事にした。
最初に驚いたのが名前の由來。
最初は北条とも早雲とも名乗っていなかった。
伊豆・関東に進出した際。
かつて繁栄した北条氏に肖ったそうだ。
本名は伊勢新九郎盛時。
京の都の下級役人だった……かな?
馬廻役で、確か物語の出だしは、馬具を作りを教えるところからだったと思う。
早雲の跡継ぎに、家業を継がせるような描写だった。
さらに応仁の乱に巻き込まれて、将軍候補の足利義視を馬に乗せて逃げる。
それから、諸国行脚が始まる。
『目が肥える』
と、言って楽しそうに諸国を回る早雲。
裸になって、乞食を装うシーンも有ったと思う。
足利義視がどうなったのかは覚えていない。
ただ覚えているシーンを言えば。
早雲の妹が駿河の※今川家に嫁いだ後、今川家で【お家騒動】が勃発した(※妹の3代あとが今川義元)
混乱に乗じて、駿河の周辺の諸大名が不穏な動きを見せ始める。
妹の危機に早雲は決起する。
時に早雲50歳!
浮浪者同然の武士の次男三男を集め。
伊豆へ向かった。
伊豆は足利家が治めていた。
京の将軍家の分家である。
早雲は足利家の館を襲った。
夜、踊り念仏をして、騒音を掻き消し、一夜で事を成してしまう。
伊豆の主となった早雲は、駿河の今川家の騒動を収める。
奇襲してライバルを葬り。妹の安全を確保をした。
さらに領土の保全を目的に、関東攻略に動き出す。
しかし、これは財源確保が目的だったようだ。
早雲は重税の廃止して、農民から40%ほどしか徴税していなかった。
当時は徴税60〜70%が普通だったのを考えると、破格の安さである。
しかし、そのため財源を確保するために、広い土地が必要になった。
早雲は88歳で亡くなるまで、生涯を掛けて、国造りを行った。
それが戦国大名の経営モデルとなったのである。
若くして大成功を収め、散って逝った【源義経】
晩年に花咲いた戦国初期の改革者【北条早雲】
どちらも改革者の顔があった。
だから、比べる意味で述べてみた。
読んだ当時を思い出しながら書いているので、かなり怪しい。
興味を持って、読むキッカケにしてくれたら幸いです。
また、書こうかな。