教えて、ケイちゃん先生!~強さのランク~
不定期で行われるコーナー、『教えて! ケイちゃん先生!』。この世界の仕組みや設定などメタいことを話していくぞ!
「教えて、ケイちゃん先生! というわけで、今回から始まりました『教えて、ケイちゃん先生!』。このコーナーは本編で語られないこの世界の設定や読者からの質問に答えていくというものです」
「メタいなぁ」
「仕方ありません。そういうコーナーですので」
「で、何で僕なの? 僕じゃなくてもよくない?」
「それはですね、凄く単純に、貴女様ならメタいお話でもキャラで済ませられるので」
「それもメタいなぁ。まぁ、いいや。それで? 何を話せばいいの?」
「はい。今回お話ししてほしいのは、『強さのランクについて』です」
~強さのランク分け~
「まず、強さのランクは十五段階に分けられる。もっと大まかに言えば五段階だね。上から神話級、伝説級、上級、中級、下級。ここからそれぞれ上位、中位、下位の三段階に分けられるから全十五段階。モンスターに対してなら、上級以上で二つ名がつけられるよ」
「二つ名ですか」
「そ。例えばヴォジュア・オールドウッドであれば<怪樹>、上級で言えばオルトゥスの<双頭の凶犬>とかね」
「成る程。では、それぞれのランクの大体の強さの目安のようなものはありますか?」
~強さのランクの目安~
「基本は信用しちゃ駄目かなぁ」
「と言いますと?」
「ランクを付けるような機関とかがあるわけじゃないんだよ。基本ランクを付けるのは倒した本人。時々いるんだよね、自分が倒したモンスターがとても強かったんだって強調するために、実際よりも高いランクに付ける奴。でも、一応これくらいが目安って言うのはあるよ」
「成る程」
「下から行こうか。でも、上位、中位、下位のランクの違いは倒した人の感覚でしかないから、そこに目安はあんまりないんだよね」
「そういうものなのですね」
「うん。で、下級の目安は動物。野生動物の方がいいかな。いわゆるリスとか鹿とか熊とか。そんな感じ」
「動物もモンスターに指定するんですね」
「そ。時々血の味を覚えたりとか、人の作った料理の味を覚えちゃったりとか、そういう動物が襲ってくるっていうのがあるからね。素手で倒せないし」
「確かにそうですね」
「で、次は中級。中級は討伐系の依頼をこなせるスペシャリストとか騎士とかじゃないと対処できない。あと、生きることに特化していたりするよ」
「生きることに特化、ですか?」
「そ。例えば、中級の代名詞ゴブリンは頭が潰されてもいいように、体側にも脳がある。コボルトなら、逃げ切れるように、逃走時にのみ足の速さがアップする」
「これで中級ですか」
「対処はしやすいからね」
「で、上級。上級は全種族努力の限界。何の才能のない奴が努力だけで辿り着ける領域。モンスター側もそれくらいの力がある」
「下手すれば国が壊滅しますね」
「そそ。だから二つ名がつけられる。それが倒せるなら、国から引く手数多だろうね」
「上級にあったら逃げるしかないですね」
「逃げ切れるならね」
「次は伝説級だね。本気を出せば大陸一つを制圧できるくらいの実力だよ。あと、体が大きい。最低でも二メートル。十メートル越えはざらだね。ヴォジュア・オールドウッドだって高さは十メートルだけど、枝とか蔓とかは数十キロメートルあるからね」
「で、デカい」
「逃げ切るのは見込めないかな。出会ったらほぼ詰み、逃げ切れるのは一、二パーセントってとこかな」
「本当に詰みですね……」
「最後に神話級。まず敵対するべきじゃないね。本気を出せば地図が変わるよ、大陸が一つ二つ消えちゃって」
「ぜ、絶対に敵対するべきじゃないですね……」
「圧倒的な力だから、戦っていたら分かるよ。地面、というか大陸ごと揺れるし」
「そこまでですか」
「あ、でも、ダンジョン内は分からないよ。ダンジョン内にも神話級がいるって話だけど、揺れを観測したことないし」
「それなら聞いたことがあります。ダンジョンの最下層にはとても強いのモンスターがうじゃうじゃいると」
「僕も見たことないから知らない。あそこ、微妙に時空が捻じ曲がってて、魔眼も通用しないんだよね。外から観測する術がない」
~種族側の強さについて~
「では、種族側が強さを自称するには何をすればいいのですか? 時折自分は中級中位だとか上級中位だとか自称している方がいますが」
「あれは自称するしかないからね。さっきも言ったけど、そういう機関がないんだよ。だから自分で言うしかないんだ」
「成る程。でしたらどうやって名乗っているのですか?」
「そのランクのモンスターを倒したら、だね」
「ほう」
「例えば、中級中位のモンスターを倒したら、そいつは中級中位を名乗ることができる」
「では、下級下位を倒していない者は何を名乗るのですか?」
「何も名乗れないよ?」
「……そうですか」
「うん。そうだよ」
「ところで、嘘を吐き放題だと思うのですが」
「嘘を吐くと苦労するのは本人だよ。実力より上に言えば、そのランクの依頼が飛んでくるし、実力より下に言えば、その分稼ぐことができない。痛い目を見るのは本人だから誰も何も言わない。優しい人は言うかもね。僕は言わないけど」
~エンディングトーク~
「本日はお話有難うございました」
「あいあい。もしかしてだけどさ、これ第二回ある?」
「好評であれば。あ、ちなみに第二回は決まっていますよ」
「マジか」
「次回は各種族のお話か十段階評価の話です。どちらがいいですか?」
「……種族の話をするのに十段階評価が必要だからそっちが先で」
「分かりました。では、次回、十段階評価の回でお話でお会いしましょう! さよなら―!」
「……僕了承してないんだけど、ま、いっか。さよならー!」