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僕はただ強くなりたいだけなのに  作者: suger
2.エル
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12.面倒事だよ、ユーヤ君

 狭い。それが今の感想だ。

 あの後、僕はアリスを連れて、クライネと逢った沢まで行った。

 汗を流したことですっきりしたアリスは、その時お眠になっていた。


 メリッサが言う事には、どうやらミデリーはアリスを僕のところに置いて行ったらしい。その方が成長するだろうと考えた結果なんだかとか。

 アリス本人は、友達とお泊り会みたいで楽しいと言ってきやがった。


 いい時間となり、いざ寝ようとなった時、事件が起こった。

 主張1、僕。ベッドは客が使うべきだ。僕は床で眠る。

 主張2、クライネ。主従において、主がベッドを使い、従者が床で寝るべきだ。

 主張3、アリス。お泊り会だから、皆でお喋りしたい。後、独りぼっちはどうしても嫌。ベッドでも床でもいいけど最低二人。

 主張4、メリッサ。主張内容はクライネとほぼ同じだった。差異を挙げるなら、そもそも男女が一緒に寝るのは不味いのでは? 僕はこの主張の意味を理解していない。何がマズいんだ?


 この四人の主張を満たせる状況はない。誰かが妥協しなければいけない。

 そこでアリスが一言。


「じゃあ、皆で雑魚寝だね!」


 その一言が採用され、今は皆で家の床に布を敷いて雑魚寝している。元々一人が暮らすことが想定されている家だ。四人で寝転ぶには狭すぎる。

 左に寝返ればクライネが、右に寝返ればアリスがいる。動けない。寝苦しい。


 そう考えていた時、ドカンと大きな音。僕はバッと起き上がる。隣にいたクライネとアリスも同様起き上がった。メリッサはまだ寝息を立てている。意外と大物なのかもしれない。


「私が来た!」


 大声を出してきたが、お前は誰だ? このようなことをやりそうなのはクンしか思いつかない。しかし、身長が全然違う。逆光のせいで影しか見えない。

 体格だけで見ればミデリーに見える。しかしミデリーはあれで常識良識の類を持ち合わせている。わざと壊して登場なんてことはしない。

 じゃあ、こいつ誰だ?


「何だ。もう~エルちゃん驚かさないでよ~」


 ぽす。

 アリスが謎の存在に文句を言うと、そのまま体を倒し、二度寝の体勢。え、誰なのか教えてくれよ。


「おいおいおい! ちょ、待てよ、アリス! 私が来たんだぞ。もうちょっと喜べよ。ほらほら」

「眠いから嫌」

「マジかよ自由人。まぁいいや」


 エルはすんと真顔に戻り、自身の腰に片手を当てて、こめかみ辺りを掻いている。


「今日の私の用事はアリスじゃないし、いいか。そっちの男の子に用がある。聞いているぞ、ミデリーから。お前がユーヤだな」

「……用事があるなら明日にしてくれないか。僕も眠い」

「ハハァ。私は夜行性気味かつ今徹夜のテンションだからなぁ」

「ベッドで寝れば?」


 僕がベッドを指差す。謎の存在エルはベッドを見る。


「使っていいのか?」

「いいよ」

「……つか、何で誰もベッドに寝てねぇんだ?」


 謎の存在エルが呆れている。もうどうでもいいため、僕ももう二度寝の体勢に入る。


「こいつも寝んのかよ。知らない奴というか私がいるのに凄いな、胆力」


 呆れた声が聞こえてきたが知らない。僕はもう眠い。


「仕方ねェか。対決は明日だな」


 あぁ、やっぱり戦うことになるのか。

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