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僕はただ強くなりたいだけなのに  作者: suger
2.エル
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3.モンスター狩りをするユーヤ

 巨木のモンスター以来、初めてこの森に入る。

 モンスターがあまり見えない。この森はモンスターに蹂躙されてしまう程危険な場所のはずだ。何でモンスターが見えないのか。


 僕はこの新品の剣の試し切りがしたいのだ。素振りでは分からない使用感がある。それを確かめたいのに、モンスターが出てきてくれない。


「どうした、ナミビエの森。あの時の巨木モンスターがいたら、突っ込んでいるぞ」


 ガサガサと草が揺れる。おっと、モンスターかな? モンスターだよね。モンスターだよな!?


 ジッと睨んでいると、一つ目で角の生えたモンスターが出てきた。こいつの名前は知らない。

 一つ目角モンスターが木でできた棍棒を振り上げた。このモンスターは攻撃力が高いだろう。棍棒での攻撃は、人間を簡単に肉塊にできるかもしれない。

 一つ目角モンスターが棍棒を薙ぐように振るう。


 僕は跳んで躱し、剣を振り下ろした。剣が少し軽いが、腕力で何とかすればいい。

 一つ目角モンスターは頭を振り、角で受け止めてきた。


 バキッ!


 モンスターの角半ばまで剣が入った。僕は剣の柄を軸にして、角に回転蹴りを叩き込んだ。

 角を折り、剣を解放させた。空中にいるまま、剣を掴み取る。


 一つ目角モンスターは、顔を反らしながら、棍棒を振り上げる。僕は脚を斜めから当て、その場で後方回転する。

 僕は右足一本で、膝を曲げながら着地した。伸ばしている脚も着地させ、右膝を伸ばす。

 無防備となっている一つ目角モンスターの腹筋を斬った。


 一つ目角モンスターの上半身がズレ、下半身を残して倒れた。


 僕はそこらに生えている草を採って血を拭う。


「専用の布を用意しておいた方がいいか」


 僕は剣を掲げ、陽の光に当てながら呟く。


 地が揺れた。この揺れはモンスターの歩行だ。こっちに近づいてきている。

 そこにいたのは赤い肌をした人が立つのモンスター。また名前の知らないモンスターだ。血の匂いに誘われたのだろう。


 モンスターが僕を見下ろしてくる。何を考えているのか分からない目だ。しかし、溢れるオーラが次の行動を予測させる。


 僕も餌にする気だな。


 モンスターが木でできた棍棒を振り上げた。さっき見たな。


「ブゥゥオオン!!」


 モンスターが棍棒を振り下ろす。先程のモンスターは薙ぎ払いだったが、今回は振り下ろし。


 僕は棍棒を見てから余裕をもって躱す。

 棍棒が地面に当たった瞬間、地面が割れた。

 僕は屈んで、片手を地面に触れる。バランスを整えると、そのまま宙に浮いている地面を足場にして飛ぶ。一度木に着き、その撓みを利用して加速する。


 モンスターが棍棒を引き抜く前に、剣を届かせる。


 こいつは一つ目角モンスターに比べれば、かなり強い。この僕の一撃程度では死なないだろう。

 モンスターの首に届いた剣が、分厚い筋肉を断っていく。


 ズバッ!


 首が飛んだ。


「え?」


 僕は呆気に取られた。僕は切れると思っていなかったのだ。


 地面に靴の線を作りながら着地する。そして、剣を見る。

 血が付いていない。それほどの逸品。


 素晴らしいが、同時に恐くなってくる。これ、いくらだ?


 これはミデリーが押し付けてきたものだ。これの代金を僕は支払わなきゃいけないのか?


「い、いや、今は考えるのをやめておこう」


 僕は剣を鞘にしまった。

 冷や汗が流れているような気がするが、気にしない気にしない。気にしないったら気にしない。

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