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密偵シンタス・ヴァーリ・ケストレルと恐るべきカレーライスセット③

 卓上に鎮座するカレーライスセットを前にして、シンタスははたと気付いた。

 これはあの、店内に漂っていたスパイシーな香りの正体だ、と。

 数多の貴重な香辛料を混ぜ合わせた豪華絢爛な香り。シンタスは当初、これを大公か騎士団長の為の特別なものと思っていたのだが、実際は客なら誰でも頼めるメニューだったのだ。

 香辛料というものは総じて高価で、平民はおろか下位貴族の食卓に上ることも滅多にない。それが数多混ざり合ったものを食すなど、同量の砂金を食うにも等しき行為。まさしく贅沢の極み。

 そんな贅沢の極みとも言えるものが、何故、こんな安価で客の貴賎も問わずに提供されているのか。いくらハイゼン大公の資金力があったとしても、これでは早晩破産することだろう。大公としての権威を示す行為だとしても、いささか常軌を逸している。帝国にも見栄っ張りな貴族はいるが、ここまでやる者は誰もいない。


「流石、アルベイル大公の店だな。凄すぎる……」


 本当に、思わず、シンタスは呟いていた。

 だが、その呟きが耳に入ったのだろう、隣でソバを食っていたあの兵士の青年が「それは違うぞ」と声をかけてきた。


「あんた、勘違いしてるぞ」


「え?」


「旧王城の敷地内に出てる店だから大公閣下が出店したのだと思ったんだろうが、閣下は別にこの店のオーナーでもないし資金提供もしていないぞ」


 それを聞いて、シンタスは目玉が飛び出るほど驚いた。


「えッ! ええ!? それは本当に!!?」


 驚くシンタスに、青年はそうだと頷く。


「まあ、大公閣下の庇護下にはあるけどな。金銭については本当に1コルも出していないそうだ」


 普通、商店が貴族の庇護下にあると聞けば、当然資金提供もあると思うものだろう。それがないとはどういうことなのか。何やら込み入った事情があるように思える。


「しかし、君はどうしてそんなことを……」


 知っているのか。末端のいち兵士が知り得る情報とはとても思えない。シンタスがそんなふうに言おうとしたところ、彼はその言葉を遮るように口を開いた。


「これでも爵位持ちの騎士だからな。それくらいの情報は耳に入る」


 聞いて、シンタスはそのことにも驚いた。

 整った装いではあるが、しかし彼の服装は一般兵士のそれと大差がない。騎士団に所属する武門の男でも、貴族ならばもう少し華美な恰好をする。それが普通だ。だから、シンタスはてっきり、彼が兵士だと思い込んでいたのだ。

 しかし、貴族ならば平民よりも大公との距離はぐっと近くなる。一般兵士よりも詳細な情報を持っていたとしてもおかしくはない。


「そ、そうだったのか……」


 そう頷いたところで、シンタスはふと、あることに気が付いた。


「ん、待てよ? だとしたら、どうしてこんな…………」


 店の者たちは恐らく平民。なら、何故、貴重な香辛料を多数混ぜ合わせた高価な料理を誰の資金提供を受けることもなく出すことが出来るのか。大公ですらそんなことを続ければ破産すると思っていたのだ、そもそも平民の食堂店主がどうやって多数の香辛料を仕入れているのか、そしてその資金は何処から調達しているのか。

 考えれば考えるだけ謎が増えてゆく。


 思考の深みに嵌ったシンタスがアワアワしていると、青年がずい、と顔を寄せてきた。


「……あんた、他国から来た人みたいだが、あんまり変なことは考えん方がいいぞ。さっきも言ったが、この店は大公閣下の庇護下にあるんだからな」


 瞬間、シンタスの心臓がドキリと跳ねた。

 まさか、自分の正体が密偵だとバレているのか。思えばこんな大衆向けの食堂に貴族がいること、それも隣の席にいるということも不自然だ。普通は騎士爵や準男爵のような下位貴族でも外食する場合は最低限レストランを使う。彼はもしや、シンタスのような者たちを見張る為にここにいるのではないか。

 いいや、まだバレてはいない筈だ。シンタスが密偵だと知っているのは一族の者たちと帝国の上層部のみ。彼はカマをかけているに過ぎない。その筈だ。


「も、勿論だ! 変なことなんてしやしない! 本当だ!!」


 額に冷や汗をかきながら、シンタスはすぐさまそう否定する。このまま難癖をつけられて捕縛でもされてはたまったものではない。

 青年は、ふむ、と鼻息を吐いてから静かに頷いた。


「……そうか。なら、いいさ。せっかくのソバだ、冷める前に食いなよ」


 言ってから、青年はどんぶりに残ったスープを飲み干し、席を立って勘定をしに行ってしまった。

 その場に残ったのは、シンタスと堆積した緊張感のみ。

 シンタスはゴクリと息を呑み、そこで喉がカラカラに渇いていることに気付いた。

 急いでガラスコップを手に取り、残った水をゴクゴクと飲み干す。


「………………ふう」


 水のおかげで冷えた息を吐き、ここで今一度冷静に考える。

 シンタスの偽装は完璧な筈だ。上層部と一族の一部以外には、それこそ自国民にすら正体はバラしたことがない。怪しまれぬようにダンジョン探索者としての活動も続けているし、昨日もダンジョンに潜ったばかりだ。しかも身分証であるギルドカードにも出身はアードヘット帝国ではなくデンガード連合だと記載している。

 シンタスが帝国の風だと見抜ける者は、王国内でも限られる。恐らくは王家のヴェンガーロッド特務騎士隊か教会のクザン衆のみ。だがその二大組織が旧王都でスパイ狩りをしているという情報は入っていないし、シンタスもそのことは自身で確認している。

 大丈夫だ、バレてはいない。貴族だとて下位の準男爵や騎士爵ならば大衆向けの食堂で食事をすることもある。全ての事象を悪く考える必要はない。


 それに何より。


「………………美味そうだ」


 眼前でホカホカと湯気を立てるカケソバとカレーライスは実に美味そうだ。その匂いは抗い難いほどシンタスの食欲を刺激してくる。自らの保身のみを第一に考え、これを食さず帰ることなど出来ようか。


「無理だな。食おう」


 自嘲気味に、ふ、と笑ってから、シンタスは銀のスプーンを手に取り、カケソバのスープを掬って飲み込んだ。

 塩味のある、しかし丸く角のない口当たりのスープが舌の上を滑って喉の奥へと嚥下され、暖かで芳醇な香気が鼻孔を駆け抜ける。


 美味い。本当に美味い。


 仕事で世界各国、各地に赴くシンタスをして、初めて口にする味であった。魚介の味、海草の味、そして植物性の発酵食品らしきものの味。漁港を擁する街には何度も行ったことがあるが、それでも食べたことのない不思議な味。

 内陸の、しかも運河すらないこの旧王都でどうやって魚介や海草を仕入れているのだろうか。また、一切の生臭さを排除してその美味さのみを出すこの技術はどうやって得たものなのか。このスープは確かに美味いが、食したことでかえって謎が深まった。今回の調査でどれだけ真に迫ることが出来るかは分からないが、これは確実に報告しなければならない内容だ。


「よし、次は……」


 先ほどまで隣席でソバを啜っていた青年の姿を思い出し、卓上の筒からスリットが入った木の棒を取り出し、パキリと割って右手に持つ。そして不器用な手つきでどうにかソバを持ち上げ、ゆっくりツルツルと口に運ぶ。

 咀嚼。ほどよい弾力とほのかな甘さ、鼻に抜ける独特な香り。これもまた美味い。これは恐らく小麦粉の麺ではなく別の穀物を製粉して作った麺だ。これが示すことはつまり、王国には小麦に代わる主食たり得る未知の穀物が存在するということ。しかも大衆向けの食堂に卸せるほど大量に収穫されている。一体、王国の何処で生産されているのか。今回の任務中に発見出来るだろうか。ともかくこれは重大な情報である。必ず帝国に持ち帰らねばならない。


 スープ、麺合わせてカケソバは確認した。次だ。次はいよいよ本丸だ。


「カレーライス……」


 スプーンに残った僅かなスープを入念に切り、カレーライスを掬い上げる。

 香辛料の刺激的な香りを伴った湯気が顔に当たり、鼻孔を通り抜けて強烈に食欲を刺激してくる。

 ゴロゴロと大きく切られた野菜、特にジャガイモ、帝国ではジャガトラの実と呼ばれるものが目立つが、肉も入っている。恐らくは豚肉だろう。白い粒については正体不明だが、見た目からしてこれも穀物だ。しかもソバと同様、帝国にはない穀物。

 それを口に運び、モグモグと咀嚼する。

 瞬間、香辛料の辛さが舌を猛烈に刺激した。だがこれが何とも心地良い。食欲を刺激する辛さだ。

 それに感じるのは辛さのみではない。ほどよい塩気もあり、野菜の甘さも感じる。特にジャガトラのねっとりホクホクとした甘さが実に合う。

 肉の旨味も感じる。

 そして白い粒。これはほのかな甘みだ。主張は弱い。だが、これが香辛料や野菜、肉といったものを繋げ、ひとつの美味さへと導いている。この白い粒は調和の為に存在している。


 カレーライス。何という素晴らしい料理だろうか。


 香辛料、肉、野菜、穀物。複雑に混じり合った味が調和し、至福のハーモニーを奏でる料理。帝国の一流レストランですらこの味は出せないだろう至極の逸品。恐らくは皇帝陛下ですらここまでの料理を食べたことはないだろう。


「王国には、こんな美味いものがあるんだな……」


 しみじみ、シンタスは呟いていた。

 シンタスの35年の人生の中で最も美味なるもの。今後の人生でこれ以上の美味に出会えるのか、そう疑わざるを得ない頂点の味。

 だが、その頂点の味を堪能した直後、シンタスはあることを思い出した。


「そういえば、このカレーライスはソバのスープで流し込むと絶品だと言っていたな……」


 あの青年が言っていたことだ。カレーライスをソバのスープで流し込む。それがまた美味いのだと。

 思えば、カレーライスにはソバのスープにも感じた魚と海草の風味を仄かに感じた。もしかすると、カレーライスとソバのスープで味付けに同じ下地が使われているのかもしれない。仮にそうなのだとすれば、カレーライスとソバのスープの親和性は抜群。これが美味くない筈がない。いや、絶対に美味い。

 その組み合わせを想像しただけで、思わず喉がゴクリと鳴った。試さずにはいられない。


 もう一度カレーライスを掬い上げ、口に運んで咀嚼。辛くて美味い。

 そこにすかさずソバのスープを流し込む。スプーンで掬うようなことはせず、どんぶりに口を付けて豪快に飲み込んだ。


「ぷはぁッ! 美味い!!」


 店内に人がいることなど気にも留めず、シンタスはその美味さに声を上げていた。

 口の中にしっかりと残るカレーライスの味を、ソバのスープが綺麗に流して舌をリセットしていくこの感覚。鼻に上る香気までもが調和している。

 カレーライスとカケソバ。これらの調和は必然だったのだろう。まさしく渾然一体。混ざり合ってひとつになった。

 カレーライス単品ですら恐ろしいまでに美味かったのに、それを悠々越えてきた。王国貴族の食卓どころか、神の供物に捧げてもおかしくない至上の料理。それがカレーライスとカケソバの組み合わせだ。


 これが690コル。何の冗談だろうか。こんなものを知ってしまえば誰であろうとここに通わざるを得なくなる。それは大公がわざわざ通う筈だ。この店の料理は宮廷で出される料理より美味いのだから。


 そこから先、シンタスは我を忘れてカレーライスセットをがっついた。

 ソバ。カレーライス。カレーライス。ソバ。カレーライス。

 特定のリズムなどなく、心の赴くままに好きなものを好きなタイミングで。そして何口かに1回は必ずカレーライスをソバのスープで流し込む。

 美味さの波が怒涛の勢いで押し寄せてくる。うまい、ウマイ、旨い、美味い。一切の例外なく全部が美味い。怖くなるくらい美味い。


 時間にして僅か10数分。シンタスは綺麗さっぱりカレーライスセットを平らげていた。どんぶりの中にはスープの一滴すらも残っていない。皿の上にあったもの、どんぶりの中にあったもの、全て余すことなく全て胃の腑に落ちて行った。全部美味かった。


「ふう……」


 パンパンに膨らんだ腹を押さえて吐く息ですらもカレーライスの匂いを湛えている。もう少し胃に余裕があれば、この余韻だけでパンが食べられるだろう。

 極上に美味いものをたらふく食べて満腹になる。これは人として、いや、生物として幸せなことだ。そんな幸せな気持ちが頭の大半を占めている。

 が、同時に、食べ終わって満たされたからだろう、頭の一部が冷静に働いている。

 見たことがない、知りもしない食材の数々。数多の香辛料。氷の浮いた清い水。これらが贅沢品ではなく、平民の口に上る安価で提供されている。即ち、それだけの量がこの旧王都に安定して流通しているということだ。更に言えば、旧王都に流通しているものは当然ながら王都でも流通しているということ。

 旧王都では平民までもが高位貴族レベルの食事をしている。昨今の発展著しい旧王都ではあるが、まさかここまで好景気に沸いているとは思ってもみなかった。漫然と街中を見回るだけでは分からないものである。これを上層部に報告すれば、きっと数字的な裏取りをする為の専門人員が派遣されることだろう。

 自画自賛になるが今回の仕事の成果は甚だ大である。久しぶりに美味いものが食えたという意味でも、今回、この店に来て良かった。


「お客様、気持ち良い食べっぷりでしたね」


 シンタスが満足そうに膨れた腹を撫でていると、いつの間にそこにいたものか、ガラスのピッチャーを持った給仕の女性が隣に立ち、空になったコップに水のおかわりを注いでくれていた。


「ん? あ、ああ、いい歳をして、これはお恥ずかしい……」


 まるで腹を減らした子供のようにカレーとカケソバをがっついていたという自覚はある。ビーストは毛深いので赤面しても気付かれないが、それでも思わず苦笑しながら頭を掻くシンタス。


「いえ、ありがたいことです。そば屋冥利に尽きます」


 微笑みながら頭を下げ、給仕の女性は空になった食器を回収していく。

 シンタスが水を飲みながらその様子を見ていると、また新たな客がやって来た。


「いらっしゃいませ! て、あら? セントさん? さっきお帰りになったばかりですよね?」


 食器を下げ、来客に対応した給仕の女性が少し困惑した声を上げたので何となしに顔を向けると、そこには何故か先に帰った、あの騎士の青年がいた。先ほどは腰に剣を差しているだけだったのが、今度は何故か革鎧を着て、剣の反対側に金属製のメイスまで下げていて妙に物々しい恰好だ。

 一体何なのだろうか。気取られぬよう、シンタスは何食わぬ顔をしながら慎重に聞き耳を立てる。


「……すまんな、ちょっといいか?」


 小声でそう言い、青年は給仕の女性を手招きする。内緒話ということだろう。


「え?」


「今度は食事じゃない。先触れだよ」


 小声で言いながら、給仕の女性の耳元に顔を近付ける青年。ヒューマンであれば聞こえない会話だろうが、しかしシンタスは五感に優れるビースト。頭頂の耳はしっかりとその会話の内容を拾っている。


「先触れ?」


「大公閣下とアダマント団長が急遽お越しになるそうだ。準備を頼む」


「ああ、なるほど、分かりました。店長にも伝えておきます」


「頼んだ」


 それだけ言うと、青年はまた店の外に出て行った。


「……ッ!?」


 これは不味いことになったと、シンタスは慌てて席から立ち上がった。

 シンタスの正体が密偵だとバレたのだろう。きっと、あの青年がシンタスのことを見破ったのだ。会話の中で決定的なボロは出さなかった筈だが、もしかすると何らかのギフトの力を使ったのかもしれない。まさか大公御自らが出向いてくるとは思わなかったが、騎士団長のアダマント伯爵まで来るというのだから彼らがシンタスの捕縛に動いたことは決定的だ。恐らくは手勢を引き連れて来るのだろう。

 あくまで楽観的な願望も込みで、たまたまハイゼン大公とアダマント伯爵が食事をしに来るだけという場面にかち合っただけならばまだ救いはある。が、シンタスが今回の任務に赴く際、大公には何やら人の心の良し悪しを見抜くようなギフトがあると、そう資料に記されていたことを覚えている。

 シンタスは密偵ではあるが、別に旧王都の勢力と事を構えようという気はない。本心から、毛頭ない。だが、それでも密偵は密偵。ハイゼン大公のギフトが常時発動するタイプのものであれば、シンタスは怪しい者としてその能力に引っかかる可能性がある。そうなれば身の破滅だ。捕まれば待っているのは拷問の末の死、何かの奇跡が起きて逃げることが出来ても顔が割れた密偵など使い道はない。間違いなく帝国上層部に消されることになる。


「あの……お客様? いきなりどうされました?」


 不思議そうな顔で首を傾げた給仕の女性にそう声をかけられ、思考を高速回転させていたシンタスがハッと気付いて顔を向ける。


「す……すまないのだが、私はこれで失礼させてもらう! 実に美味かったよ、ありがとう!」


 こうなった以上、ボヤボヤしている暇はない。一刻も早くここから逃げなければ。

 シンタスは大急ぎで財布を取り出すと、とりあえず目についた大銀貨を手に取り、押し付けるようにして彼女の手に握らせた。


「あ、ああ、そうですか……? あ、では、今、おつりを…………」


 と、そう言いながら会計の方に向かう彼女の背に、シンタスは声をかける。


「おつりは結構! 感謝の気持ちだから受け取っておいてくれ! では、さらば!」


 おつりを受け取る時間も惜しい。それに何より、ここの食事には大銀貨以上の価値があった。金自体は何も惜しくはない。

 そのまま急いで店を出るシンタスの背に、給仕の女性が困惑しながらも礼を述べる。


「えぇ? あ、ありがとうございました……」


 ハイゼン大公たちが来る前に、少しでも距離を稼がなければ。

 顔面を冷や汗でずぶ濡れにしながらも、ビーストの身体能力全開で風のように街を駆けるシンタス。

 仮に無事、このまま逃げ果せたとして、もう、二度とこの街に来ることはないだろう。国には家族も友人もいる。自分の身の安全を考えるのなら、旧王都どころかカテドラル王国にすら近寄らない方がいい。

 だが、そうなるとあのカレーライスセットを口にする機会はもう一生来ないだろう。あの天上の味とも言えるカレーライスセットが。

 カテドラル王国を去ることには何の未練もないが、シンタスはそれだけが心残りだった。


※西村西からのお願い※


ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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