プロローグ/狂気の悪魔
はじめまして!新米のちっぽけな鞠です!
この物語は、孤独だった少女の復讐にも似た、殺人とその後の贖罪の旅を描いた作品です。楽しんでいただけたら幸いです!
リアルがそこそこ忙しいので投稿頻度は驚く程低くなりそうです。
「ッ!誰だ!」
「あらら、バレちゃったかぁ隠密スキルには自信あったのになぁ、ボク」
暗い通路にカツカツと足音が響く。それはまるで迫る死へのカウントダウンだ。
「どっ、何処にいる!隠れてないで出てこい!」
まるで、肉食獣にでも狙われているかのような恐怖のせいで挑発してしまった。しかし足音の正体の姿は何処にも見えない。
「あれれぇ?君もしかしてボクを探知出来ない程弱いの?」
背後から少女の声が、否、悪魔の声がした。だが姿は何処にも見えない。
「え?・・・」
視界に腕が舞う。狂いそうなほどの痛みを左腕に憶えた。
斬り飛ばされている。
「ぐっぐぁぁぁ!貴様ァァァ!」
前を見ると、紫色の頭髪の少女が立っていた。
その少女は馬鹿にしたように嗤いながらにじり寄って来る。
「うーん・・・残念だなぁ、もう少し殺りがいのある相手かと思ったのになぁ」
まさに狂人のそれの様な少女の発言を聞き、体が恐怖に支配される。
「うっ、うわぁぁぁぁぁ!!くっ、来るな!」
「アハハハハッ!そんな怖い顔しないでよぉ、それに、依頼で仕方なく来てるんだ、ほらもっと舞えるでしょ?おじさん?」
こいつは狂っている、そう確信した。
「来るな!狂人!」
少女の表情が歪む。そして空気が揺れる程の威圧感を発していた。
「狂人?誰が?まさかこのボクがそうだって言うのかい?」
終わりを確信した。しかし、後悔してももう遅い。既に死の存在は目前、逃れることなどできない。まさに死の象徴が目の前にいるのだ。
だが、悪足掻きを続ける。無駄だと知っていながら死に抗おうとする。醜い人間の姿である。
「あぁ、そうだッ!そうだと言っているッ!しかし、この俺をここまでこけにしたんだ。名前くらい聞いてやるッ!」
少女は待っていましたとばかりにこう言った。
「フフフッ、醜い、それに愚かだ、それがまた面白い、分かった、教えてあげるよ、ボクの名前はアーシン・アルティス、いや『クレイジーデビル』そう言った方が通りが良いかな?」
・・・・・・これは、狂気の悪魔『クレイジーデビル』と呼ばれる少女とその相棒の贖罪の旅を綴った物語である。