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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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待ち時間

 水晶玉を預けて、支部の様子を見にいった。待ってる間に処理出来る依頼は無いか調べたら、魔犬の駆除があったので、また魔族の森方面に向った。

 奥の集落で被害が出ているようで、猫達には気配を消してもらって、その集落に乗り込んだ。大きな魔物じゃなくて、被害もさほど大きくは無かったけど、何処に潜んでいるのか、何時やって来るのか解らずに対処に困っているようだった。

 集落の人達に強力して貰って、魔犬が隠れそうな所を、ペットモードの猫達が調べて回り、集落の中には住処は見当たらないのを確認。森から来ているのか判ったので、通過しそうな場所に罠を仕掛けて広場で焼き肉パーティー。美味しい香りに誘われた魔犬達は作戦通り罠に掛かって、一網打尽!ベルは一匹の首に追跡の首輪を付けて、森に逃した。愛菜のセンサーと、あらたの道案内で、サクッと巣穴を見つけ、残りを始末して、念の為罠を張っておいた。集落に戻ってパーティーの続きを楽しんだ。集落の人達がお酒を差し入れしてくれたのでいっしょに飲んで大宴会。気持ち良くなってそのままテント泊。翌朝、巣穴を調べに行って追加がないのを確認して集落に報告すると、集落で栽培している、野菜や果物をたくさん持たせてくれた。

 支部に報告に行く、駆除した魔犬は小振りな物ばかりで、

「おや?また遠征ですか?あまり良い額は期待しないでくださいね。」

昨日は会えなかった支部長のバラさんが話し掛けてくれた。水晶玉の事と、円さんの宝飾店で枠の加工を頼んでいる待ち時間での魔犬狩りだった事を話して、集落の人達が喜んでくれたしお土産もたくさん貰ったので、金額は全然気にしていないって言うと、

「相変わらずですね。出来上がりはいつでしょう?」

「明日の夕方です!」

「では、明日はコチラなんて如何です?」

前に東国に来た時、国境領主の奥様とお嬢ちゃんを攫って、戦を企てていた一味の残党狩りで、魔族の森にある隠れ家のガサ入れを計画しているそうだ。明日の夕方戻りは微妙だけど、ただ暇を潰すより、どうせなら世の中の役に立つ仕事がいいよね?翌日の仕事をゲットして、近くの宿でお泊りした。


「愛菜、風香、音!お風呂、ウチと一緒な!」 

お風呂は半々で入る事にしてるけど、あらたが仕切るのは初めてかな?元気に引き連れて行ったあらただったけど、帰って来た時はちょっとしょんぼり。交代でお風呂に行って帰って来ても、何時もとは様子が違っていた。

「どうかしたの?」

「うん、大した事あらへんよ、小鬼の担当してる、ウチの兄ちゃん達、覚えてる?」

僕が頷くと、

「兄ちゃん達のタイプがなあ、嘘みたいにピッタリあの3人なんや、本人達は言ってへんけどな。ほんで脈アリかどうか聞いてみてん、、、兄ちゃん達の代理で3回失恋してしもた。」

明日の討伐隊に彼等も参加するって聞いていたので、大好きな兄ちゃん達の為に一肌脱いだんだね?

「聞いておいてゴメンネ、恋愛相談は僕の守備範囲じゃないかもです!」

僕の困り果てた姿に、あらたはちょっと吹き出して、元の明るいあらたに戻っていた。

「ご馳走食べて元気になるで!」

既に元気になったあらたに引っ張られて食堂に向った。


 翌朝、討伐隊は5班に別れて出撃。入り組んだ獣道の5箇所を抑えると逃げ道をシャットアウト出来るそうだ。戦闘要員は既に壊滅状態なので、参謀達が復活の作戦を練っている筈なので、逃げ道さえ封じれば作戦成功って感じみたい。僕等はバラさんのパーティーと一緒に、真正面から攻める。わざと見張りに見つかって、獣道に逃げるよう刺激して、逃げた先で捕まえる算段。慌てて逃げたアジトには、悪巧みの証拠や、まだ残っているかもしれない残党狩りに役立つ情報があるかもしれないので、そこも狙っている。

 現場に着いて、各班の配備が完了すると、バラさんは警備用にセットされている細いロープを踏んだ。アジトの方でカラカラと警報(?)が鳴り、黒い力が満ちたフル装備のヤツが3人こちらに向かって来た。僕等が相手になって、バラさん達はアジトに潜入。参謀達は、既に逃げ出していた。

 黒いヤツ等は愛菜の東雲に魔力を溜めて、白い霧をパワーアップした放水で粗方浄化して、結界で拘束。残りの黒い力を浄化してしまうと、あっさりギブアップ。拘束していると、アジトから爆音と共に黒煙が立ち昇った。罠だったらしい。急いで救出しようと、愛菜は氷弾を細かく砕いて降らし、僕等は火の回りを確認して、救出ルートを探した。少しすると、アジトは燃えて崩れ落ち、中から結界のドームが現れた。皆んなが水や氷で消化すると、バラさん達は無傷で帰還。計画の証拠なんかもバッチリ抑えていた。

「火事場の馬鹿力って、よく言ったもんやな!ウチ、放水魔法撃てるようになったで!」

あらたの才能開花を喜んでいると、逃げ出した幹部を確保した他の班から連絡が入り、情報にあった全員を捉えたのが解った。

 捕まえたヤツ等を馬車に乗せ、乗れなくなったあらたの兄ちゃん達が僕らの馬車で帰った。あらたは、妙なテンションで場を盛り上げようとしているけど、違和感があるのはあらただけなので、思い切り浮いた感じだった。支部で降りて手続きをしていると、あらたと兄ちゃん達の会話が聞こえて来た、

「俺達の好み知ってるから、あの娘達の事で気を使ったんだろ?前回、小鬼コロニーを攻めた時、正直高い理想の更に上の女性を見つけて舞い上がったんだよね。」

 コロニーの出来事を話して、『高嶺の花』過ぎるから、将来見合うだけ成長出来て再会出来たら、その時頑張って見ると、どうも3人であらたを慰めているような雰囲気だった。

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