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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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盗賊団

 魔窟泊から地上に戻って、今回のミッション完了。36階層まであった事を報告して、魔石を換金してお昼を食べて帰路についた。結界札があと2枚しか無いけど、足りるかな?街道に出て数分で怪しい馬車が寄って来た。追抜いて行くとき中を覗くと、やっぱり悪人ヅラの男が数人、後ろにも馬車が付いた。また来る?スタンバイしたけど、2台とも逃げる様にスピードをあげて居なくなった。

「これで2回目ね!『銀の盗賊狩り』浸透したのかしら?」

面倒を回避したと思えばラッキーだけど、誰かが襲われるのを防げなかったって考えると、手放しで喜ぶ訳にも行かないかな?

 順調に馬車を進め、長い峠道を延々と登った。途中少し下った所に馬車が十数台。茶屋がある訳でも、絶景スポットでもないのに不思議に思って通り過ぎようと思ったら、停まっていた馬車が動き出し前後を塞いだ。馬車をちゃんと数えると23台、それぞれ5、6人降りて来たので100人程の盗賊団に囲まれているみたい。魔法の扱えるヤツ等が集って、魔力弾を撃って来た。8人かな?8人分でも愛菜の一発に敵わない威力なので、竜の鱗で強化した馬車はノーダメージで魔力弾を増幅して跳ね返した。術者はダウン、次いでに近くのヤツ等もダウンした。斤やハンマーのガタイのいいヤツ等が群がって来ると、カトリーヌの一声で盗賊団の馬車の馬達が暴れ出し、寄って来るヤツ等を蹴散らし、そのまま峠を登った。猫達をこっそり降ろして、僕らも峠を登った。走って来るヤツ等が適度にバテそうな2キロ程の所で待受る。鎧とかの重装備組は、ほぼ歩いていて、身軽な下っぱが健闘していた。飛び道具で前列から眠らせると、後続は踏み越えてよろめき、魔力弾の餌食になり、数分で、地面が盗賊で埋め尽くされた。足の遅い重装備組は、踵を返して逃げようとしたけど、メガトン猫パンチで、即重体になっていた。馬車を呼び戻して、残党を確かめる。殆どが空っぽで、さっき降りて空なのか、途中で降りたのかは解らないけど、1番立派な馬車にだけ一人乗っていた。如何にもボスって感じで悠々と降りて来た。2メートルはありそうな身体は、筋肉の鎧を纏い、見合った大剣を弄んで、僕らに近付いた。

「随分派手にやってくれたな、本気で殺りたくなったぜ!」

カッコ付けてるうちに、愛菜は雷弾を放った。が、ボスには届かず、大剣に吸収されてしまった。魔力の飛び道具は尽く吸収されて、その度にボスの筋肉は大きく成長した。3倍位になって剣を翳して駆け寄ると、物凄い勢いで振り下ろした。姉貴は子午棒で受け流すと、ボスの剣は地面を割いた、流石の姉貴も腕が痺れたようだ。ボスは街道を斬るように僕らを攻めた。今度は僕が相手になり、剣を避け懐に入り込んで、剣の柄に触れてみた。黒い力を浄化するみたいに、ボスのパワーを吸い取る事が出来ないか試してみたけど、全く反応なし、危うく捕まりそうになった所、姉貴の魔力弾が炸裂、無事すり抜けられたけど、更に筋肉が増大した。僕は細かく動いて、何とか傷を付けるのがやっとで、捕らわれそうになると魔力弾で援護してもらった。繰り返していると、ボスの動きが読めるようになって来た。僕の目か慣れた?いや、ちょっとはアリかもだけど、ボスの動きが緩慢になって来ていた。落ち着いて見ると、筋肉が増え過ぎて、まともに動けなくなっていて、強くなり過ぎたパワーの制御も難しくなったみたい。魔力弾、魔力刃、魔力矢の総攻撃でボスは、筋肉のダルマになっていた。あらたが登鯉を刃渡り3メートル位で振り下ろすと、筋肉ダルマは軽々受け止め、次の瞬間大剣を振り被った。ダルマの速度なので剣が上がっているうちにセーフティゾーンに回避出来る。

「んぐ!」

ボスが変な叫びで手足が縮んで、大剣を放り投げてしまった。痛そうにのたうち回り、愛菜は雷弾でおとなしくさせた。

 ボスの骨は強くなり過ぎた筋力に耐えられず砕けたらしい。大剣を虫メガネで見ると、解らない言葉で名前が付いていて、能力は魔力吸収。

「愛菜、使い物になりそう?」

「そうね、上手く使えば、飛竜みたいな技が出来そうですわ!」

愛菜はボスの大剣を石と石に渡して置くと東雲を真っ黒にして叩き折った。

「お姉様、お試しお願いしてよろしくって?」

姉貴の魔力弾を東雲は吸い込んだ。愛菜はムキムキになったりはせずに、魔力弾を撃つととんでも無い威力で大岩を砕いた。

「このダルマ、どうしようかしら?」

死にそうな盗賊達を、死なない程度にヒールしていた風香は、手足が砕けて縮んでしまったボスをどうしたら良いのか迷っていた。手を握って、魔力を吸い取って見る。黒い力を浄化するつもりで触るっても反応無し、

「明星、試したら?」

音の提案で、風香は刺すでも斬るでも無く、刃の側面を当ててみた。全く反応は無く、今度は二の腕に数ミリ刺すと、ボスは、見る見るうちに萎んでガリガリのおじいさんの様な身体になり、見ていた僕は、お風呂でのんびりリラックスした様な気分になった。他の皆んなも、心地よい気分と魔力が回復したのが感じられたそう。風香は砕けた手足を再生して、なんとか人間の姿になった。

 103人の盗賊を馬車6台に詰め込んで結界札で拘束した。量が多過ぎて2枚必要だったので、手持ちを全部使ってしまった。

「これだけ捕まえたら、北部の盗賊はもう居なくなったじゃろ、まあ、馬車を連ねても通報する住人もおらんから、次が出ても心配要らんじゃろ。」

今でも、結界札に入らなかった11台を引き連れて居るので、襲われる心配も無いかな?次の集落までは、大編成だもんね。

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