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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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北の魔窟群

 さてラストスパート。中小の魔窟が4つ集って『北の魔窟群』と呼ばれている。Fランク向けのカンタンコースからCランク向けのややハードコースまでお好みで選べるので、遠くから遠征に来る人が結構いて、宿や食堂が充実している。安全そうな宿を選んでのんびりした。

 翌日、一応Fランクパーティーなので、初心者コースから攻めて見る。練習にもならない魔窟を3つ、散歩の速度でクリア。お昼を食べてから、最後の魔窟に潜った。さっきの最下層クラスの魔物が浅いところでで出現して、少しは戦闘に足を止めざるを得ない状況になり、闘いながらの歩みだった。10階層辺りからは、ちゃんと対峙して闘わないと危ない魔物が出て来て、他のパーティーには会わなくなって来た。最下層とされる26階層の迷路フロアまですんなりクリアして、更に下はないかプランタンの捜査が始まった。フロアの真ん中で反応し、(どれみ)が極光の柄で突付く。いつものパターンの筈が、反応は無く下層への通路は現れ無い。

「絶対、ココよ!」

プランタンは自信満々なので刃の方で突いて見た。チーズを切る様な抵抗で槍が吸い込まれ、次の瞬間、床が抜けるように地面が崩れ、何階層か解らない分落下していた。ただ不思議にフワリと沈んでいる雰囲気で、着地もそれほどダメージは無かった。一緒にいるのはカトリーヌだけで、他の皆んなは別の階層に落ちたと思われる。カトリーヌは、ぐったり倒れていた。お水を飲ませると気が付いて、

「皆んなは?」

「はぐれちゃったの。多分別の階層だと思うよ。それより、大丈夫なの?何処か痛いの?」

「空を飛ぶ力で、皆んなをフワッとさせたの、1階層なら無傷で降りられると思ったんだけど、たぶん10近く落ちたでしょ?力使い果たしたみたい。」

魔力回復の飴玉をあげて、周囲を確かめる。最下層らしく、お宝は机みたいな所にあり、ネックレスなのかな?金色の鎖だった。虫メガネは『鎖』と判定。偶に虫メガネの能力が心配になるけど、今回もちょっといい加減な判定だよね。

 取り敢えずポーチにしまって上に向かう。昇ったフロアには黒い力が充満していて、お馴染みの3ツ首がいた。早速浄化して、復活したカトリーヌはペットモードで背後に周り、竜に戻ってスタンバイ。僕が正面で気を引いてるうちに、真ん中の首を喰いちぎる作戦で挑んだ。

 配置は順調、音に纏わせて貰っている風魔法で魔力刃を飛ばして両前脚を斬った、首が届くギリギリの所で闘ってカトリーヌの攻撃を待った。音もなく迫ったカトリーヌは、確実に真ん中首を捉えてゲームセット。魔石を拾って浄化、また上の階層に向った。

 今度のフロアは既に戦闘状態。黒猫達が岩人形と闘っていた。攻めあぐねている感じだったけど、黒い力を浄化していくと、岩人形の動きが遅くなり頭部の魔石を助太刀したカトリーヌが奪って勝利した。魔石を処理して階段を昇った。

 次のフロアは牛人がいて、仲間が落ちて来た形跡は無かった。僕らに気づいた牛人が弓の射程に入るのを待って、風香の力がこもった矢、一発で仕留めると水晶玉を落として倒れた。空間と魔石を浄化して上へ進んだ。

 4つ目の階層では愛菜が、大蛇と闘っていた。白い霧で目くらまししているけどかなりの劣勢。急いで黒い力を浄化した。魔力弾が使えるようになると、あっさり撃ち倒していた。

「何処にいってらしたの?上か下か迷ってたんですけど?」

「僕とカトリーヌは最下層に落ちたから、迷わず昇りだったんです!途中、黒猫ちゃん達と合流できたの!愛菜に会えて心強いです!」

魔石を拾って更に上へ。

 スロープを昇りきるとシフォンとショコラが元の大きさより更に大きい犬の魔物と闘っていた。黒猫達とカトリーヌをも参戦しているうちに、黒い力を浄化。薄明るくなくと犬の動きが鈍くなり、ショコラが喉笛を咬み切って終了。シフォンはそのままの姿で愛菜に飛びついて、潰れるかと思ったら直前に人型になり、抱き付いて大泣きしていた。シフォンが落ち着くのを待って上へ向かう。

 戦闘が始まっているので慌てて浄化。浄化が進むと魔力刃が飛んで、犬の魔物の首が落ちた。プランタンが駆け出し、音を連れて帰って来た。

 次のフロアは魔物は退治済みで浄化だけ、そのまま上へ上がった。また退治済みで浄化。更に登ると姉貴とベルとあらたが犬の魔物と闘っていた。浄化していくと、サクっと片付けた。

「ちょっと迷ったけど上を選んだの。2人と合流出来たから当たりと思ってたのよね。あとは風香ね?下に取り残されてるって事は無いわよね?」

「うん、大丈夫です!僕が最下層から来てるので、もっと上にいるはずです!」

急いで、階段を昇った。

 今度のフロアは迷路になっていて、さっき落ちた26階層にそっくりだった。迷路を歩くと手書きの迷路地図があちこちに貼ってあり、地図には星マークと風香のサインがあった。地図を頼りに迷路を進むと、風香がご飯の仕度をして待っていてくれた。皆んな小さな怪我でいっぱいだったので、順番にヒールして、晩ごはんを味わった。

「今から地上だと真夜中ね、ここなら泊まっても安全そうね?」

姉貴が宿泊を提案すると、

「寝室はお隣りよ!」

風香は隣のスペースに案内してくれた。テント2張りに丁度の広さ、フラットな床、小さめの入口。寝室って言うだけの事があった。テントと結界でゆっくり眠りについた。

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