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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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謎の水晶玉

 さて、本格的に攻略に取り組む。

移動ー攻略ー泊

移動ー攻略ー移動ー泊

攻略ー移動ー攻略ー泊

移動ー泊

4日間で4つの魔窟を制覇。どこも最下層迄到達済みでお宝は手に入らなかった。魔石が少しと、途中小鬼を数匹と殆ど実入りはなかった。

「ここなら期待出来るかもです!」

一応最下層が23階層って事になっているけど、マップの説明を読む限りでは、最下層っぽくないんだよね、マップが発行された後に誰かが攻略してるかも知れないけど、ちょっと期待。

 久しぶりに出張所も有る魔窟で、トドの以降の報奨金の手続をして、売店を覗いた。

『水晶玉 銀貨3枚』

「おっちゃん、この水晶玉って何に使うん?」

「ああ、使い道が解らないから安く出してんだ、覗いたら魔窟の最下層の様子が見えるみたいなんだがな。」

「ほな、銀貨1枚でいいやん!」

「いきなりだな、2枚でどうだ?」

「ううん、半値やな!」

あらたは、手にしていた水晶玉を置くと視線を外に向けた。

「ま、まあ半値でいいか、銀1銅5だな?」

「おっちゃん、ありがとう!」

他に目ぼしい物もなく、売店を後にした。

「数揃えたらなんか、ええ事あるかと思てな!」

あらたはそう言って、水晶玉を渡してくれた。覗いて見ると、『魔窟の様子』、『真っ暗』、『真っ赤』に加え『真っ白』とパターンか増えだだけで同じ物に見えた。取り敢えず、黄色いハンカチで包んで仕舞っておいた。


 魔窟に潜り、順調に25階層。マップには23階層が最深部って載っていたけど、明らかに、誰か踏み入れた形跡があった。迷路の様なフロアを一通り回って、降りて来たスロープの所に戻った。

「ここだよ!」

プランタンが指す地面を音が突いて、下層への道が開けた。

 26から28階層は迷路のフロアで、ルーティーン通りに進んだ。29階層はワンフロアに巨大なカニ。黒光りする甲羅は如何にも頑丈そうに見えた。巨大な割に素早く動き、爪の攻撃は岩をも砕いていた。逃げ回りながら飛び道具を撃ち込んで弱点を探した。飛竜に魔力を集めての攻撃なら甲羅を貫く可能性は高いけど、動きの緩慢なトドだったから使えた技なので、今度のカニならば、魔力を集めている最中に殺られそうなので、別の手を探した。

「爪の付け根が、殻の隙間が広い!」

音が叫び、魔力攻撃がそこに集中した。

両方の爪をがダラリとした所で姉貴の子午棒とあらたの登鯉が炸裂、2つの爪が地面に落ちた。

 動きが鈍くなり、落した爪の付け根に丸太の様になった子午棒が突き刺さり、カニは動かなくなった。愛菜センサーから魔物の反応が無くなり、死骸の処理を始めた。虫メガネで見ると頭?目が付いている辺りに1つ両方の爪に1つずつ『水晶玉』が見つかり、殻をこじ開けて3つの水晶玉を手に入れた。何処で手に入れた物か解る様に、今回の3つは愛菜、風香、音に持っていてもらった。

 カニは駆除対象では無いので焼却処分にする。結界で囲んで炎魔法で焼き尽くした。殻だけになったので潰して穴を掘って埋めてミッションクリア。空間全体が焼ガニのいい香りで充満していた。思い切りおなかが空いたので、ランチタイム。仕度の間にプランタンと音に下層への通路を探して貰った。

「階段見つかったよ!」

2人からの報告で、食後の予定が決まった。

 保存食で、胃袋を満たし、階段を降りた。見覚えのある様子で見覚えのある水晶玉を発見した。

「折角値切ったのに、なんか損した気分や!」

ん?様子が違う?『魔窟の様子』、『真っ暗』が見えなくなり、赤、白、黄、紺、ピンク、花柄?見える景色が結構変わっていた。

「そのお花、わたしのハンカチかも?」

風香がハンカチに包んだ水晶玉を取り出すと、花柄の代わりに風花が映るようになった。紺の映像が音に代わり、ピンクが愛菜になった。僕が持っていた3つを配ると、皆んなの顔が順に映るようになった。改めて虫メガネで覗くと、『通信用水晶』と感じられた。虫メガネも情報取り込んだりしてるのかな?

 一応、更に下は無いか、他にお宝は無いかを確認して、降りて来た道を引き返す。カニのいた階層は美味しい香りがまだ残っていて、新規の魔物はいなかった。そこから上の階層は、降りて来た時と同じ魔物で強さも数も変わり無く、スイスイ地上に戻れた。

 姉貴に最下層の報告を頼んで、あらたと売店で魔石の換金をした。虫メガネでは、金貨5枚、銀貨8枚って出ていた。

「金貨6でどうだ?」

「ううん、うう、さっき負けてくれたからから6でええよ!その代わりな、さっきの水晶玉、仕舞っておいた所、みせてくれへん?」

売店のおじさんは、魔石を片付けて、もう一人のおじさんに店番を変わって倉庫を案内してくれた。

「半年位前に買い取った物で、あの棚の1番上に置いてあったんだ、今朝、店の棚が寂しかったら、見栄えの良いものと思って出したんだ。」

あらたは勝手に梯子を持って来て、水晶玉が置いてあった位置に視線を合わせた。おじさんは、状況が把握できずただ見守っていたけど、梯子の上のあらたのスカートが目に入ると、慌てて視線を僕に持って来た。

「コレや!こっから天井見たら、魔窟みたいやで!」

謎はクリア出来た。最初の水晶玉を見た時は、魔物の中にある水晶玉の映像が『真っ暗』で、最下層とここにあった物の映像が『魔窟の様子』だっみたい。2つ目を見た時の『真っ赤』は1つ目を赤い袋に入れていたせいらしい。使いこなせればかなり便利な魔具だよね!倉庫から出て、もう一度虫メガネで覗くと、取説っぽい情報が流れてきた。

 ずっとハードに攻略していたので、今日は少しのんびり、ここの宿にお泊り。久しぶりにお風呂に入れる!風香が結界で覗き対策をして交代でお風呂。さっぱりしてからご飯。出張所のお姉さんがオススメを予約してくれたので全員一緒に食べられるそうだ。

 この地方で有名な、羊の焼き肉を頂いて、泡麦酒で乾杯した。

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