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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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新築

 西の魔窟をガッと登り、トンネルのある9階層へ対戦済みの魔物ばかりで戦法は把握しているしレベルアップと増員、更にはノワールのヒゲでパワーアップした黄昏のお陰で、サクサク進んだ。トンネルを通って北の魔窟へ。こちらも同じ様にサクサク地上に出た。魔石やアイテムは持ち帰るので、出張所では馬車の引取だけ。自分達の馬車をカトリーヌが引いて町に帰った。支部に寄って挨拶すると、新人魔術師の集団をおっちゃんが指導していた。僕等を見つけると、

「おう、帰ったか!ちょっとな、面倒な事になっちまってな、明日ゆっくり昼飯でも食おうぜ!」

取り敢えず無事は伝わったから、きょうのミッションはクリアかな?バタバタとアパートに帰った。

 夕方なので、職人さん達は帰っちゃったのかな?半月でピークは過ぎるって言ってたけど、馬車は1台しか停まっていなかった。しかも煉瓦造りの5階建てのアパートが聳えていた。足場も外れていて、1階から4階まではチラホラ灯りが点いていた。

 1階は男女別の大浴場、食堂、管理人室それと多分道場?ができていた。2階から上は2LDKにバストイレ付きが8室ずつ4フロアで32室。

 古い時のアパートみたいな狭い所に皆んなで住もうと思っていたけれど、ばあちゃんのススメでそれぞれの部屋に住む事にしている、

「一人になれる時間も必要だよ、それからね、彼氏が来るようになった時困らないでしょ?」

アドバイスを受入れて5階の7室に住んで、もう一室をミーティングルームとして共同スペースにキープしている。

 古い方のアパートの灯りは1つも点いていない。皆んな新しいアパートに引越たみたい。工事は魔法も使えるので3ヶ月程で出来るって言うか3ヶ月掛かるって聞いていたんだけどな。

 管理人室に行くとじいちゃんとばあちゃんがいて、工事の事を教えてくれた。どうやら、僕等が持って来ていた建築に役立ちそうなアイテムが、とても便利なモノだったらしく、工事全体の半分を占める基礎工事が半日で済んだそうだ。他も有効なアイテムで順調に進んでいて、あと残っているのは、役場に提出する書類なんか処理だけで、その説明する人が来ているだけだったので、馬車が1台だけだったみたい。

「丁度良かった、あとはチーちゃんがサインするだけだよ!」

いつの間にか僕が大家さんになっていた。

 少ない荷物を運び込む。大物は二段ベッド位なので各自、ポーチに入れて運ぶだけなのでサッサと引越を済ませる。今夜は寝袋でいいかな?

 新居に入ると、リビングにはテーブルと椅子、1つの部屋にはベッド、クローゼット、机、もう一つにクローゼットが設置済み。

「ここで使わなかったアイテムのお礼だって言ってたよ!」

一緒に来ていたばあちゃんが教えてくれた。

「片付いたら、下のお風呂に入るといいよ、その間に晩ごはん拵えておくね。」

ばあちゃんはニコニコして先に降りて行った。

 一休みして皆んなもを誘ってお風呂に行った。定員10人ほどの大きさで、カトリーヌ達が人型になってもムリヤリなら入れる位。

「あれ?この匂い?温泉?」

のんびりお湯に浸かって、充分に癒やされて食堂に移動。

「ご飯は炊いて無かったから、お蕎麦にしたよ、引越し蕎麦ね。」

お蕎麦を食べながら、ばあちゃんから建物の説明を聞いた。

 温泉は、アイテムで掘り当てたそうだ、この地域はなる程度掘れば、結構な確率で温泉が湧くんだけど、莫大な費用が掛かるので、誰も掘ろうとしないんだよね、サクっと掘れるアイテムと、割と条件のいい土地だったみたい。

 敷地で第一段階、建物で第二段階、5階で第三段階のセキュリティーが掛かる様になっていて、結界の張り方の説明をしていた。魔石に魔力を蓄えて置けば、普段は特に何もせずに安全確保できるそうだ。ばあちゃんがこれ程魔法に詳しいのは知らなかったので、ちょっとビックリ。

 食後はミーティングルームでちょっとお酒。リビングの所に大きなテーブルと黒板で会議室風になっていて、奥の部屋は1つに繋がっていて、1段高くなって、掘り炬燵になっていた。炬燵を片付けて床を塞いだら、12畳の畳敷きになるので、客間としても使える設計らしい。男の人が泊まる時にいいかも知れないね。猫達がペットモードで座布団で丸くなると、

「私も!」

と、カトリーヌも白猫になって、座布団を堪能していた。

 北国の魔窟の地図を眺めて作戦会議。北国は面積が広いのと、魔窟が分散しているから、一気に攻めるのは大変なので、1週間からから10日程度の遠征を3回で制覇するのが効率良さそうなので、一休みして、遠い順に攻める事にした。

 取り敢えず、1週間は武器の手入れやテントとかのチェック、魔石やアイテムを換金したりしてのんびりして、新築の生活を楽しんでから遠征する計画。魔窟の情報とかも調べて行った方がいいし、途中の美味しいモノとか、お土産とかも要チェックだもんね。

 当初は、南国に封印された魔王を消滅させるのは、冬位を見込んでいたけれど、秋のうちに行けそうなので、おっちゃんに相談してみよう。あと姉貴がナイショって言ってた魔王の城に踏み込めたあとの2人も気になって居るんだよね。一緒に聞いて見ようかな?


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