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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
64/142

6人目

 ベルの測定が終わってパーティーへの加入の手続き、

「では、こちらへ。」

受付のお姉さんは、僕らを魔力測定に案内した。そう言えば、メンバーが変わったり増減があったら、全員の測定が必要なんだよね!姉貴が加入した時は、おっちゃんが適当に済ませたから忘れていた。ベルも含め僕以外は、メーターを振り切ってのAランク。故障じゃないかと、測定器を変えたり、支部の人が、測ったりして5人終了。僕の番になると、今度は針がピクリともしないので、またまた測定器が疑われ、さっきと同じ確認をして、Fが確定した。パーティーランクもF+++のまま。知ってはいたけど、ちょっと悲しいな。


 宿に戻ると、姉貴は剣の手入れを再開、

「いいモノでしょ?」

虫メガネで見ると『飛龍(ひりゅう)』と名付けられていた。周りの()を纏めて武器にするらしいけど、どんなことなのかサッパリ。姉貴は理解しているみたいで、

「アタシ達のパーティーにピッタリよ!」

実際に使うベルも解ったみたいだから、実戦で見られるからそれまで待ちましょうね。

「結構なお値段ですわね?」

愛菜が尋ねると、

「半値に値切ってね、ヒ・ト・ハ・コ!」

えっ!?金貨千枚!虫メガネでは解析不能なので、相当な価値なのは間違いないんだけど、桁違い?3桁違いは流石にビックリだね。金貨数枚で取り敢えず買えるからね!

「あと、ベルのお洋服、ひかりにサイズ送って頼んであるから!あと、魔力同盟もやり直しね!」

血判の儀式を済ませ、準備万端だ。


「ベルは、(うま)年のままね!」

姉貴は何故か嬉しそう。

74歳だった博士が14歳のベルになると、60歳差なので変わりなし。

「アタシ、(うさぎ)年気に入っていたのよ、十二支で1番かわいいでしょ?この前の設定だと(ひつじ)年だったのよね!」

「そんな事言うと、僕らの(へび)年は1番かわいくないかもです!」

「私は午年ですの!」

早生れの愛菜は、可愛くないチームから脱出してご満悦。何となく悔しく思っちゃった。その後も他愛のない話しでワイワイ過ごし、お風呂に入って、ごはんを食べて、早寝した。


 翌日、またまた早起きして2つ目のコロニーに向かう。宿の前で待っていると、お兄さん達が馬車で登場。前回の後半のローテンションをキープしていた。   

 今度のコロニーは馬車の移動だけで夕方まで掛かるので、今日は馬車で行ける所まで行く。途中、晩ごはんになる獲物があればラッキーなんだけどな。

 お弁当を広げていると、

「大きいのが2つ、高速で寄って来てましてよ!猪ですわ、あの走り方は。」

お宝の砥石で仕上げた日光・月光の切れ味を試すチャンスだと思って、

「姉貴、風香、結界をお願いね!」

愛菜の指す方向から地響きが伝わってきた、2頭目どうしようかな?間に合えば2頭仕留めるし、1頭のがしても、折り返して遅ってくるはずだから焦らなくてもいいか。

「もう1頭は儂が貰おうか!」

ベルも打って出た。

 直線で迫る猪を直前で躱し、片方の前足を斬り落とすとバランスを崩し、大きく転がって、結界のそばまで飛んで行った。トドメを指しに戻ろうと思ったら、音が大きく○サイン。そっちは任せて、ベルの加勢と思ったけど、すでに片付いていた。

「先ずは、普通に剣として試してみた、信じられん切れ味じゃ!」

ショコラが元のサイズになって獲物を運んで来ると、

「1頭は、皆んなで食べて!」

姉貴の号令で、猫達は猛獣サイズになって巨大な猪の魔物は骨と毛皮になっていた。人型のままのカトリーヌと目が合うと、

「わたし、焼き肉のほうが好き!」

ニッコリ笑って、解体のお手伝いを頑張ってくれた。

 ブロック肉にして今晩の分以外を魔法で冷凍、食料庫代わりのトランクに押し込む。これにもチクワが仕込んであるのでスッキリ収納。

「お野菜は充分ですけど、キノコがあったら嬉しいです!」

僕はお昼ごはん食べたばかりなのに、晩ごはんの妄想で幸せに浸っていた。

「それなら地形的に、もう少し行った北斜面が良かろう!」

ベルの薀蓄を聞きながら、オススメポイントに向かい、少し山に入ったと思ったら、ドヤ顔のベルがアチコチ指差した。あっという間に大収穫!馬車に戻ると、午後、更におとなしくなったお兄さん達が、益々おとなしい。何か困った事でもあるのかな?おっちゃん達が勢いで計画進めちゃったとか、遠征したくないとか、聞いて見ようかな?

 コロニー最短ポイントからは数キロ手前だけど、テントを張ったり馬車を隠しておくのにちょうどいい所が見つかったのでそこで焼き肉の準備。姉貴は日之出国から持ち込んだ醤油ベースのタレを紹介、お兄さん達は少し元気になった。

 食後、話をして見ると、僕らが強過ぎて自信喪失と、女の子にカッコいい所を見せて、あわよくばお付き合いとかって、あさましい考えをしていた事に自己嫌悪していたそうだ。僕らが、あんまりにもいつもの通りで、お兄さん達は協会の立会人位に思っていたからね、逆に危ない目に合わせないように気を付けていた位だったもんね。今回はお兄さん達が主導で攻める事にした。

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