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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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岬の南端

 別行動の班と合流する前に、盗賊の処理と浄化した魔石を売りに来ている。盗賊の方は、さっさと片付いたけど、不幸な女の子を魔族に変えていた特大の魔石は高額過ぎてお持ち帰り。その他は虫メガネよりも少し安かった。それでも結構な額なので気にしないけどね。

 南端の町は3方を海に囲まれた港町で、当然の事だけど、海の幸が美味しいそうだ。岬の人は、日之出国嫌いで有名なんだけど、ここの港からが最短距離なので、貿易は活発に行なわれているそうだ。大陸と日之出国の中継地点でもあって、いろんな人達が出入りするとの事。いろんな人が居るなら、いろんな美味しいモノが期待出来そう!

 支部で待っていると、小鬼の研究をしているおじいちゃん博士が色んな事を教えてくれた。『〜のはず』とか『〜だと思う』とかのオンパレードだったけど、辻褄が合う説明だったので、何となく信用しても良さそうに思えた。

 

 博士の話しを纏めると、

1.人間と魔族のハーフである。

2.人間の女性と魔族の男からは、オスしか産まれない。胎児は母体を喰い殺して産まれてくる。

3.魔族の女と人間の男性からは、オスが多いけど、メスも産まれる。

ハーフの場合、母体が魔族の血が濃ければ濃いほど、メスの確率が高い。逆に薄い場合、胎児が母体を喰い殺して産まれてくる可能性が高い。

4.魔族の血が3割程度の小鬼に角無しが産まれる事があり、角無し同志の子は角無しの確率が高く、容姿はより人間に近くなる。

5.博士の推測がかなり論調に影響している。


 一応その説を信じると、今回の成果はとてつもなくデカイよね?元々人間だったあの子って、魔族になっていたの?魔族の様になっていたの?前者の場合だと魔族になったあの娘がメスの小鬼を産んで、あの小鬼工場が出来たのかも知れないな。一件落着?ただ魔石で魔族の女が出来上がるなら、こんな工場って他にも有りそうだよね?

 

 黒い力を専門にしている班が合流、魔窟にいた3人の他、お兄さんが3人。博士の話しを聞いて貰うと、彼等の調査(推測がてんこ盛りだけど)と合致していたそうだ。但し、他には見つかっていないのでらしい。僕らが以前潰した小鬼の女王みたいなケースは、数件把握していて、討伐の計画は進んでいるそうだ。

僕らにも参加を依頼して来た。二つ返事で参加を決め、早速計画を確かめた。

 新規参加のお兄さん達は、小鬼のコロニーの研究が専門らしく、岬に多いコロニーを解説してくれた。

「地域って言うか、大体の場所は解ってるんだけど、人里や、街道から馬車が使えない山道があったり、川を渡ったり、近付く為だけで疲弊しちゃいそうな場所なんです。」

地図で見せて貰うと、確かに大変そうだ。この縞々って等高線って言うんだよね?幅が狭いのが急な坂だったのね?狭すぎて真っ黒な所は崖なのかな?あと、空白に大きい『?』は、見ての通りだとすると、あまり有効な地図じゃ無いみたい。しかも説明しているお兄さんは、地図よりも愛菜が気になって仕方がない様子で、他の人をアテにしようと思ったら、それぞれお気に入りをうっとり見つめていた。諦めて、おっちゃん達と話すと、

「小鬼の専門だと、女っけ無いからな、ちょっと大目に見てやってくれよ。」

苦笑いでナベさんが、地図の話に乗って来た。

 群れを潰された小鬼の残党が、小鬼担当をつけて、家族へ復讐した事件があってから、小鬼担当は、独身男性が寮で暮らして務めているそうだ。それだけが理由って感じじゃないけど、まあ危ない人達じゃ無さそうなので、放って置いた。


 晩ごはんの時間になり、宿の近くのお店に出かけた。岬料理だけど、外からのお客さん向けにアレンジした辛さ控えめの料理がウリとの事。前は控えめって言ってもかなりの辛さだったので、あんまり期待はしていない。正直、保存食でもいいんだけど小鬼担当のお兄さん達がノリノリで、断るのが気の毒なので皆んなで参加した。

 料理は海鮮メインで、辛いものあるけど、多国籍料理?無国籍料理?ジャンルに拘らないシェフみたい。嬉しい誤算でご馳走を満喫、お酒も他の大陸のものとか色々楽しめた。

 風香、音、愛菜は熱い視線を浴びているのを気付いていないようで、全くいつものと変わらない。音は盗賊に襲われて腕を切られていたお兄さんの熱視線もスルーしていたし、風香を追っていた魔窟のガイドのお兄さんの視線は可哀想にも思えたっけ。今夜も変わらないのかな?

 食後、何事も無かったように宿に帰った。お風呂に入って、お部屋で二次会。姉貴がお説教を始めた。

「ちー、魔窟で助けた若い2人、あなたにお熱なの気付いて無いでしょ?」

「えっ?それは気のせいですよ!」

姉貴は派手にガッカリのポーズ。

「皆んなだって、後から来た3人に好かれてたの気付いて無かったでしょ?」

「私、気付いてましてよ、処置が面倒なので、無視していましたの。」

「自分もです。」

「わたしもよ!」

結果、鈍感なのは僕だけ?大体、こんな美少女だらけなのに、僕を選ぶ訳無いじゃん!姉貴が勘違いしてるんじゃない?反論したら風香は、

「ポーカーフェイス上手なのかと思ったのに、ホントに気付いて無かったの?」

「自分もそう思います!」

「はあああ。」

愛菜は肺活量を測ってるのかと思う位の溜め息をついた。4対1って事は、僕が間違ってたの?

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