表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
5/142

武道家・音(どれみ)

 4人目のスカウトの日。風香は、真っ直ぐ支部に行って、僕は、愛菜を迎えにいってから合流する予定。

 支部に付くと、風香が既にターゲットを見つけていた。背の高い風香よりもう少し高い、スラッとした美少女、これだけの美少女が揃うとナンパも気が引けるのか、遠巻きに様子見しているようだった。

「おはよう!(どれみ)ちゃん見つけたよ!」

「リーダーの慈子ちゃんと、愛菜ちゃん!で、こっちが音ちゃんね!パーティーの事はオッケーだって!」

いつの間にリーダーになったんだ?

昨日、結界の練習の次いでに性格まで矯正されたのか、1日で急に積極的になった風香は、サクサクと話しを進めてくれていた。

僕等の世代の少しあとに流行ったキラキラネーム、無理矢理な当て字で、可愛らしい名前を付ける。ホントにカワイイと思って褒めたんだけど、イジメのネタになったり、本人にとってはコンプレックスらしい。

「ぉぁぉぅぉぁぃぁぅ、ぃぅンぇょぁっぁぉ?」

「『おはようございます、自分でよかったの?』って言ってるよ。」

音は照れ屋さん?ゴモゴモと喋って、風香が読唇術で通訳しながら、いつもの支部に戻り、おっちゃんに音を紹介した。道中、インタビュー済みで、おっちゃんが聞きそうな事は用意しておいたので、早々に練習に取り掛かる。防具を着けて普通の竹刀で僕と一本勝負。ほぼ互角だった。最近は、Aランクの大人でも圧勝しているので、彼女の太刀にはおっちゃんも驚いていた。その後、竹刀に魔法を纏わせて丸太を斬ったり、およそFランクとは思えない技を披露した。ロビーに戻ってお茶をしてると、

「こんなに凄いのに、ホントにFランク?」

「・・・・・・・・・」

「『測定の時は緊張して何も出来ませんでした』って!」

「お前さんは、皆んなを護る、皆んなはお前さんを護る。仲間がいるんだ、緊張しなくても大丈夫。気休めにコレやっとこうか?」

おっちゃんは小さな折り紙みたいな紙をテーブルに置いて、

「左手出して!」

おっちゃんと同じように、手の甲が見えるようにグーを出すと、おっちゃんはナイフで手の甲を切った。

「右の親指で、血判を捺すんだよ、おっとそのまま!うん、離していいよ。癒やし魔法、出来たよね?」

風香に目配せして、傷を治させた。

「昼までもうちょい頑張るか!」


 広場に戻ると、おっちゃんは試し斬りの丸太を運んできて、

「巻き毛の嬢ちゃん、コレ結界で護ってくれるかい?」

風香が結界を張ると、おっちゃんは、丸太に向かってナイフを投げた。ナイフは結界に阻まれ、ポトリと落ちた。ナイフを拾っておっちゃんに返そうとしたら、

「長髪の嬢ちゃん、投げて見て!」

音が投げたナイフは、結界をすり抜け、丸太に突き刺さった。さっきの血判で魔術同盟が結ばれ、連携攻撃になったそうだ。僕は閃いて、丸太の上に水の瓶を置いた。

「風香はもう一度結界をお願いね、愛菜はコレ凍らせてみて!」

愛菜の魔法は、瓶を砕く事なく、中身を凍らせて、氷の膨張で瓶を割った。

「おっちゃん!コレでしょ?」

おっちゃんは頷いて、

「早飯して、午後頑張るか!」

またロビーに行ってランチにした。食べながら、作戦を話して、おっちゃんの反応を確かめた。ニコニコしているので、間違っていないようだ。さっさと食べて午前のうちに、現場に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ