高飛車・愛菜
翌日、隣の支部に行くとロビーで詰まらなそうにタロットを捲っている美少女が居た。能力の割に高飛車でなかなか使って貰えずに暇を持て余している愛菜だった。僕は、お目当ての少女だと直感し彼女に声を掛けた。
「こんにちは!今日の僕、生涯の友に巡り会う運命だと思うんだけど、占って貰ってもいいかな?」
「おかしな、リクエストね。ふつうなら『友情運』を占ってとか聞くんじゃないかしら・・・えっ?あっ!そ、その通りですわ!」
少女は驚いて、カードと僕を交互に睨んだ。
「愛菜ちゃんだよね?僕、隣の支部で下請けやってる慈子って言います!パーティーメンバー探しに来たんだ!」
「チカコさん?もしかして、GランクのG子さんかしら?」
ニッコリ頷くと、
「あなたと組むメリットが、私に有って?」
タロットを纏めて席を立とうとした。
「えっ!君がG子ちゃん?丁度下請けを探してたんだ、雑魚ばかりだけど数が多い駆除なんで、お願いできるかな?お友達もどう?」
愛菜とふたり、下請けとして参加した。
仕事は猪の魔物の駆除で、畑の食害や興奮しての突進事故の防止の為、害獣扱いになっている。今回はウリ坊が10頭ほど人里近くに迷い込んだらしい。攻撃は真っ直ぐの突進だけなので、ちょっと躱して首を狙えば割とカンタンに倒せる、成獣になると毛皮が剛くなり、ちょっとやそっとでは倒せなくなるので、今のうちに倒さなければならない。
現場に到着すると、お兄さん達は、魔力を纏わせた矢を物量作戦で射込んだ。
11頭のうち4頭仕留めたが、残りの7頭が突進して来た。僕は先頭で迎え撃ち、2頭倒した。折返しの突進で更に2頭倒して、弓部隊も3頭仕留め駆除完了。報奨金と食肉としての売り上げがパーティーの収入になる。金貨2、3枚かな?獲物を馬車に積み込んでいると、地響きを感じ、どんどん強くなって来た。
「ウリ坊達のママね!」
一太刀ではどうにもならない強者なので岩や大木に突進するよう誘導した。4回目の折返しで岩への誘導が成功し失神した、愛菜の人差し指が光り、その光の弾が母猪にトドメを刺した。1頭で金貨10枚ってとこかな?母猪は馬車に積めず、運搬業者に頼んだが、それを差し引いても金貨12枚になった。
「母猪は君達だけで倒したようなものだから、ホントはもっと払いたいんだけど、俺達まだ借金あってね、これで勘弁ね!」
金貨を1枚ずつ貰った。滅多に無い高額で驚いていたが、愛菜は普段、いい仕事が回って来ずに、銀貨を貰う事すら珍しかったので、その驚き様は、初対面だったけど特別なものとハッキリ解った。
「しょうが無いわね、あなたがそんなに言うから、パーティーの件、考えてあげてもよろしくってよ。」
早速、明日別の支部へスカウトに行く約束をして家路についた。