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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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お久しぶり

「えっ?アパート増えてます!」

「ああ、ソレね!」

あんまりにも好評で、男子棟も建てて2棟並んでいた。かなりの蓄えがあったし僕が寝ている間にもガンガン稼いでいたたらしい。

 西国と東国でも建設予定なんだって。協会の手配なのかな?伸びしろのある若手を囲い込むつもりかな?

「ここも、そうだけど、西も東もチーがオーナーよ!」

姉貴は切り分けたケーキを『はい、チーの分!』って勢いで僕のアパートって言うんだけど、なんかピンと来ないな。家賃収入も結構な額になりそうでビックリ。

 弥生さんに連絡していたので、今晩は僕にとっての『おふくろの味』とあちこちのお土産で生還パーティーの予定。既にいい匂いがしていた。部屋より先に食堂に行くと、弥生さんが、

「今日は、かわいいゲストが来てくれてるよ!」

お手伝いをしていたのは3年生になった理沙ちゃんだった。小学校の寮で暮らして勉強しているそうだ。急いで荷解きして食堂に集合した。師匠が居ないのはどうしてかな?何となく、僕にだけ秘密って言う感じだった。

 乾杯の直前に入って来た師匠は小さい女の子を抱いていた。茜をよりもちっちゃいな。

(あさひ)、姪っ子に抱っこしてもらうか?」

師匠は、僕に女の子を抱かせてくれた。ニコニコ笑うかわいい子だった。

「イニシャルAはアカンて、言ったんやけどな!」

あらたは愛果と愛葉を目でチェックし直していつもの様に、自分の平坦な胸を叩いた。

 茜は、いつも大人とばかり接触しているので、小さい子にどう反応するのか心配だったけど?仲良く出来そうな雰囲気だった。僕にが眠っていた間、病院で他の子と遊んだりしていたらしく、皆んなは心配していなかったみたい。理沙お姉ちゃんが面倒を見てくれるので、安心して乾杯した。旭がグズり出したので、お開きにして部屋に帰った。

 

 翌日、支部に行くと、3年前の新人とかのF近辺のパーティーは、C以上にランクアップしていた。建物も小綺麗になって、霧の様な煙草の煙は消えて、クリアな視界が保たれていた。バーカウンターは、喫茶コーナーになって、芳ばしい香りを提供してくれている。数少なくなった昔ながらのオッサン達は、居心地悪そうに外でたむろしていた。いつ風呂に入ったのか解らないような臭いなので、外を選んでくれたのは有り難いね。

 僕等の噂で東西から流入した若手で、北は人財がダブつき気味、東西はかなりの不足だし、地元に戻りたい人もいるんだけど、住む所を考えると、北を離れらないって言うのが現実だったそうだ。それで協会が東西にアパートを手配する事になったんだけど、資金がないので、僕がオーナーって事になったらしい。管理とかは協会で見てくれるそうなので、面倒な事も無いから、お任せしておきましょうね。

 事務所を覗いたけど、おっちゃんの奥さんがいなかった。お休みかと思ったら、お仕事は辞めて、専業主婦になったそうだ。それでおっちゃんは家に遊びに来いって言うのかな?ナベさん、バラさんが到着予定なので、一緒に押し掛ける事になっている。おっちゃんの事務処理を手伝って夕方を迎えた。

 ナベさんバラさんは予定通りに着いて、おっちゃんの家に向かった。迎えてくれた奥さんは、赤ちゃんを抱いていた。

「あら、やっと童貞卒業出来たのね!」

姉貴流のジョークだと思って笑おうとしたら、おっちゃんの様子を見るとマジな話だったみたい。リアクションが思い付かないので、無視して赤ちゃんに走った。

「ミキちゃん、メッちゃ強気やな!Hは欲張り過ぎちゃう?コレ以上やで!」

あらたは、風香の背中から両手で膨らみを持ち上げて、

「Fでこんだけや!」

そうだった、『ミキちゃん』って呼ぶんだった。ミキちゃんはあらたの話題を理解出来ずに『?』を浮かべていた。

あらたが、イニシャルとカップの関係を説明すると、

日向(ひなた)凄いわね!Hカップなんて見たことのないわ、将来楽しみね!」

ミキちゃんは、ニッコリ笑って日向ちゃんの膨らみを確かめた。勿論ぺったんこなのは判っているんだけどね。

 茜は、旭よりちっちゃくて、意思疎通の出来ない赤ちゃんとどう向き合うのか気になったけど、優しく見つめて、自分の指を握らせて、小ささを確かめているみたいだった。日向は人見知りせずに皆んなに抱かれていたけど、ナベさんの時にはギャン泣き、バラさんはどうかと思ったけど、

「男性は駄目なのかも知れませんね。」

トライしなかった。更に泣かせることも無いし、バラさんで泣き止んだら、ナベさんがイジケるかもって思ったのかもしれないね。

 おっちゃんが張り切って焼いてくれるバーベキューを楽しんで、ナベさんの手土産の麦酒で乾杯。茜が元気なうちにお暇した。ナベさんバラさんに一日休んで貰って、明後日北へ向かう事にした。

 アパートに帰ると、湯上がりの師匠が

散歩?

「男子棟の風呂入って来たんだ、コッチに入る訳にいかんからのう。」

女子棟は、元々女子だけの予定じゃ無かったので、お風呂って前は男女別になってたんだけど、帰って来たら繋げて大浴場になってたんだよね。師匠のお風呂も確保出来たのも計算尽くなのかな?

 食堂に行くと、(馬車屋のおじさんが言う)僕等の弟子達が集まっていて、3年分の武勇伝?成長の報告をしてくれた。気が済むまでお喋りすると、次のパーティーが待っていた。何組かとお喋りして、茜がアクビを連発したので、そろそろ切り上げようと思ったけど、カトリーヌが茜を連れて行ってくれたので、お喋りの延長戦を楽しんだ。

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