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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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復活阻止

 おっちゃんは、3国からの魔族の森攻略の話をしてくれた。かなりの成果ど思うけど、魔王復活とか心配無いのかな?一応、南国の本部からした、通信機での報告がキチンと伝わっているか不安だったので、南の島の件をダイジェストで報告。普段はしないような大きなリアクションで、嬉しそうに聞くおっちゃんに、

「そんなにお手柄ですか!?」

って聞いてみた。

「魔王の復活にはな、封印していた魂の他に、新しい身体とな、漆黒刀、漆黒盾、漆黒晶の3つの宝物、儀式を執り行う四天王と十二鬼将が必要なんだ。新しい身体のパーツはほとんどぶっ潰したし、魂の入っていない四天王と十二鬼将もぶっ潰したんだ。まだ見つかってないのは、新しい左腕と漆黒盾、漆黒晶だけ。俺達が潰した身体に、チー達が倒した魂が入って、四天王と十二鬼将になる筈だったんだろうな、左腕と盾の組み合わせが気になるが、残り全部が雫の手に落ちても、チー達ならへっちゃらだろう!」

えっ、僕らが倒す前提なの?まあ、乗りかけた船っていうか、今更外されたらショックだから、それでオーケーなんだけどね。

「あら、慎重派のラッシーがそこまで言うなら一安心ね!じゃあ、今夜は奢らせてあげるわよ!」

姉貴は昼我慢した葡萄酒のリベンジのつもりかな?

「おう、そりゃあ良かった話が早い!晩飯の予定決めて無いんだよな?実はな、うちのカミさんが、連れて来いってうるさいんだ!じゃあ行くか!」

おっちゃんの奥さん、支部の美人さんで優しい人なので、元々大好きなんだけど、実は西国のお姫様。今の女王の妹君様なので、ちょっと、イヤ、メチャ緊張しちゃう。おっちゃんは、気にするなと言うけど、なかなかそうも行かないよね。

 ゾロゾロとおっちゃんの後を歩いて、倉庫のような建物に入った。倉庫全体が強力な結界と連動していて、その中に普通の一軒家が建っていて、塀が廻っていて更に結界、建物自体にも結界が施されていた。

 倉庫のほとんどは畑になっていて、いろんな野菜ら果物が植えてあった。塀の中にはバーベキューとかが出来るようなスペースがあって、今晩の準備かな?炭がいい感じに燃えていた。

 結界を2つ通過して、玄関に近付くと、おっちゃんの奥様、元の西国のお姫様が飛び出して来て、姉貴に抱きついた。姉貴はいつだったかな?僕が悲しくてどうしようも無くて、ただただ泣いた時みたいに、姫様をハグして髪を撫でていた。

 魔族に襲われ、親友のような、家族のような、おっちゃんの妹騎士達を目の前で残虐に殺され、心を病んだ姫様の自殺を姉貴が未遂に留めたそうだ。王家も死なれるくらいなら、城を出てもいいと考えて、おっちゃんのお嫁さんになったとの事。

 前は、おっちゃんに不釣り合いな上品な奥様って感じで見てたけど、元はお姫様。正体を知っちゃうって実際に会うとやっぱり緊張しちゃうよね?おっちゃんにそんな話しをしたら、奥様は、

「父上は、『鎧の貴公子』を姉の婿にして王位を継がせたいと言っていましたから、チーちゃんは、私の姪みたいなものよ、緊張なんてしないでね!」

なんか微妙に間違っている気がするけど、僕らの緊張をほぐす、ジョークなのかもしれないな。

「なあ、おっちゃん!おっちゃんは奥さんのことなんて呼ばはるん?」

あらたのツッコミにおっちゃんはゴモゴモになって、回答不能。

美姫(みき)ちゃんって呼ばれてます。」

奥さんは真っ赤になって答えてくれた。

「ほな、ウチらも『ミキちゃん』でええかぁ?」

「はい、是非そうして下さい!」

ポカンとしている姉貴にミキちゃんは、

「これからもよろしくね、エリカちゃん!」

姉貴は、そう呼ばれて無かったらしく、驚いていた。


 ミキちゃんの手料理を頂きながら、魔族の森の攻略状況の詳細をおっちゃんに説明して貰った。手付かずの所は南国に接する付近でそこも三方から攻めている最中との事。

「じゃあ、僕らは魔窟トンネルで南に戻って、四方から潰すのって効率的かもです!あと、南国の本部の人達はアテにしない方がいいかもです。」

おっちゃんは、

「そうして貰うと有難てえな!本部って言っても、お飾りだからな。」

皆んなもその気で頷くと、

「よし、じゃあ壮行会だな、俺も北からの部隊に参加するからな、現場で会おうな!」

 改めて乾杯して、明日すぐに南国へ向かうので、早めにお暇してアパートに帰った。遅かったので、そっと部屋に入ったんだけど、水晶玉が光った、弥生からの呼び出しで、食堂で二次会が始まった。

 南国のお土産で乾杯、師匠はご機嫌で飲んでいたけど、弥生さんは飲んで居なかった。姉貴が探りを入れると、弥生さんは真っ赤になって、口をつぐんでしまった。どうやら、義理のおじさんかおばさんの可能性があるのかな?

「じゃあ、安産のお守り、南国で有名な教会で頂いて来ますね!」

「コレの事かい?」

僕らが南の島に渡ったあと、円さんが先導して既に頂いていたそうだ。予定日を聞くと、まだ妊娠の兆候も無いそうで、その為に頑張っている最中との事。そう言えば、経過時間が合わないよね?

 師匠は居心地が悪い様で、今の話題になった辺りかな?気付いたら居なくなっていた。僕らも明日早いので早めに切り上げて部屋に戻った。魔王の事、ミキちゃんの事、弥生さんの事、ちょっと興奮状態で、眠れるかどうか心配だったけど、ベッドに辿り着いた所迄の記憶があって、その次のシーンは朝日に起こされる所だった。思い切りノビをしてみると身体が軽く、昨日まではかなり疲れていたんだと改めて実感した。弥生さんの朝ごはんを食べて、魔窟へ向かった。

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