表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
116/142

山めぐり

 お姉さんになったお兄さん達は放って置いて、山を2つ制覇する。早朝から深夜まで移動、仮眠して登山。山で一泊して午前中に下山、移動で夜、登山口でキャンプして、朝から登山。午後下山して早ければ、深夜に今の宿、遅かったら下山してもう一泊かな?かなりの強行スケジュール。

 魔動車のスピードが馬車より速いのと、馬の休憩が要らない分、早く到着して予定より楽に制覇出来た。お宝は、どちらの山も、ブレスレットだった。虫メガネで見ると、『防御力向上』と感じた。魔力が下がっている愛果と愛葉に着けて貰うのに丁度いいかな?ミッションクリアで宿に向かった。

 宿に戻るとフロントのお姉さんがタカシマの父さんからの手紙を渡してくれた。地元で急な仕事が出来たのと、お姉さんになった手続き、日之出国の入出国の手続き等等で帰った事と、度々の迷惑と、その都度いのちの恩人になっていたお礼に金貨50枚の袋と、滞在費、帰りの船賃を支払ってくれる事が書いてあった。お姉さん達はまだ入院しているらしい。お見舞いもいいけど、出来れば関わりたく無いので、スルーして、山の攻略の計画を練った。


 1日のんびりして、蛍先生にお姉さん達の様子を聞いてみた。ネバネバの毒は完璧に消えて、身体的には至って健康の筈なんだけど、ベッドから起き上がれないらしい。今までのケース、姉貴、ひかりさん、ベル、3人とも変身後のダメージって無かったよね?気になったけど、

「「また付き纏われますわよ、野良猫みたいに!」」

シフォンに視線を送りながら見事にハモっていた。やっぱりそうだよね、明日の遠征に向けて、身体を休める事にした。


 ここを拠点に攻略するはあと3つ。それ以外になると、離れた別の港に行って拠点にするのがベター。

 今までより低い山で、魔物の情報も大したこと無いので、分担して登ってみる。

 手前から1つ目で、姉貴、風香、あらたが降りる。次でベルと僕。最後が運転手の(どれみ)と愛果・愛葉ペア。遠い順に簡単な山なので、音達が片付けて僕らを回収して帰る予定。

 険しいコースでも無く、危険な魔物も出なくってあっさり山頂の洞窟に到達。飛竜は愛葉が纏わせた結界斬りの力で赤く光っていた。洞窟の突き当たりを斬って奥に進んだ。祠のある空間には、巨大なムカデ。百足ってより万足と億足とかが相応しいんじゃないかと思うけど、足の数を考えたら余計気持ち悪くなった。魔力刃を乱射して斬り刻む。特殊な攻撃や面倒な再生能力も無かったので、さっさとお宝を貰って洞窟を出てランチタイム。

 下山も順調で途中、山菜やキノコを採って晩ごはんの準備。登山口迄降りると、水晶玉が光って(どれみ)の声が聞こえた。魔動車に乗り込んだ所で、1時間程で迎えに来てくれるそうだ。おかずになりそうな鳥を狩りながら音達を待った。

 合流して姉貴達の山へ向っていると、水晶玉が光った。登山道に掛かる橋が壊れていて、迂回したので、予定よりも時間が掛かっているそうだ。お宝も簡単だったし、魔物も苦にならなかったので、心配は無さそう。登山口でテントを張って待つ事にした。

「あらたの居る班で良かったのう。」

ベルは鳥を捌きながらしみじみ語った。きっとあらたの勘で橋以外の最短ルートを選んだんだろうな。

 音は魔動車の手入れ、愛果と愛葉は山の攻略を報告してくれた。

「「呑気なハイキングコースでしたわ!」」

魔動車の往復時間を考えると大袈裟な表現では無さそうだ。お宝の魔物はまたネバネバだったので、黒い魔力刃で秒殺しそうだ。ここのお宝もブレスレットで音が着けている。因みに僕らのお宝もブレスレットで、ベルに着けて貰っている。

 ご飯の支度が整うと、予定よりは遅れずに姉貴達が降りて来た。風香が左の腕を見せると、ブレスレットが輝いていた。鳥と山菜とキノコの鍋を食べて、テント泊。

「ブレスレットばかりだね、役に立つからいいけどね!」

なんとなく、いろんな物だったほうが嬉しい気がして皆んなに聞くと、大体同じような感想だった。蛍先生に貰ったガイドブックを良く見ると、初攻略の場合、独自のお宝で、2回目以降は魔力補助のアクセサリーが貰えるそうだ。

「明日また登ったら、また貰えるんやろか?」

あらたらしい、ちゃっかりした疑問。試してみる事にして、寝袋に包まった。

 同じ人じゃない方がよさそうなので、ベル、愛果、愛葉、僕がそのまま山に登って、姉貴、あらた、風香、音が隣の山に登る。

 迂回路もしっかり教わっていたので、サクサク進んで、洞窟到達。愛果と愛葉が結界を破り、祠の空間には熊の魔物。昨日と一緒だった。サクッと始末してお宝ゲット。やっぱりブレスレットだった。

 登山口近く迄降りると、水晶玉が光った。隣の山も同じだったので、奥の山のブレスレットも貰いに向っているそうだ。もう一泊になりそうなので、山菜とキノコを探しに少し戻った。あまり採れなかったけど、探しているときにイノシシの魔物をゲット出来たので、昨日と違うメニューが出来た。イノシシステーキと、山菜とキノコのスープ。イノシシを捌いていると水晶玉が光り、あらたがブレスレットの報告と到着予想時間を教えてくれた。急がなくても大丈夫かな?数が揃ったから、このブレスレットは僕が貰おうかな?なんて、呑気にお喋りしながらご飯支度。予定通りに魔動車が到着して、ささやかな宴会が始まった。キレイな星空を見上げていると、大輪の花火が1つ咲いた。どっちかな?愛果と愛葉は二人の合わせ技で打ち上げたようで、珍しく、毒を吐かずに成功を喜んでいた。花火の大きさだったら、愛梨一人の時より大きいかも知れない位だったので、リハビリ卒業でも大丈夫かもしれないね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ