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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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魔力計

 おっちゃん達と別れる前に、協会本部に立ち寄って、魔王の件の報告をした。

「測って見るか?」

おっちゃんは、ピクリともしない魔力計で笑うつもりなのか、僕に渡してくれた。別に測らなくたって、、、?針が目一杯振れて煙が出て来た。

「こちらを付けて試して下さいね。」

腕輪を2つ付けて、別の魔力計を握ると、また針は振り切った。今度は煙は出ずに離すと0に戻った。もう1つ腕輪を付けて測り直すと、今度は、振り切る手前で止まった。職員さんはブツブツ言いながら指を折って

「千、万、十万?9万8千って!」

改めて驚いていた。魔力を十分の1にする腕輪だそうで、3つで千分の1になるみたい。目盛りの98の千倍が僕の魔力との事。

「魔王の封印に使っているからGランクだって言ってただろ?」

おっちゃんは嬉しそうに笑っていた。

 姉貴も腕輪2つ付けて7千台を叩き出すと、全員同じように測って、5千前後だった。職員さんは驚くのを忘れたのか麻痺したのか、淡々とライセンスプレートを更新をしてくれた。

 処理を待っている間、円さんは、

「あの鎖使わせて貰ってもいいかしら?」

ポーチから取り出して渡すと、スルスルと細い鎖にして、魔窟で拾ったアイテムを使って何か加工していた。軽く引っ張ったり指先で摘んだりすると、キラキラの細い鎖になって、クルクル巻いて端を摘むと、4連のネックレスになった。水晶玉のチェーンみたいに、頭から被るとスルリと通って、首元に4筋の光が輝いた。

「これで測ってみてね。」

魔力計を握ると、測定値は10を僅かに切る位。

「1万分の1だから、丁度ね!魔力のコントロールが出来るようになったら、一本ずつ外して行くといいわ!」

 あっという間に、特殊魔具を作ってしまい、職員さんは驚くのを止めて、怖がっていた。


 おっちゃん達を見送って、もう一泊のんびり。南国の3つの魔窟を攻略しながら、魔力のコントロールを覚える予定。その後島に乗り込んで魔王の雫を消滅させるつもり。

 先ずは、生活用の魔具を使えるようにする。お風呂上がり、ドライヤーを使ってみた。うん、大丈夫!適切な熱風で機械も壊していないので、合格かな?一般的なFランクに追いつけたみたい!

 魔窟への道中、狩りをしたり料理をしたりと、魔法を使って、何となく力加減が解って来た。1つ目の魔窟を最下層迄降りて、結界、魔力弾、魔力刃を試し弱いながらも制御出来ていた。

「一本外しても大丈夫じゃないかしら?」

姉貴が1番外側のネックレスを摘むとスッと消えて3連チェーンに変身。

「昇りは、魔力の調整慎重にね、10倍になってるからね!」

同じ様な魔物でも、効き目が格段に違い、結界の場合、動きの邪魔位しか効いて無かった魔物でも、ガッツリ拘束出来た。魔力弾を力を抑えて撃ってみた。軽く撃ったつもりだったのに、魔窟のマップを書き換えなきゃならない位の洞窟を作ってしまった。威力の調整は難しく、かなり弱めでいいんだけど、なかなか安定しない。数を撃っているうちに、イメージ的に10パーセント位の力で撃ったつもりが、5から50パーセント位とブレでいたのが5から20程度迄安定してきた。

「小さく撃つときは、赤ちゃんを抱っこする気持ちで撃つんですの!」

愛菜がお手本を見せてくれた。直ぐに真似をしてみると、まあ、イメージ通りの魔力弾が撃てた。

「おっちゃんさんに習ったコツですわ!」

「そういえば、初めてうちの支部に来たとき、愛菜も魔力コントロール出来ていなくて、おっちゃんに習ってたよね!お陰で僕も上手くなれたかもです!」

残りの階層を魔力弾オンリーで片付けて地上に戻った。

 そのままテント泊なので、焚き火で炎魔法の練習。ロウソク位の火を灯して、その大きさを調節したり色々頑張った。


 翌日は移動だけで、次の魔窟の近くでお泊まりの予定、多分テント泊だろうな。途中、狩りをしたりしながら魔力調節の練習。ランチ休憩していると、南国入りから初の盗賊。空地の入口を馬車で塞ぎ、3人降りてきた。他に馬に乗ったヤツが6人迫って来た。先ずはカトリーヌが、

「暴れて!」

落馬した6人は、馬を抑えようとしたけれど、強烈な蹴りを食らってダウン。

 あとの3人は、真ん中のヤツが杖の様な物を掲げて近寄って来た。極々弱くした雷弾を撃ち込むと杖は結界を張る道具らしく、魔力弾は拡散してしまった。もうちょっと、飛び道具を試してみたいので距離をキープしようと、足元に風弾をちょっと強めに撃ってみた。どうやらちょっと(・・・・)じゃなかったみたいで、半径3メートル程の半球に地面が抉れ、底に盗賊達が倒れていた。

 いつものように拘束して、次の集落で引き渡すんだけど、南国は協会の支部は殆ど無く、各集落に自警団と言う組織が有って、そこに引き渡す。協会じゃ無いので、パーティーの成績にもならないし、報奨金も無い。戦利品は自由だけど、売却し辛いし、レートも低いので、かなりガッカリを想定している。結界を張っていた杖は便利そうなので、今回の収穫はそれだけかな?

 想定通りの引き渡しを終え、次の魔窟を目指す。盗賊も1件位はと想定していたので、一応順調に進んでいる。途中、晩ごはんのオカズを狩って、夕方には予定通り到着出来た。

 やっぱり宿は無かったので、テントを張った。途中で狩った鶏系の魔物を捌いて、焼き鳥にした。姉貴は、米酒を出してご機嫌だった。楽しく飲んで、お喋りして、それから魔力調節の練習を少しして寝袋に包まった。

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