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世界でひとりだけのGランク  作者: グレープヒヤシンス
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魔王戦ヘ

 大邸宅に招かれるかと思ったけど、3人共、質素な生活をしていて、魔窟の近くの宿にお泊り。晩ごはんを食べてあらたは、

「おかんの味や!」

嬉しそうに頬張っていた。おじいさんは、あらた達の集落が襲われた時、あらたを引取ろうとしたんだけど、生存者は男子だけと聞いてあきらめていたそうだ。南国風に着替えたら良いと、着物屋さんを呼んでくれていて、部屋でファッションショーを始めた。お気に入りを見つけ、お代を払おうとしたら、

「お代は先生にと伺っております。」

先生ってあらたの、おじいちゃんの事だよね?慌てて探したけど帰ったあとだった。

 翌日、宿代を払おうとしたら、

「教授に頂いてますよ。あと、お弁当も出来ていますのでお持ち下さいね。」

有り難く頂戴して宿を出た。

宿の前には赤黒の馬車。長官が待っていて、

「西国から侵入した盗賊が乗っていた馬車です!なんでも『盗賊狩り』と言う美少女グループが乗っている馬車を真似たモノらしいんです。盗賊避けになるそうなので、コレ使って下さい!」

この前盗賊から奪って、各魔窟に置いてある馬車と同じ型だった。コレもここに預けておけば便利かな?カトリーヌの脱皮した時の鱗は、予備用に加工してもらっていたので、新しい馬車にパチリと嵌めて出来上がり。南国散策もいいけど、今日の所は、魔窟に預けて、北国に帰る。

 9階層迄サクサク降りてトンネルで北国。銀の馬車で支部に向かい、おっちゃんに、南国へのトンネルとかの報告をした。

「エ、エリカ、ちゃんと服を着たらどうだ?」

おっちゃんは、南国風ミニ浴衣の姉貴を直視しない用にしていた。足のほとんどが露出していて、椅子に座ったら確実に中身が見えちゃう丈だし、帯の上の膨らみは、普段のお洋服より目立って、衿を合わせた所から溢れ出しそうに見えていた。南国では、皆んながそうだったので気にしなかったけど、帰って来て見ると、ちょっと恥ずかしく思っていたんだよね。普段はミニでもニーハイとかで肌の露出はそれ程でもないけど、草履だと生足なんだよね。おっちゃんの反応も、仕方がないかな?


「おう、ちょうど良かった!」

西国のナベさんがやってきた。

「いよいよ魔王戦だな!」

三国の魔窟を制覇したら、魔王消滅って言ってたし、ナベさんが参加って事は、おっちゃんとバラさんも一緒だよね?でもね?

「ナベさん、西国からだったら、時計と逆回りで直接行った方が近いです!」

「ああ、最近な、西国で悪さをしていた連中が、『盗賊狩り』を怖がって、南国に逃げて、そっちで暴れてるらしいんだ。別に俺達のせいじゃないんだけどよ、南では結構ピリピリして、気まずいんでな。騎竜に乗せてもらって飛んで来たって訳よ。」

「チー坊はトンネルで行くのか?それなら東国のお客さん、俺達で送って行くぞ?」

「僕らも馬車です!じいちゃんとばあちゃん、温泉に連れて行こうと思って!」

「そりゃ楽しみだな!俺達もついてっていいのかな?」

「もちろんです!」

『味』のご馳走、おっちゃん達にも食べさせてあげたいし、大勢の旅は楽しいもんね!

 予定を相談して、いつでもオーケーって事で、弥生さんに水晶玉で連絡すると、

「あとはお弁当で出発出来るよ!」

って事で、明日の朝の出発に決定した。


 最短ルート、危険回避無し、テント泊車中泊上等の行程で国境に到着。一応理香さんに挨拶して、お泊まり無しって言うと、ちょっとふくれてたけど、葡萄酒や晩酌に良さそうなおつまみを持たせてくれて、理沙ちゃんは、涙目で見送ってくれた。


 関所を通ると、バラさんが迎えに来てくれていて、そのまま『魔窟トライアングル』に向かった。途中、テントで一泊、トライアングルでは朝食のみで宿を取って、皆んなで『味』に行った。

「えっ!西国からですか?」

滅多に来ない西国からのお客さんに大将が驚いていた。

「冷酒の良いのが入ってるぜ、あと蛍先生からの荷物を預かってたな、、、ホイ、コレ!」

姉貴はご機嫌で受け取って、早速宴会が始まった。皆んな大喜びで、希少な冷酒はあっという間に3本も空になっていた。まだまだまだ飲みたい顔の姉貴を、無理矢理宿に引っ張って布団に押し込んだ。


 翌朝、宿酔いの姉貴を風香がヒールしてお風呂に入った。スッキリしてからご飯を食べて都に向かう。途中テント泊一回で到着。円さんの宝飾店に行くと、

「明日のお昼には出来上がるわ!」

姉貴は蛍先生からの荷物を渡していた。

おっちゃんとナベさんはバラさんの家にお泊まりで、師匠と弥生さんは別の宿、僕らは前に泊まった事のある宿で皆んなで大部屋だった。まだ何人も泊まれる広さだったけど、新婚さんを二人にしてあげる配慮だったみたい。おっちゃん達は姉貴が酔っ払って男湯に乱入しない用にしたのかな?平和にご飯を食べて、お酒も少しだけにして早目に就寝した。

 翌朝は都のお店を見て回った。前は北国と違う感じが新鮮だったけど、ちょっと麻痺したのかな?それ程惹かれるモノは無かった。ただ面白いのは、『盗賊狩り』の衣装として、メイド服が売っていた。耐魔繊維は使われていないので、戦闘服としては使えないけど、なかなかのクオリティーで驚いた。魔術師を辞めてアパートの手伝いをしているあのコ達のも、こうやって売っていたのかな?

 ご飯を食べてから、円さんのお店に集合なので14人入れるサイズだけで食堂を選んだけど、期待以上に美味しいランチを楽しめた。

 蛍先生からの荷物に何か加工をお願いしたんだろうな、完成品を受け取って出発かと思ったら、

「あとは、馬車でも宿でも出来るから、魔窟迄には完成させるよ!」

円さんも同行するらしい。

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