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意識を手放して現実逃避の為にも寝ようとした私に慌てる声と今世でははじめきくであろう音量の足音がきこえた。
バタバタバタ!
コンコン!
「お嬢様!? 叫び声が聞こえましたがどうかなさいましたか!?」
返事をしようと思ったのだが、ベッドから頭が落ちている状態で再度寝ようとしていたため、うまく声が出せず、返事ができない。
(この体制を見られるのはまずい!でも声がでないー!)
「お嬢様聞こえておりますか!? 入りますね!?」
ガチャ
(ギャー!)
「キャァーーー!お嬢様がー!!!」
いつも微笑をたやさず、足音も優雅なメイドのマリーが足音も気にせず寝室へ入室してくる。
ベッドから頭が落ちた状態の私を見て叫び声をあげたマリーに、とりあえず手をあげて無事を伝えることしかできなかった。
(マリーのあんな叫び声はじめてきいたわ。私の心の叫び声ギャーなのに、キャァーとかやっぱり美人はちがうわねー)
まだ現実逃避中の私はそんなことを思いながらマリーに起こされるのであった。