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炎の革命  作者: 観月 博斗
第一章「強欲の炎編」
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第一章(1)初めての戦闘

俺、結城七星(ユウキナナセ)は西暦2001年、地球の日本に生を受け、家族に愛され、みんなと同じように学校に行き、何事もない平和な日々を送っていた。


……だというのに、どうしてこうなったのだろうか。


「で、ここはどこなんだよ……」


いつも通り部屋で寝て、起きたらどういうことか異世界に召喚されていた、というわけである。ふざけるな、俺は召喚されるような人間じゃないぞ。


だがそうも言っていられないのだ。なぜならここが異世界だとしたら、寝るところもない、食糧もない。持ち物はスマホと500円玉1つ。スマホは当然電波が届いているわけもなく、おそらくここで日本円も使えないので500円玉も何の価値もない。今のところ夢落ちに期待するしかない状況である。


「まぁそういうわけにもいかないからな、まずは言葉が通じるのか。そして望み薄だが日本円が使えるかどうか…」


と、冷静ぶって周りを見渡し、野菜らしき物を売っている店に近づいていく。


「あ、あの…これっていくらですか……?」


言葉が通じるかどうかわからないが、『母国語』で店員に話しかける。


「おぉ、これか?これは20スぺ―ラだぞ。買ってくか?」


どうやら日本語で会話はできるらしい。これで言葉も違ったらいよいよ詰みだったが、言葉が通じるとなればまだ活路はある。


あとは日本円が使えるかだが、店員が「スぺ―ラ」と言っていたのでおそらく使い物にならないだろう。いっそ売ってしまった方が賢明だろう。ならばどうするか…


「あの、この辺に貴重なものを買い取ってくれるところってありませんかね?」


この状況でできることは一つ。異世界の硬貨を売って軍資金を調達し、宿の部屋を借りる。

そのあとは仕事を探すなりなんなり出来るが、今日はもう夕方、今から仕事を探すなんて出来るわけがない。だからこそ500円玉を売れる場所を探したいのだが…


「おう、買い物するわけじゃねぇのか?まぁ、買い取りならそこの路地入ってつきあたりを右の店でしてくれるぜ。まぁ、あの辺は貧民のクソ野郎だらけであぶねぇがな…」


どうやら買い取りをしてくれる店がしかも近くにあるらしい。なら早速行くべきだが、気になるのは後半、「貧民のクソ野郎ども」ってのがどれくらいのものなのか、どちらにせよ行くしかないのだが、それでもなるべく危険じゃないほうが嬉しいというのが今の気持である。


「おい大丈夫かよ?ボーっとしやがって」


「あぁ、すんません、ちょっと考え事してて。ありがとうございます。さっそく買い取ってもらいに行ってきます。いつか野菜買いに来ますね」


店主に聞いた情報を整理し、礼を言って別れる。

賑やかに忙しなく、今までの世界にはいなかったたくさんの種族の人々が行き来する繁華街の中、細く暗い路地に入る。路地の中は想像以上に埃まみれで、表の繁華街とは真逆と言ってもいい廃れ様だ。


「つきあたりを右だよな。すぐだすぐ」


そう言い聞かせながら薄暗い路地を進む。


「あ、すんません」


路地ですれ違った人影とぶつかり、謝罪の言葉をかける。が――


「おいおい、痛ぇじゃねぇかよ?」


あー、これは異世界物特有の覚醒イベントと言ったところか。


「あ、はい、すんません。急いでるんで…」


ヤバい奴には関わらない。覚醒イベントかもしれないとはいえ、ここで戦闘するのはリスクが大きい。なにせ情報も少なく、まだこの世界のルールも魔法も何も分かっていない状況だ。


「そういうわけにもなぁ?治癒費だ。1000スぺ―ラだ。出しやがれや」


「そんな金は持ってないっすよ。他を当たってくださいな」


「あぁ?生意気だな…痛い目にあわせてやるよ!!」


やるしかないのか。足も遅いので逃げるのも無理、かといってこの路地で助けも呼べない、渡せる現金もない。これは回避できない戦闘のようだ。


「はぁ…喧嘩なんてしたことないんだけどなぁ…」


互いに臨戦態勢に入り、薄暗い路地の中、召喚後初…いや、人生初かもしれない戦闘が始まる…

ちょっとまだ短いかも。次回からバトルもあるからね、頑張らないとの

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