表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集 残雪の声

花火

作者: 紀 希枝

ドンっと音が届いたら

押された心臓は背中にぶつかり

怒濤は後ろへ駆けていく


夜空を飾るは牡丹花ぼたんばな

消えゆく星と響く音

赤青緑、からふるに

芯まであでにほほえんで

咲き散る音まで煌めいて

耳奥じおくの鼓膜を震わせる

次から次へと打ちあがり

雲も煙も夜空にも

憚ることなく咲いていく

臆することなき花の王


 ばあばの座った姿より

 きれいとからかう祖父の声


最後の牡丹が消える前

次に続くは八重芯菊

二重ふたえの芯と細き花弁

散りゆく三重みえの輝きと

移ろう色に見とれては

あっという間に消えてゆく

次から次へと打ちあがり

四重よえ五重いつえに開いては

消えゆく間際も輝ける

それは確かにはなの八重


 屋根を跳ねては鼓膜へと

 色をこぼす開花音


最後に轟く菊花火

甘い蜂蜜 一滴ひとしずく

月の光に溶けたよな

眩しい花を咲かせては

浜辺に沈む波のよに

引きは夜空へ消えてゆく

星の輝き消えたあと

開花の音が押し寄せる

私の意識を巻きこんで

心臓を背中に押しつけて

後ろへ駆けてく音のなみ


 透きとおった星の色

 音の重さに狂う鼓動


ドンっと音が届いたら

押された心臓は背中にぶつかり

怒涛は後ろへ駆けていく


それが私の知る花火


拙作をお読みくださり、ありがとうございます。


批評批判大歓迎です。もっと私自身の思い描く世界を表現したいので、感想酷評、友人への紹介も期待しています。


長編の作品を幾つか載せる予定ですが、いずれもまだ先は長そうです。

平成三十年六月十五日までは、月に一度は詩を載せるつもりなので、気が向いたらお読みください。


繰り返しますが、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ