はじめに
【著者より】
はじめまして。当方も学園カメレオンを少々拝見させていただいたのですが、学園カメレオンは文学的にも非常に精巧にできており、本作で原作の魅力を忠実に再現できているかは全く持って保証いたしかねます。学園カメレオンは、老若男女多岐にわたる世代の方、果ては日本という小さな枠組みを超えて海外でも広く読まれている作品であると存じ上げております。映画化も進行中とのことで、今後ますます学園カメレオン旋風は列島を中心に勢いを増すばかりということなのでしょう。
そんな中、原作者のライト先生から許可をいただき(?)、誠に恐縮ではありますが、執筆させていただく形となりました。
原作学園カメレオンの魅力の一つに、ほとんどの読者が物語の真の意味での完結にまでたどり着くことができない(それだけ原作の多重構造の完成度が高いということでしょうが)というものがありますが、本作の場合、このままだと「作者のほうが完結にたどり着けない」という事態になりそうで大変恐縮しております。本作のほうも、原作に負けず劣らず、先が「読めそうで読めない」スリリングな作品に仕上げておりたいと考えております。原作からいただいた素晴らしいインスピレーションを胸に、慎一の過去に迫ってみようかと思います。よろしくお願いします。
敬具
P.S. 傑作である原作もご一読ください。
※表題の零は「ゼロ」と読みます。