第13話―「出会い掲示板をなめていた」
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5月・人間・女・9区
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まず黒板に掲示される内容はここまでだ。男性はこれだけをみて掲示板を閲覧するかを考える。男性はこの後に続く内容全文が晒されるので、随分と不公平なシステムと思わないでも無いが、サイゾーの口車でキシリッシュは一応納得していた。
そして本文。
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私は女性の身であるが王宮騎士の位を任命され
ている。
王国を守る騎士に誇りを持っている。
仕事に一切の不満は無い。
ただ私生活において、異性と知り合う機会が一
切無い。
おそらく私が騎士である事が原因だろう。
またお世辞にも自分自身の形容に自信がある方
では無い。
さらに残念なことに、休みが不定期で少ない。
半休は時々あるのだが……。
それらを理解した上で、私と友達になってくれ
る方を探している。
余り書きたくは無いのだが、どうやら私を商売
女と間違えたり、尻の軽い女と勘違いする者が多
発している。
残念だが私はその様な要求には応えられない。
以上の条件を納得してくれる男性のみ、返信を
いただきたい。
我が侭だと理解しているが、勘違いしたままお
目にかかっても、お互い時間の無駄になるだけだ
ろう。
それでは、紳士からの返信を期待する。
キシリッシュ・ソード
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男性はラブポイントを減らしてこれを読み、さらにラブポイントを減らしてこれに返信メールをださなければならない。
キシリッシュは厳しい内容から、きっと返信は2〜3通くれば良い方だと思っていたのだ。
「で……出会い掲示板をなめていた……」
どうにかこうにか全員分の返信を書き終わるのと、彼女を起こしにメイドがやって来たのが同時だった。
結局その日のキシリッシュは一日中精細を欠く事になった。