なんか剣客復讐モノ。書き出しだけ
男が一人、闊歩していく。靴がコンクリートを無機質な音を鳴らすと、壁を伝って空間を貫いていく。
発進場の中央に止まると周りを威嚇するように目を配る。
身なりからして一般人の範疇からは追い出されそうである。それもそのはず彼の背から上を突く凶器がそれを警告していた。
柱に備え付けてある人工灯が一本の得物をを照らす。柄の禍き飾りが光に威を飛した。
鬼。
柄頭には牙を向く銅色の鬼が彼の心情を物語る。男は背に掛けていた、一振りの刀を握ると鞘を引き抜いて地面に放った。
鞘とコンクリートとの衝突音は何かの前奏か。後に続いて靴音が追いかける。この男のでは無い。
前方の闇から輪郭が浮かぶと、顔を白灯が遮る。
そして現れた、口を引き裂かれたような破顔を。何に悦を浸しているのか。ただ分かるのは善の属性を帯びた表情ではない。
全ての邪悪をを象徴させる、深く不快な笑み。嚆矢とばかりに邪悪の男が口を開いた。
「よぉ~盾ちゃんお久しぶり」「元気にしてた?」
返答は無い。
「あれ?どうしたの?久しぶりに会ったのにさぁ」
口では友誼を舌に乗せながらも、聞く者に取っては全神経を嬲られるような触り。
彼はは蚊の飛ぶような声量で三口呟くと、刀の切っ先を向け構えた。
「お前に話す事は無し」
心で呟く。
殺意を孕ませた構えは宣戦布告であり処刑宣告。いや先の男の言葉がこの戦いに火を放ったのかもしれない。
男はまるで無邪気な子供の顔をすると、何だよぉと口惜しそうに嘆いた。
「まぁいいよ、拳を交えて深まる仲ってこともあるからねぇ」
「やろうか久しぶりに」
男の下に転がっていた長形なバッグ開けると、得物が姿を現した。
彼は突きの体勢を崩さず見守る。
「俺さ気が利くからさ持ってきたよ、あの時と同じ奴」
槍。
ちょうど、男の体躯を上回る七尺はあろうか長槍。
軽く準備運動とばかりに槍を円周させる。
「思い出すなぁ、あの時のこと」
「あの時は楽しかったなぁ」
槍の風音雑じりに呟いた一言を彼は聞き逃さなかった。
抑えきれぬ憤怒が体を震わせる。許さぬ。この一言は心で吐き捨てる。次、喋る時はコイツの命乞いがする時だ。
苦痛に悶えながらも死の恐怖に懺悔しようが、許さぬ。許さぬ。地獄でも後悔させてやる。
と溢れ出る憎悪を制御するのも限界が近づいていた。
臨界点。
殺意を大腿に込めて肉を爆ぜた。疾走、疾駆、虎が得物を食い殺すが如く。刀で怨敵の顔抉るために。
男は笑っていた。親が子供を見つめるように。
彼は狂憎に動かされていた。怨霊が憑依したように。
二人の様相を知るためには5年ほど時を戻す。
はいどう見ても刃鳴散らすのパクリです。ごめんなさい奈良原先生