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睡眠欲<金
いらっしゃいませーとかいう気の抜けた返事に
目も向けず、事務作業だけをとっとと済ませる。
漫画を借りに来たおにーちゃんがこっち見て、
驚いたような表情。
誰だっけ。
親しげな笑顔でこっちにくるおにーちゃん。
やばい、どういう知り合いかすらも思い出せない。
「やばいわー超久しぶりじゃね?」
黒髪短髪、綺麗な鼻筋に薄い唇に添えられた髭。
身長おおよそ175cmくらい?
誰だっけ。
「ん。」
「なにーそっけないなあ。え?いつぶり?」
そう言いながら半ば強引に手を引かれてく。
漫画のコーナー通りすぎて、
ドリンクバーの手前、止まるおにーちゃん。
素直に止まる僕。
「ていうかさ、まだウリやってるの?」
そっち系の客か。
「やってるならちょっと買ってもいい?最近相手いなくてさ」
見た目普通の大学生。
相手くらい彼女作ればいいのに。
「ん、いいよ。いくら?」
「今金欠だからわりーけど3万くらいでどう?」
無言で頷きカウンターに逆戻り。
最低料金だけ払って満喫でてネオン街に逆戻り。
眠い。