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「……なんかちょっと……やだ……かな」

「くははははははは! 死ねええええ!」


 草原に気迫のこもった声が響く。

 俺は草原のモンスターを手当たり次第に倒していた。

 新たな装備、最古の小銃のエンチャントでDEXブーストを使えるので一切照準を外さない。モンスターからしたら悪魔に見えるだろうな。


「あっし……そんな武器被ったくらいで八つ当たりしなくても」


 パーティを組んでいるのをいいことに俺に任せっきりだった神がそんな声をかけてくる。

 こ、これは八つ当たりじゃないから! レベル上げだから!

 そんな言い訳をしたかったが実どこからどう見ても八つ当たりにしか見えないので言い返せなかった。


「マスター……情けないです……」

「……あっしさんこわい……」


 しかもタマは呆れメリーには怖がられる始末である。

 皆にそんな視線や言葉をかけられちょっと悲しくなってきたので一旦狩りを休憩する。これくらい倒せばステータスはかなり上がっているだろう。そう思いメニューからステータスを出す。


”田中 敦” HP172/220 種族 ゴーレム Lv11

武器 【[最古の小銃Lv4]、STR+13 DEX+6(DEXブーストLv4)】       

頭 なし

腕 なし

胴体 なし

足 なし

アクセサリー なし

CP24/24                     

所持金 3950G

最終能力値

STR 22+13,DFF 0INT 6, VIT 29, DEX 10


 うんうん。いい感じに上がってるな。INT微動にしてないけど。

 っていうかここまで来て防具一個もないってなんかシュールだな。そろそろ防具買ったりしないとな。そうと決まれば善は急げだ。


「おーい神。そろそろ帰る「すみませえええええん!」……へ?」


 突如俺の呼びかけが誰かの声に遮られる。

 声がした方に目を向けるとはるか遠くから神が喜びそうな赤毛ロリっ娘と全身が水色の羽根の生えた子の2人がこちらに走ってきていた。多分パートナーであろう水色の子は空中をふわふわと飛んでいるので走っているとは言いにくいが。

 ……っていかん、事案が発生する! はやく神を遠ざけさせねば!


「どうしました?マイ、リトルキューピッド」


 だめだー! 

 そこにはお城の執事よろしく、エスコートの体制でロリ娘達が到着するのを待っている神が佇んでいた。

走ってきた赤毛の子は息を乱したまま話しかけてきた。


「はぁ……はぁ……あの、私まだ始めたばかりなんです。もし良かったら

パーティに入れてほしいなーって思って……だめ?」

「いいですともおおおおおお!」


 神は上目づかいで迫ってくるロリ娘たちに即K、Oされていた。その表情はどこか恍惚そうだ。

 っと、パーティに入れる前に名前聞いとかなきゃだな。


「で、君たち名前は?」

「あ、申し遅れました! 私、鈴音と言います。スズと呼んでください!」

「私はウミです。鈴音のパートナーをやっています。魚です。」


 なるほど。赤毛の子がスズで水色の子がウミと言うらしい。もしかしてウミの羽根って魚のヒレなのだろうか?

 そんなことを思っているといきなりスズが抱き着いてきた。


「じゃあ早くパーティ組んでほしいですー!」

「わ、わかった!わかったからおちつけ!」


 くっ!吸着性がやばい!お前はタコか!

 なんとかして引きはがすと残念そうな顔でしぶしぶ離れてくれた。対照的に神は鬼でも殺さんばかりの目を向けてきていた。


「申し訳ありません。スズは抱きつき魔なんです」


 ウミがそんな補足を入れてくる。

 抱きつき魔ってなに! キス魔とかそんなもん?


「ヘイ! スズ! カモン!」


 神めっちゃテンションあがってるー!

 さっきまでの目とは違い、神はとてもキラキラした目でスズが飛び込んでくるのを今かいまかと待っていた。

 それに対しスズは自分の体を抱きながら一歩後ずさり

 

「……なんかちょっと……やだ……かな」

 

 ああーっと!神選手崩れたー!ド○クエの動く石像をハンマーでぶっ壊したらこんな感じに崩れるだろうな。もしかしたらどこかで神がやばい奴だと感じたのかもしれない。


「申し訳ありません。積極的な相手は苦手なんです」


 またもやウミが補足を入れてくる。

 なにその神を避けるための性格。ぐっじょぶ。

 そう思っていると目の前にパーティ申請が出てきた。


「そんなことより早く一緒にやりたいです!」


 またスズこっち来た!

 俺はスズの抱き着き攻撃を受け流しながらパーティ申請に承諾を押した。

 抱き着きを回避されたことに少しむっとしたスズだったがパーティ承諾を押された瞬間にぱっと表情がかわる。おまえは犬か。


 「じゃあ、これからよろしくお願いします!」


 ……ま、たまには神じゃない奴がいてもいいかな。

 俺は少しわくわくしていた。


 だが神はまだ泣き崩れていた。

 

スズステータス

”鈴音” HP140/140 種族 ヒューマン Lv1

武器 【[錆びた短剣Lv1]、STR+1、(盗むLv1)】        

頭 なし

腕 なし

胴体 なし

足 なし

アクセサリー なし

CP24/24                     

所持G 3000G

最終能力値

STR 11+1,DFF 0,INT 16, VIT 14, DEX 10

 

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小説家になろう 勝手にランキング ←押してくれるとうれしいのです by水戸 感想とかくれたらうれしいな~。
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