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木、木、木、猫耳少女、木、木、木

 ……………あれ、俺どうなったんだっけ。

 確か猫が物置ぶち破って、光の穴に……って!?


「うわああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

「な~~~!?」

 

 俺は周囲の様子に驚愕し悲鳴をあげる。

 目を開けるとそこは完全なる森だった。いや、ジャングルというべきか。 兎に角俺の家の物置とは全く対照的な空間が広がっていた。

 ……どういうことだってばよ。

 はっ、そういえば猫はどこに行った?

 立ち上がり周りを見回してみる。

 木、木、木、猫耳少女、木、木、木。

 ふむ。まごうことなき森だな。しかも猫耳少女ときたもんだ。このことから出される答えは一つ。

 夢か。


「現実逃避しないでくださいマスター!」

「なんだうるさいぞ俺の妄想が作り出した猫耳よ」

「これは妄想じゃありません!現実です!」

「はっはっはっどこにここが現実だという証拠があるのかねぶっ」


 ……田中 敦16歳。人生初の猫耳少女のパンチをまさかのジャングルでくらったとです。ついでに言うとめっちゃ痛い。HPバーがあったら緑色から赤色に変わるくらい良いパンチだった。

 二度としないでください。


「ね?マスター、夢が覚めないですよね。だからここが現実です。認めないならもう一発」

「オーケーわかったからそのオーラをしまえ!お前絶対俺を殺す気だろうが!」

「わかっていただけて何よりですマスター」


 そういうと少女は体に纏っていたオーラを消し、笑顔のままこちらを見つめていた。

 なぜ俺にこんなに構うのだろうか。まさか猫の行方でもしっているのか?

 ……くそっ、こいつに聞くのは少し怖いが聞いてみるか。


「よし、じゃあそこの少女よ、俺と一緒に猫がいなかったか?確かずっと俺の頭にしがみついてた気がするんだが」

「マスター……まさか気付いてなかったんですか?」

「えっ?」


「私がその猫なんですけど……」


 ……よーし。俺、落ち着け素数を数えるんだ。……あれ素数ってどう数えたっけ。だめだ。

 ふむ。しかたない、ここは話を合わせていろいろ情報を聞き出してみるか。


「そうか。わかった。じゃあいくつか質問するがいいか?」

「はいマスター♪」


 なんでそんなに嬉しそうなんだ。まあいいか。話を合わせなくても向こうから喋ってくれるなら楽なことに変わりはないし……聞きたいことはたくさんある。


「まず一つ。ここはどこだ!」

「アルトロです。ここはその中の1つのエリアですね。」

 

 ……はいわけわからん。うすうす感づいていたがやはり地球ではないらしい。


「1つめから訳わからんが2つ目いくぞ。ここはなんだ?」


 これは俺が現実を認められなかった一つの要因だ。

 目覚めたら猫耳少女とか地球じゃ絶対ないだろう。……あったらいいなとは思うけど。

 それともう一つ。俺の前に丸いメニューバーみたいなのが浮かんでいる。この時点で普通ではないことが確定だ。

 俺の予想が正しければここは多分――


「ふふ、マスター、多分その予想あってますよ。ここはオンラインゲームの世界です!私たちの世界の、ですが」


 ……やっぱりか。うすうすそんな感じはしていたがこのことは一応あとで考えるか。ほかにも聞きたいことはある。


「……じゃあ次の質問だ。お前はいったい何者だ。」


「マスター達がこのゲームで混乱しないように作られたプログラムです。このゲームはまだクローズドβテスト中なのですが私たちのようなこのゲームにログインできる能力を持った動物たちが世界のあちこちにいて私たちを拾った人にβテスト参加資格が付与されるんです」


「なるほどな。お前の役目はそれだけなのか?」


「いいえ。あちらの世界、地球での私はただの猫ですがあの私がいないと物置の光は生まれません。つまりこのゲームにログインできない、逆に言えば」


「――このアルトロっていう世界でお前がいないとログアウト出来ない」


「理解が早くて助かりますマスター♪」


 なるほどな、簡単な説明で助かる。

 つまり

・ここは地球ではない異世界のオンラインゲームの世界

・猫はずっと一緒にいないとこの世界から出られなくなる

ってことか。


「大体わかった。っていうかいつまでもこんな所にいるのもなんだし近くにセーフゾーンとか村とかないのか?」

「一応ここはセーフゾーンですが村も近くにありますよマスター!ここから2時の方向に2、3km位の所にあります!」

「わかった、よしじゃあ歩きながら色々教えてくれ……っと。毎回猫耳少女って言うのも面倒だな。お前の名前を決めるか」

「本当ですか!マスター!」


 うわめっちゃキラキラしとる。やめて、俺そんなにネーミングセンスないの!


「呼びやすい名前……タマ」

 

 しまった。ついあの国民的大家族アニメが頭に浮かんでしまった。これはダメか!?


「はいマスターっ♪」


 ご満悦だー!めっちゃキラキラしとる!

 ま、まあ気に入ってくれたし良しとしよう!うんうん。


「じゃあよろしくなタマ。じゃ、村にむかおうか」

「お任せあれっマスター!」


 まあ後々の事はまた考えればいいさ。一応地球にも戻れるみたいだし。

 そうと決まれば、俺たちのバカンスはこれからだっ!

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小説家になろう 勝手にランキング ←押してくれるとうれしいのです by水戸 感想とかくれたらうれしいな~。
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