表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

「に、似合ってますね」

「おーい」


 いつもの復活地点にいるスズと神に呼びかける。

 俺に気付いた2人は。


「に、似合ってますね」

「…………ぶっくふふふふっ」

 

 苦笑しながら、またはツボにはまりながら俺を温かく迎えてくれた。

 ちくしょう!はかまなんて着るんじゃなかった。

 恥ずかしさで今にもはかまをぬぎたい衝動を全神経を使いぐっと抑える。

 ペット組の方はタマの花飾りの評判がよくメリーやウミが羨ましがっている様子が見えた。


「いいなぁ……花飾り」

「羨ましいですね」

「えへへぇ」


 ……なんかペットたちを見ていると自分の子供のように見えてくるな。

 花飾り買ってやってよかった。……故意で買ったんですカラネ?


「ねえねえ!そんなことより私の装備どうですかあっしさん!」


 不意に背中に体重がかかる。だが軽すぎて重さを少ししか感じなかった。

 どうやらスズが抱き着いてきたらしい。

 引きはがしその場に立たせスズの全身をみてみる。


 ほほう。

 服装は和服か。江戸の町の小さい女の子が着てそうな短い和服だ。太ももまでで生地が止まっている奴だな。

 名前がわからんので短和服と言おう。

 白地にピンクの桜の花びらが舞っている柄やとても長いたもとがスズの小さな身体をより可愛く見せている。

 足に履いているわらじも和を強調し高ポイントだ。

 ……腰にある鞘がどす黒い色を放っているのは見なかったことにしよう。


「あ、あのそこまでじーっと見られると少し恥ずかしいです……」

「お、おう。すまん、可愛くてつい」

「かわ……えへへへぇ。お店の人にもそういわれてサービスされました!」


 俺の言葉に急に顔をふにゃっとさせ喜ぶスズ。

 うーん。可愛い。人形みたいだな。

 確かにサービスするのも無理はないな。

 しかしこの癒しの空間の中で神だけは泣きながら異議を申し立てていた。


「なぜだっ!なぜ俺が可愛いと言ってもボディーブロー一発だったのにあっしはいいんだ!」


 どうやら俺が来る前に神はボディブローを食らっていたらしい。どうせ可愛いだけじゃなく「可愛い。俺の嫁になって外の世界で一生一緒に暮らそう」とか言ったんだろう。


「いや……『可愛い。俺の嫁になって外の世界で一生一緒に暮らそう』なんてイケボで言われても気持ち悪いですし……あとその恰好もいやです」

「なにい!かっこいいだろうが!」


 神が装備を見せつける恰好をとる。

 神が装備していたものは……世紀末セットと呼べばいいのだろうか。

 肩パッド、プロテクタージャケットなど世紀末の世界の敵を彷彿させるような装備になっていた。

 ここで外見の設定を変えたらムキムキになって本当のヒャッハーになるんだろうが誰の特にもならないだろうしやめておこう。

 俺が冷静に神の分析をしている間も神とスズの痴話喧嘩は続いていた。


「ふん!筋肉こそ全てと思っている神さんにはその世紀末セットがお似合いです」

「なにい!どうせお前だって可愛いisジャスティスとか思ってるんだろ!」

「悪いですか!私だってオシャレしたいんです!」

「どうせあっしに可愛いって言われたかっただけだろうが!」

「なぁっ!?……もうこの剣の錆びにしてあげます」


 スズの声のトーンがさがり、背中から剣を取る。

 剣は赤と黒が混ざった色で鞘と同じくどす黒い雰囲気を醸し出していた。

 あれ、あの剣ってどっかで見た気が。


「このダーインスレイブの錆びにしてあげます!」


 ああ、そうだそうだ。ダーインスレイブだ。確か……”誰かの命を奪うまで鞘に戻らない” っていう……ってなんでスズそんなもん持ってんの!?それってたしか神話の中の武器だぞ!?


「のぞむ所だ!こいやあああ!」


 神はその剣を知らないのか、あるいはその武器しか買えなかったのか腰にひっさげていたメリケンサックを取り出した。

メリケンサックの先には大きな針が付いているが神はその針を拳の中に戻した。……戻せるんだあれ。

 どうやらスズ相手に本気は見せないといった大人の配慮のつもりらしい。

 だが……神よ、お前の相手は本気でお前を殺しに来ているぞ。


「せやあああああああ!」

「うおおおおおおおお!」


 刹那、二人の声と金属音が鳴り響く。

 

「ま、マスター!」

 

 メリーが慌てる。多分自分の主に何かあったのを感じたのだろう。

 そして俺の目の前に現れるチームキルの表示と勝ち誇ったスズの姿が神とスズの勝負の結果を悲しく物語っていたのだった。


 ”田中 敦” HP260/260 種族 ゴーレム Lv14

武器 【[最古の小銃Lv4]、STR+13 DEX+6(DEXブーストLv4)】       

頭 なし

腕 なし

胴体 【風来のはかまLv1、DFF+32 VIT+8(虫の知らせLv1)】

足 なし

アクセサリー なし

CP24/24                     

所持金 2150G

最終能力値

STR 24+13,DFF+32、INT 6, VIT 32+8, DEX 12+6

PET タマ(ねこ)【[花飾り]、?、(?)】


”神” HP250/250 種族 ドワーフ Lv12

武器 【[仕込み針のメリケンサックLv1]、STR+8、DEX+2(エアストライクLv1)】        

頭 なし

腕 【[リストバンドLv1],DFF+4,DEX+3(DEXブーストLv1)】

胴体 【[プロテクタージャケットLv1],DFF+38,VIT+3(投げるLv1)】

足 なし

アクセサリー なし

CP24/24                     

所持G 50G

最終能力値

STR 41+8,DFF+42,INT 3, VIT 31+3, DEX 16+5

PET メリー(あるぱか)


”鈴音” HP280/280 種族 ヒューマン Lv15

武器 【[ダーインスレイブLv1],STR+21,DEX+1(エナジードレインLv1)】        

頭 なし

腕 なし

胴体 【[桜の短和服Lv1],DFF+21,INT+4(桜隠しLv1)】

足 【[小さなわらじLv1],DFF+2(なし)】

アクセサリー なし

CP22/24

・盗む                     

所持G 1200G

最終能力値

STR 20+21,DFF+23,INT 20+4, VIT 22, DEX 19+1

PET ウミ(さかな)


スキル解説

・エアストライク…敵に衝撃破のダメージを与え怯ませる。怯む確率はSTRと敵とのレベル差に依存。レベルアップで怯む確率の補正。

・投げる…装備品、またはアイテムなどを投げ相手にぶつける事が可能になる。レベルアップで選択したアイテムの特殊効果の補正。

・エナジードレイン…このスキルで倒した相手のHPの3分の1を自分のものにする。レベルアップでクールタイム短縮、スキル攻撃力の上昇。尚レベルマックスで常時発動になるが相手のHPを吸収する能力は若干下方修正される。

・桜隠し…一度だけすべての攻撃をよけられる。弾幕などの場合自分の体に当たった一つの弾だけを避けられる。ただし、クール時間は20分と長い。1レベルアップ毎に30秒のクールタイム短縮。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング ←押してくれるとうれしいのです by水戸 感想とかくれたらうれしいな~。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ