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第一話もしくは第零話 奇怪研究部との出会い

季節は春。多くの生徒達が入学、進級し、出会いが溢れる時期である。

そんな中、僕はここ、逢沢高校に入学することになった。

逢沢高校は所詮田舎の進学校と言われているが、僕は気にしていない。

僕は人並みに友達ができて、勉強が出来ればそれでいいのだ。部活?うーん、特に考えてないな。なんせ運動ができるわけでもないし。まあ、興味のあるところがあったらはいるよ。

…とここまでが入学当初の僕である。この頃はいろいろなわからないことに期待と不安を抱えていたのだが、まさか不安だらけの日常とも非日常とも言えない混沌に足を突っ込むことになるとは夢にも思わなかっただろう。


入学してから数日たったある日、学校を探検がてら様々なところを散歩していた。よし、今日は部活棟を歩いてみるか。

逢沢高校は、教室棟、特別教室棟といった棟に分かれており、部活棟もその棟の一つである。普通文化部は特別教室などを活動拠点にしていそうだが、逢沢高校では、部活に力を入れているらしく、その為に部活棟まで作ってしまったらしい。

部活の数も多く、公式、非公式問わず108個もあるらしい。

この高校の部活は、同好会というものはなく、公式、非公式という分け方をしており、公式は部費が支給され、学校でも活動を評価してもらえる。ただし、活動は完全に学校に管理される。公式と銘打っている以上必然ではある。対して、非公式は部費が支給されず、活動を評価されない。その代わり、活動は自由である。

例として、新聞部を挙げてみる。公式新聞部は、大会などに出場し、いい成績を収めている。ホームルームで配られる通信は公式新聞部制作のものである。しかし、内容は学校や先生を誉めるだけのつまらない内容で、学校にとって都合のいいようにしか書かれていない。

逆に、非公式新聞部は、大会にでない代わりに学校内の事件を面白く取り上げており、中には学校を正しく批判していて、生徒間では「非公式こそ公式」ともいわれている。非公式新聞は放課後の裏庭で、有料で配られているが、売上は公式よりも売れている。

他にも語ることはあるがそろそろ本筋に戻ろう。

部活が多いので、適当にざっと見てみる。

セバタクロー部、カバディ部、ショーパ部、人体錬成部、落研(物語の)、降魔部…。

それにしてもどの部活も奇妙な声が聞こえてくる。 俺、この学校に入って良かったのだろうか…!?ただの田舎の進学校(笑)じゃねぇもん!

 周りを見てもろくな部活がない。っていうかちょっと迷子になってきた。

 仕方がない。どうやって帰るのかこの辺りの人に聞いてみよう。とりあえず僕は、部活の札も見ずに部屋に入る。

今思えば、何で札を確認しなかったのだろう。その札にはあの忌々しい部名が書いてあったのに。


「あ、あの~。すみませ…って誰もいない?」

中を見るとそこは人っ子一人居なかった。なにやら怪しげな機械が何個か置いてあるくらいだ。キョロキョロ見渡していると、

「我が神聖な部室になにかようかね?」

と後ろから変態?が耳元で囁いた。

「ひゃあ!」

と思わず前につんのめる僕。

「女みたいな悲鳴だな…。」

後ろにはそこそこ背の高そうな上級生がいた。髪はツンツンにたてており、顔はそこそこ美形っぽくも見えなくもないが、左目に付けた明らかに治療用でない眼帯と、その付近を通る油性マジックでかいた傷のようなものが、すべてを台無しにしていた。

「突然背後から現れないでくださいっ!誰なんですか、貴方は!」

「俺か?俺は…いやまて。名前を訪ねるときは自分から名乗るのが筋だろ?」

「あ、えっと、桐谷駿きりたにしゅんです。」

「ふむ、桐谷か。俺の名は神威創かむいはじめ。ここの部の部長だ。」

 どうやら変態の正体はここの部長のようだ。

「はあ…。ところでここの部活って?」

「札を見なかったのか?…まあいい。ここは…奇怪研究部だ!」

「機械研究部?ああ、ロボットを作ったりする…」

「違うな」

「え?」

「俺達の研究テーマはそうじゃない。俺達は、この世の理不尽かつ訳の分からないことを、調べているんだ!!」

集中線が入ってそうな強調の仕方だ。しかし、言ってることが分からない。

「訳の分からないことって…?」

「心霊現象や超能力とか」 …すごく非現実的だ。

「そういえば他の部員さんは?」

「ん?部室にいるじゃないか。」

そんなバカな?たしか誰も居なかったような…よく見ると壁に不自然なところが。というより忍者の隠れ蓑の術をしている人が…。紙をはがすと、これまた上級生だった。

その人は、髪は真ん中分け、瓶底メガネをかけているという真面目そうな印象を与える青年だった。だからこそ隠れ蓑という子供っぽいことをしているのがシュールだった。

「な、なぜばれたぁ!」

「・・・」

 前言撤回。ただのアホだった。

「コイツは室井治むろいおさむだ。」

神威部長が補足する。

「室井治だ。よろしく。」 今更取り繕っても手遅れだと思う。

「そういえばもう一人いるぞ。この部室に。」

「え?さすがに分からないです…。」

「おいおい、俺を見つけたときの勘の良さはどこへいったんだ?」

「・・・」

「ふぅ…しょうがないな」 そういって部長は指パッチンをする。すると、床の一部が開いて人がぬっ、と現れた。

「…お呼び?」

「うわぁ!」「うぉ!」

…って室井先輩も驚くのかよ!

「あいつはいつもどこから現れるかわからんのだ。」「こいつが風霧友子かぜきりともこだ。」

「…よろしく。…ゆーこちゃんとよんでね?」

マ、マイペースな子だなぁ…。

「この部活はこの三人で活動している!」

「はあ…。」

「ところで桐谷、お前この部活に入らないか?」

「ふぇ?」

何で僕が?いきなり説明聞かされただけで?

「ちょ、待ってください!そんなこと急にいわれても…。」

「いいんじゃないのか?お前の『身体の謎』がわかるかもしれんぞ?」

「…っ!どうしてそのことを!」

「俺達を見くびるなよ。ただのお遊び研究会じゃないからな…」

正直なめていた。こんな田舎に、こんな情報網をもつ研究会があるとは思ってなかった。この人なら、いや、この人たちなら…。

「…わかりました。入部します!」

「…君ならそういってくれると思ったよ。では、改めていうぞ!せーの」

【『「ようこそ、奇怪研究部へ!」』】

こうして、僕は奇怪研究部という訳の分からない組織に所属することになってしまった…。

はい、どうも。岸戸未蘇歩です。とりあえずのノリでシリーズ物を作ってみましたがいかがでしょうか?最後に無駄な伏線もどきを張りましたが、基本ギャグ中心の予定なので回収されるかは謎です(笑)。設定はその場で決めてるので、矛盾しててもスルーで。しかしこの高校の設定案外応用できそうなので、別の部活の話も作りたいですね。特に新聞部とか。あ、二次創作はオッケーですよー。誰もしないだろうけど。更新は不定期、または飽きたら打ち切りするかもしれないのでご容赦ください。それではまた次回。


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