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地下迷宮の女神  作者: 林来栖
第三章 ノルオールの子たち
32/153

8

 全く予期していない方向から声がして、パッドもニーナミーナもきょとんとする。

 クレメントは、黒髪美人の神官に、にっこりと笑った。

「あなたのお話から察するに、そのお客人というのは、突然神官長をお訪ねになったようですね?」

「あー、はい。……ええと、その前に、あなたどなたですか?」

 尤もだが、どうにもずれた感じの彼女の質問に、クレメントとジェイス、シェイラは思わず吹き出す。

 カーライズ公は盛大に顔を顰め、神官長と騎士団長は額に手を当てた。

 パッドが慌てて、ジェイス達を紹介する。

「いいかニーナミーナ、こちらはロンダヌスの王太子、クレメント殿下だ。で、こちらはカーライズ公、我がランダスの摂政様だ。それとこちらが……」

「こちらは存じ上げてるわ。ジェイス・キリアン伯でしょう? 有名な方だもの」

 悪びれず、腰に手を当てて言う彼女に、ジェイスは更に苦笑する。

「覚えてもらってて、光栄だぜ」

「ところで、ええと、ロンダヌス王太子殿下」

「クレメントで結構です」

「ああ、じゃ、クレメント様。神官長をお訪ねのお客さまですよね? はい、確かに急にいらっしゃったようです。でも、普段は神殿ではそういう方は珍しくありませんので」

 各国の神殿には、他の国の神殿から若い神官が頻繁に留学生としてやって来る。神殿同士の交流を深めるためと、ウォーム神とその配下の神々の歴史をよく学ぶためである。

 留学生は、予め親書を先に送って来る場合もあるが、往々にして自国の神殿の留学許可証と、神官長の、行く先の神殿宛の推薦状を持っていきなり来る。

 そのようなやり方でも偽者が殆ど皆無なのは、どちらの書状にも神聖魔法で封がされていて、それが各地の神殿によって封印の仕方が違うからである。

 封を見れば何処の神殿の書状か一目で分かり、解除する呪文も神聖魔法でなければ開かない。

「今日のお客さまも、留学生のようでした。学舎の廊下でお会いになって、神官長に親書をお見せになってましたから。でも、神官長は一瞬首を傾げられて……。それから少しして、私にお客さまをこちらの部屋でお待たせするようにと、お命じになりました」

「なるほど」

 クレメントは頬に手を当て、首を傾げる。

 考えている様子の王太子に、神官長は、

「ですから、ニーナミーナの言う事は、私には身に覚えの無い事なのです」と、再度否定する。

「でも、真実ですっ」

「あなたの空想だよ、ニーナミーナ」

「そんなっ……」

「いえ、空想ではないでしょう。現にこうして、扉は魔法によって壊されています。神官長が記憶されていないのは、多分記憶を消されているためでしょう」

 ジェイスを含め、クレメント以外の人間が一様に驚いた。

「人の記憶を操作する魔法があるのですかっ?」

 シェイラが尋ねる。

「あります。闇の魔法の中に」

「闇の魔法……」

 クレメントの肯定に、神官長が青くなる。

女性神官戦士、ニーナミーナ。

恐いもの知らずのイノシシ娘です・・・(苦笑)

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