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地下迷宮の女神  作者: 林来栖
第十一章 怒りの女神
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4

「ちっくしょうっ!」

 ジェイスは走り寄ると、アーカイエス目掛けて剣を振った。が、魔法により半実体化した魔導師には、ランダス王の大剣の刃ともいえど、斬れない。

 薄笑いを浮かべたアーカイエスは、完全に沈み込む寸前、南東の方向へ魔法を放った。

「やっぱりあいつ、企んでたわねっ」

 悔しさに、シェイラは片足を踏み鳴らす。

「止められねえのかっ? クレメントっ!」

 彼は王太子を振り返った。

 クレメントは答えずに、短く呪文を唱えた。

 と、彼の身体がアーカイエスと同じく床に沈み始める。

「あっ、こら待てっ!」

 ジェイスは彼を止めようと肩を捕まえる。が、その手は空しく宙を掻いた。

「クレメントっ!」

「ジェイス大変っ!」

 シェイラの声に、ジェイスは顔を上げる。

「妖魔っ!」

 ニーナミーナが叫ぶのとほぼ同時に、アーカイエスが魔法を放った南西の方角から夥しい数のボガードが入って来た。

 よく見ると、ボガードの背後にはユガーと、ライカンスロープの姿もある。

「何なんだっ!」

 ジェイスは即座に剣を構える。

「あんの野郎っ、何か細工しやがったなっ!」

 彼は怒鳴りながら、最初に襲って来たボガードの首を一振りで斬り飛ばす。

「私達がこいつらに喰われなければ、ノルオール降臨が見られるって言ったわっ!」

 シェイラが、後方の魔物を牽制するために火球を放ちながら言った。

「どういう意味だっ?」

「判らないわよっ!」

 赤毛の英雄伯爵は、重い大剣を扱っているとは思えない素早さで次々と妖魔を斬り捨てる。

 その背後で、長剣を操り妖魔と戦っていたパッドが叫んだ。

「ライカンスロープが跳躍しますっ!」

 幾ら高さがあるといっても室内である。にも関わらず、人狼が他の妖魔を踏み付けるようにしてこちらへ飛んで来た。

「火球っ!」

 シェイラが、パッドの指摘に素早く魔法を唱えた。

 一匹目のライカンスロープが炎に包まれ、眼前で落ちる。

 だが、二匹目がパッド目掛けて飛び出した。

 ボガード二匹と斬り結んでいた騎士は、人狼の攻撃を交わす間もなく押し倒される。

「パッドっ!」

 ニーナミーナが、彼に伸し掛かる妖魔の頭目掛けて鎖を振った。

 ライカンスロープの頭蓋が、重い鉄球に割られる。声も無く横様に倒れた妖魔の下から素早く起き上がり、パッドはニーナミーナに手を挙げた。

 しかし、彼等が必死に戦っても、妖魔は後から続々と傾れ込んで来た。

「キリが無いわっ!」

「一旦ここは退却するかっ?」

 ジェイスは、ユガーの戦斧を交い潜りその大きな腕を斬り飛ばす。

 彼の背後に回って来たニーナミーナが、突然「あっ」と声を上げた。

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