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地下迷宮の女神  作者: 林来栖
第一章 魔法石の盗難
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この小説の舞台設定は、作者単行本「僕の魔法使い」と同じです。ただ、時代が違いまして、キャラクターも違います。

「僕の魔法使い」をお読みでない方にも、設定内容は分かるように書いておりますので、どうぞお楽しみください。


なお、残酷シーンというより、ハチャメチャな戦闘シーンが、後半戦に出て参りますので、苦手な方は、考慮の上、お読み下さい。

 パンドール大陸では、神々の王にして絶対神と呼ばれるウォームが、臣下の神を大陸各地に遣わしそれぞれの国の祖とした月を、一年の初月と定めていた。

 俗に『夏節祭』と呼ばれる祭は、初月の一日から一週間、各国の王家始祖の神の神殿が個々のしきたりにのっとって執り行う。どの神殿の祭もそれなりに華やかではあるが、何と言っても大陸一の大国、ロンダヌスにあるウォーム神殿の祭が一番、盛大だった。

 ウォームはロンダヌスの始祖の神ではない。古代カスタ王国から連なるこの国の王家は、絶対神の腹心として信頼されたトール・アルフル(高位妖精族)の王を祖とする。

 妖精の王はウォームに敬意を込め、この地に彼の神の神殿を建てたと言われている。

 王都ロレーヌの中央広場から西へ向かうと、白いガレリア石を積み上げた、荘厳なウォーム神殿に突き当たる。門前通りとなる西大通りは、夏節祭の間中通りの店の他に屋台が並び、大賑わいとなる。

 飾り付けのための造花や生花を売る店、菓子や酒のつまみのような食べ物の店、遠方からの珍しい品々を並べる店もある。

 また、大門を潜った礼拝堂入り口前の広場には見せ物小屋が並び、小屋の前には客寄せの口上師、大道芸人が衆目を集めている。

 個々の民家の窓辺や玄関に飾り付けられた南国特有の色鮮やかな花々、景気のいい呼び声などに祭気分を刺激された人達が、路地をはしゃぎながら歩く。



 昼過ぎ。

 ロンダヌス中からやって来た観光客や、ウォームの信者の歓声に埋まる街路から神殿内へ一歩入ると、だがそこは別世界のように静かだった。

 新年の護符が配られる午前中には信者が大勢礼拝堂へ入るが、午後には閑散とするのが夏節祭時の神殿の風景である。

 それは、どの神の神殿もあまり変わらなかった。

 それでも人影がちらほらとある広い礼拝堂の祭壇前に、一際目を引く男女二人が立っていた。

 どちらもかなり大柄である。男の方は、肩幅が広く手足が長い。筋肉もがっちりついた身体付きだが、筋肉隆々の巨漢、という程ではない。

 使い込まれた革の胸当てに、背には太い革ベルトで吊った大剣を背負っているところから、どこかの国の剣士か傭兵とみられる。

 年は二十代半ば頃、背の中程まで伸ばした、印象的な赤茶の髪を黒い組み紐でひとつに結んでいる。

 女は、長身の連れより頭ひとつ半程低く、女性としては上背がある。

 腰には小剣が二本、革ベルトに吊るされている。

 女剣士である。

 胸は豊かで、腰は蜜蜂のように見事にくびれているが、革の胴着の上からでも、鍛え抜かれた身体であるのが分かる。

 女は、男好きする、肉感的でややきつめの美貌を上向け、肩に付くか付かないかで切った癖の強い黒髪を軽く振った。

「あれが『祝福』の魔法石よ。知ってると思うけど、三百年前古代カスタ王国跡を冒険した七賢者の一人アンダレート・アルクスク大神官が持っていらしたものよ。魔法石は現在この大陸に七つ存在するわ。と言うのも、元々ひとつの石だったのをやはり七賢者の一人の闇の賢者と呼ばれるエレクトラ・ラ・ニル

が魔法で七つに割ったのよ」

 顔立ちに似合ったアルトに、男は「ふーん」と生返事をする。

 彼女の、綺麗に切れ上がった濃い茶の目が、きっ、と相手の顔を睨んだ。

「当分連載はやらない」と言っておきながら・・・

やっぱり書いてしまいました(汗)


下手の横好きなんでしょうが、小説を書くのが、作者どうやら好きなようです(小説家になろう!に投稿している以上、当たり前ですが)


このお話も、以前に書いたものの書き直しです。結構長いし、直しも満載なので、アップの時間も掛かるかも知れませんが、よろしかったらお付き合いください。


前書きにも書きましたが、この物語は「僕の魔法使い」の、時代をかなり下った、同じ世界設定の物語です。一部「僕の魔法使い」の登場人物の名前なども出て来ますが、前のお話を読まなくても分かるように書いてあります(の、つもりです)

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